研究課題/領域番号 |
23K25083
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補助金の研究課題番号 |
22H03829 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
倉田 徹 立教大学, 法学部, 教授 (00507361)
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研究分担者 |
倉田 明子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (20636211)
遊川 和郎 亜細亜大学, 付置研究所, 教授 (40312409)
澤田 ゆかり 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50313268)
安藤 丈将 武蔵大学, 社会学部, 教授 (50434220)
村井 寛志 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (60409919)
廣江 倫子 大東文化大学, 国際関係学部, 准教授 (90361849)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2026年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 香港 / 中国 / 経済融合 / 価値観 / アイデンティティ / 民主化 / 権威主義 |
研究開始時の研究の概要 |
中国政府が香港で導入しようとしている「中国式統治」が、香港の政治・法・経済・社会・文化・人の心理・対外関係などにどう及ぶか、その実態を同時代的に理解することを研究の目的とする。香港でのインタビューや文献収集などといった現地調査、関連する書籍を中心とした文献の収集、国内外の研究者との共同研究会の開催を柱とする研究活動を、2022年度から5年間にわたって遂行する。
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研究実績の概要 |
本研究は、中国政府が香港で導入しようとしている「中国式統治」が、香港の政治・法・経済・社会・文化・人の心理・対外関係などにどう及ぶか、その実態を同時代的に理解することを研究の目的としている。具体的には、2020年の香港国家安全維持法の導入、2021年の選挙制度の改変といった大きな動きを経て、今後①中央政府・香港政府は「中国式統治」をどの範囲まで広げるのか、②香港社会は「中国式統治」をどこまで受け入れられるのか、③香港市民は「中国式統治」でどこまで変わるのかといった問いへの答えを模索する。 2022年度は本研究プロジェクトの初年度にあたり、本格的な研究活動の実施に向けた初歩的な準備段階と位置づけた。まず、日本国内において、毎月1回程度の定期的研究会を開催し、関連する文献の精読や、研究成果の共有を行った。 一方、当初本年度は香港での現地調査実施を検討していたが、香港では2022年度末に至るまで、施設等での隔離を強制するなどの厳格な防疫対策が取られ続けていたため、予定していた夏期休暇中の調査旅行は見送らざるを得なかった。しかし、主に年度末の時期、規制の漸次緩和を受けて、一部の分担者は香港や台湾を個別に訪問して調査活動を行った。 訪問調査に代えて、現地情勢の把握のため、香港からの研究者・政治家等の来客を招いての講演会・研究会を、特に2023年初頭の渡航自由化後に頻繁に開催し、香港情勢についての情報を得た。また、一部の分担者は論文などの形で公刊するなど、研究成果の一部を公にすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の通り、香港現地渡航を行っての調査研究の実施は大きく阻害されている状態にあるが、各分担者はそれぞれ研究活動を遂行し、一部は海外での調査研究を行うことができた。 国内での研究会は2022年度内には、5月8日・6月26日・7月31日・8月28日・10月9日・11月27日・12月18日・1月28日・3月4日と、9回開催することができた。分担者や、関連研究者による研究計画や成果についての報告と議論によって、香港の様々な側面に表れる「中国式統治」の影響についての理解を深め、問題意識を共有することができた。また、これらの研究会は同時ネット配信の形式を取ることで、香港からも参加者を得て議論することができた。 また、香港から来日した研究者・政治家の講演・研究会については、対外非公開の形式を取ることによって、現地では報道されないような事情についても詳細な情報を得ることができた。 これ以外にも、2023年1月9日には東京外国語大学において、香港映画の大規模な上映会を開催し、映画監督や関係者を招いて議論を行うなどもし、一般の観覧者多数を招くこともできた。 厳しい研究環境に置かれる中で、本年度は上記の通り、様々な工夫によっておおむね順調に研究活動を遂行することができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は5年間のプロジェクトであり、2023年度までは本格的な研究活動の実施に向けた初歩的な準備段階と位置づけられている。まず、日本国内において、引き続き毎月1回程度の定期的研究会(会場:東京外国語大学または立教大学)を開催し、関連する文献の精読や、研究成果の共有を行う。特に、研究の進展に応じて、研究分担者が報告の機会を持つように研究会を実施する。また、各メンバーがそれぞれの関心から所属している学会での活動などを通じて、中国や周辺地域との比較の視点から、中国式統治の影響について示唆を得る機会を持つ。 本来本研究は香港での現地調査実施を柱としており、渡航規制が緩和されていることに鑑み、香港への調査チームを組んでの渡航を2023年度は検討する。ただし、政治情勢は引き続き厳しいため、香港渡航が困難の場合は、香港研究が活発に行われている英国やカナダなどへの渡航によって研究者間の交流を行うか、香港や諸外国在住の研究者を日本に招聘するなどし、香港の情勢や研究動向に関する情報の収集に努める。 また、日本国内にはほとんどない香港に関連する文献資料の収集にも努める。必要に応じて、香港の書店に照会し、中国語で書かれた新刊書の取り寄せを行うほか、英語で書かれた文献の発刊が多く予定されているので、それらを渉猟して代表者・分担者の研究の用途に共用したい。
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