研究課題/領域番号 |
23K25088
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補助金の研究課題番号 |
22H03834 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
粟屋 利江 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (00201905)
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研究分担者 |
田口 陽子 叡啓大学, ソーシャルシステムデザイン学部, 准教授 (00778251)
佐藤 斉華 帝京大学, 文学部, 教授 (10349300)
太田 信宏 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40345319)
井田 克征 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (60595437)
小松 久恵 追手門学院大学, 国際学部, 准教授 (80552306)
中溝 和弥 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90596793)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 南アジア / 感情 / 歴史 / ミドルクラス / ヒンドゥー至上主義 / ジェンダー / 政治 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第1に、南アジア研究の諸分野に「感情」の視角を導入することによって、新たなテーマと知見をもたらすことを目指す。第2に、歴史学、政治学、宗教学、社会学、人類学、文学、インド学などの学問領域を横断し、「感情実践」、「感情語」を切り口として、南アジア社会のより重層的・動態的な理解を深める。第3に、「感情」に焦点を当てた、かつ学際的な研究の端緒として、南アジアに関する感情研究の土台形成をめざすとともに、感情研究にみられる西洋中心主義の是正を図る。
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研究実績の概要 |
本年度は、4回の研究会を持ったが、大きく、特定学問領域における感情に関する先行研究の批判的サーヴェイと個別報告に分かれる。学問領域としては、まず、政治の分野について先行研究の批判的サーヴェイを行い、政治的な動員に関する様々なアプローチについて確認した。また、歴史分野については、外部から専門研究者を招聘し、特に近年のイギリス帝国史における感情への注視について、ジョン・ウィルソンの研究を中心に報告していただいた。支配側の抱く「不安」、「恐怖」への注視が強調される局面についての理解を深めた。個別報告では、イギリス支配期のボンベイ管区を中心とする黒魔術や魔女などに関する民俗誌を通じて、恐怖・不安についての報告(井田克征「悪霊,魔女,疫病の女神―R. E. Enthovenによるボンベイ管区のフォークロア調査から」)、印パ分離独立に関する博物館の展示を感情の視角から分析する報告(小牧幸代「国境をめぐる感情の展示:アムリトサル・分離独立博物館に関する一考察」)、ダリト(不可触民)・アーティストが創造する視覚アートと感情の関係を考察した報告(鈴木真弥「ダリト・アートのアクティヴィズムにみる視覚文化と「ダリト性」の表現」)、ネパールのヨルモの間における死をめぐる様々な感情についての報告(佐藤斉華「感情のヨルモ民族誌」)が行われた。 また、マラーティー、カンナダ、ベンガル、マラヤ―ラム、テルグ、サンスクリット、ヒンディーに関する感情語を拾い出し、その比較検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで学問分野ごとの先行研究の批判的把握は、文学、政治、歴史、人類学などをカバーし、個別研究も研究会報告を通じて進展している。また、インド諸語における感情語リストの作成と検討を数度にかけて行ってきており、問題点を拾い上げてきた。メンバーによる現地調査、資料収集も順調に進んでいる。以上のことから、全体として順調に進んできていると言える。 、
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今後の研究の推進方策 |
南アジア諸言語の感情語のリストアップと分析をさらに系統的に進める。すでにリストアップは取り掛かっており、総括の方向性について議論を深める。各メンバーの資料収集と報告をさらに続ける。今年度の研究会報告は、まず、大衆映画における「感情」表現の特徴とその変容に絞った報告、次にミドルクラスと家事労働をめぐる感情の在りように関する報告から始める。論集を念頭においた議論を深めることを重視する。
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