研究課題/領域番号 |
23K25079
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補助金の研究課題番号 |
22H03825 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
金子 由芳 神戸大学, 社会システムイノベーションセンター, 教授 (10291981)
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研究分担者 |
川畑 康治 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (10273806)
三重野 文晴 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (40272786)
飯 考行 専修大学, 法学部, 教授 (40367016)
大川 謙蔵 摂南大学, 法学部, 准教授 (40582771)
川嶋 四郎 同志社大学, 法学部, 教授 (70195080)
栗田 誠 白鴎大学, 法学部, 教授 (20334162)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2025年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 経済法制改革 / アセアン諸国法 / アセアン経済共同体(AEC) / 法整備支援 / アセアン経済共同体 / アジア法 |
研究開始時の研究の概要 |
日本アセアン友好協力50周年の節目を迎えるなか、本研究は2015年に発足したアセアン経済共同体(ASEAN Economic Community: AEC)による共通法政策の十年検証を意図し、域内後発諸国や環境社会的配慮を伴う"インクルーシブ・アセアン"の実現に資する法制度の課題を明らかにするとともに、日本の法整備支援のあり方について実践的提言を行う。昨年度まで主要な経済法制分野についてアセアン後発諸国の法整備状況を明らかにしたが、2024年度はさらに法の実施状況や判例に踏み込み検証を進めると共に、AEC共通法政策を牽引するアセアン中核諸国で現地調査を実施し、2025年度に成果を取りまとめる。
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研究実績の概要 |
本研究は、2015年に発足したアセアン経済共同体(ASEAN Economic Community: AEC)の十年評価へ向けて、共通法政策が域内後発諸国の開発課題に与える影響を検証し、開発格差の大きい地域経済統合における共通規範の定立のあり方を検討し、またこれに対する多国間・二国間の法整備支援の在り方について提言することを目的とする。本研究は2022年度~2025年度の4年画である。初年度である2022年度は主要な経済法制分野(外資法・労働法・競争法・企業法・知的財産権法・消費者法他)におけるAECの共通法政策を各論的に確認し仮説を抽出する目的で、現地研究協力者や法整備支援実務家を交えた連続10回の公開研究会を実施した。2023年度は、AECの共通法制策を受けたアセアン後発諸国の法制改革の動向と課題を明らかにする目的で、ベトナム及びカンボジアにおける現地調査を実施し、経済法制改革を牽引する司法省・商業省等の政府部門、法の実施を担う普通裁判所や労働裁判所、商工会議所・ジェトロ、ハノイ法科大学他の大学研究者との研究交流を重ねつつ、前年度の研究成果から抽出された各論的課題につき情報収集・分析を深めた。 主な知見として、対象両国ともに、競争法の実施の棚上げないし遅れ、民法典改正・商法起草等の基本法典の改革における「取引の安全」の強化、消費者保護法の切り離しなど、規制緩和基調の法整備路線が見出され、「インクルーシブ・アセアン」を標榜するAECの共通法制策との乖離が論点として浮かび上がった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度当初の予定通り、AECの共通法制策を受けたアセアン後発諸国の法制改革の動向と課題を明らかにする目的で、ベトナム及びカンボジアにおける現地調査を実施し、政府部門、産業界、大学研究者との研究交流を重ね、前年度の研究成果から抽出された各論的課題につき情報収集・分析を深めた。とくに対象国の経済法制改革を担当する司法省・商業省等の政府所管部門、法の実施を担う普通裁判所や労働裁判所、商工会議所・ジェトロ、ハノイ法科大学他の大学研究者との研究交流を重ねつつ、前年度の研究成果から抽出された各論的課題につき立法動向のみならず法の実施状況につき情報収集・分析を深めた。 主な知見として、競争法の実施の棚上げないし遅れ、民法典改正・商法起草等の基本法典の改革における「取引の安全」の強化、消費者保護法の切り離しなど、規制緩和基調の法整備路線が見出され、「インクルーシブ・アセアン」を標榜するAECの共通法制策との乖離点がさらなる検討の焦点として浮上した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、引き続きAEC共通法制策が力点を置く競争法・消費者法・中小企業法・紛争処理制度を中心に、AECの共通法政策と各国の法制改革の関係を明らかにし、とくに2023年度の現地調査において課題として浮上したAEC共通法政策と後発諸国の立法・実施動向の乖離点に焦点を当てつつ、これに対する法整備支援の課題を抽出する。年度前半にASEAN plus 3の枠組みを通じてアセアン諸国の法整備に影響力を発揮しつつある中国の研究動向を調査し、また年度後半にはアセアン中核諸国であるインドネシアで現地調査を実施し、政府・研究機関、またアセアン当局にて調査を実施予定である。
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