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中東における社会運動の実証研究:定性的・定量的研究の新たな有機的統合を通して

研究課題

研究課題/領域番号 23K25080
補助金の研究課題番号 22H03826 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分80010:地域研究関連
研究機関九州大学

研究代表者

山尾 大  九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80598706)

研究分担者 濱中 新吾  龍谷大学, 法学部, 教授 (40344783)
今井 宏平  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (70727130)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
キーワード地域研究 / サーベイ実験 / 計量テキスト分析 / GIS / 社会運動 / 中東 / 空間・地理データ分析
研究開始時の研究の概要

本研究課題は、近年世界各地で注目を集めるようになった抗議行動などの社会運動に焦点を当て、中東の3か国(イラク、イスラエル、トルコ)を事例に、①市井の人々がなぜ、いかなる条件で社会運動という非公的な政治参加の手段を選択しているのか、②抗議行動などの社会運動はどのように動員され、拡大しているのか、そして、③各国の政府は社会運動の拡大・拡散をいかにして食い止め、管理しようとしているのかという3つの課題を解明する。

研究実績の概要

本研究では、地域研究の手法とサーベイ実験(世論調査)によって、一般の人々がなぜ、いかなる条件で抗議行動などの社会運動に参加することを選択するのかという問題を明らかにする。2023年度は、まず、昨年度までに地域研究の手法で整理した、イラク(山尾)、イスラエル(浜中)、トルコ(今井)における抗議行動などの社会運動の質的な分析を比較するところから研究を開始した。
そのうえで、特に、記述したイベントデータを中心に発生・拡大の要因や運動そのものの変容過程を詳細に比較検討した。
次に、同じく進めてきたサーベイ実験を、今年度はイラクで実施した。サーベイ実験では、フレーミング実験やリスト実験などの手法を用いて、社会運動への参加条件や共感の度合いなどを浮き彫りにすることを試みた。
さらに、計量テキスト分析の手法を用いて、イラクの事例を分析し、新聞とTwitterの社会運動と都の弾圧者に対する評価とその変化を解析し、上記のイベントデータを目的変数として、新聞とSNS上のトーンの差異が、社会運動の発生に与える影響を分析した。その成果は論文としてまとめ、比較政治学会で報告するとともに、学会誌に投稿し、掲載が確定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画したことは、ほぼすべて順調に進んでいる。
一方で、サーベイ実験と計量テキスト分析については、想定以上に順調に進捗をみせており、すでにかなり質の担保された論文にまとめる段階に至る。また、サーベイ実験については、イラク、トルコ、イスラエルで共通のフフレームで実施を準備しており、進捗は申し分ない。
他方、GISについては、データの収集までは進んでいるものの、実際の分析を進める段階には今一歩ということろである。
こうしたことから、おおむね順調とした。

今後の研究の推進方策

今年度は、抗議行動がどのように広がり、支持を集めるのかについて、地域研究の記述と、サーベイ実験、そして計量テキスト分析に特に注力して、分析結果を論文にまとめていくことを目指す。
地域研究的な記述については、イラク(山尾)、イスラエル(浜中)、トルコ(今井)についての先行研究や現状分析を続ける。サーベイ実験については、社会運動がどのような条件で支持を得やすいのかについて、3カ国で共有のサーベイ実験を行い、人々の支持の選好を明らかにする。具体的には、各国で類似したデザインのコンジョイント実験を行い、どのような抗議行動が支持を得やすいのかを解明する。計量テキスト分析については、社会運動にかかわる新聞報道と、Twitter(現在のX)上の書き込みのトーンの差分とその変化をもとに、抗議行動についての認識がどう変化していったのかを明らかにする。それに加え、GISデータを活用した分析を進める。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (17件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] Twitterからみるイラク人民動員隊に対する認識の変化2024

    • 著者名/発表者名
      木下博子・山尾大
    • 雑誌名

      日本中東学会年報

      巻: 39(2) ページ: 1-30

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 紛争後の非リベラルな国家建設を市民はどのように認識するのか――2021年シリア世論調査結果の分析から2023

    • 著者名/発表者名
      末近浩太・山尾大
    • 雑誌名

      比較政治学会年報

      巻: 25 ページ: 53-80

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] “State Reconstruction, Political Actors, and Expectations of Syrian Regarding Development Assistance from Foreign Countries2023

    • 著者名/発表者名
      Shingo Hamanaka and Miyui Tani
    • 雑誌名

      Annals of Japan Middle East Studies

      巻: 39:1 ページ: 1-22

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] イスラーム革命防衛隊の海外派兵をめぐるイラン国民の認識――2021年サーベイ実験の結果から2023

    • 著者名/発表者名
      千坂知世・山尾大・末近浩太
    • 雑誌名

      アジア経済

      巻: 64:1 ページ: 2-26

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「アラブの春」後のリビアにおける国家再建と民主化――2019年実施の世論調査の結果から2022

    • 著者名/発表者名
      末近浩太・山尾大
    • 雑誌名

      日本中東学会年報

      巻: 38:1 ページ: 1-30

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 米国の軍事介入とイラク国家建設の蹉跌2022

    • 著者名/発表者名
      山尾大
    • 雑誌名

      国際問題

      巻: 706 ページ: 1-32

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] 「シーア派割れ」と変わらない政治構造――第5回イラク議会選挙後の新政権形成をめぐる闘争2022

    • 著者名/発表者名
      山尾大
    • 雑誌名

      中東研究

      巻: 545 ページ: 101-112

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 英雄か脅威か――計量テキスト分析からみるイラクの世論と街頭行動の拡大2023

    • 著者名/発表者名
      山尾大
    • 学会等名
      比較政治学会年次大会、共通論題
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Heroes stirring up political unrest: Measuring evaluation of former-militia (PMU) by a list experiment in Iraq2023

    • 著者名/発表者名
      Yamao, Dai
    • 学会等名
      27th World Congress of Political Science (International Political Science Association, IPSA)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 紛争後社会の選挙動員の効果をはかる――イラクにおけるサーベイ実験から2023

    • 著者名/発表者名
      山尾大
    • 学会等名
      日本政治学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] How do Syrians perceive roles of the resurgent Assad regime in the post-conflict period? An analysis of the 2021 public opinion survey2023

    • 著者名/発表者名
      Suechika, Kota and Dai Yamao.
    • 学会等名
      Humanitarian narratives and interventions from the contemporary Middle East
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 「アラブの春」以降の対イラン認識の変遷を探る――アラブ諸国主要紙の計量テキスト分析から2022

    • 著者名/発表者名
      山尾大・末近浩太
    • 学会等名
      国際政治学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] イスラーム・デジタル人文学2024

    • 著者名/発表者名
      須永 恵美子、熊倉 和歌子
    • 総ページ数
      278
    • 出版者
      人文書院
    • ISBN
      9784409420256
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] イスラームからつなぐ1 イスラーム信頼学へのいざない2023

    • 著者名/発表者名
      黒木 英充、後藤 絵美
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      4130343513
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] トルコ100年の歴史を歩く : 首都アンカラでたどる近代国家への道 1038;10382023

    • 著者名/発表者名
      今井 宏平
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      平凡社
    • ISBN
      9784582860382
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 教養としての中東政治2022

    • 著者名/発表者名
      今井宏平
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] クルド問題 非国家主題の可能性と限界2022

    • 著者名/発表者名
      今井宏平編
    • 総ページ数
      164
    • 出版者
      岩波書店
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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