研究課題/領域番号 |
23K25102
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補助金の研究課題番号 |
22H03848 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
舘山 一孝 北見工業大学, 工学部, 准教授 (30374789)
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研究分担者 |
桑村 進 北見工業大学, 工学部, 助教 (20271538)
原田 建治 北見工業大学, 工学部, 教授 (30312820)
大湊 亮輔 小樽商科大学, グローカル戦略推進センター, 学術研究員 (40961587)
吉川 泰弘 北見工業大学, 工学部, 教授 (50414149)
岸本 稔 小樽商科大学, グローカル戦略推進センター, 教授 (50942421)
北川 泰治郎 小樽商科大学, グローカル戦略推進センター, 教授 (60643377)
原田 康浩 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80198928)
桝井 文人 北見工業大学, 工学部, 教授 (80324549)
大野 浩 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80634625)
三枝 昌弘 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80908880)
久保 比呂美 北見工業大学, 工学部, 講師 (90891979)
佐藤 和敏 北見工業大学, 工学部, 助教 (60771946)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2026年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | データ駆動型観光 / 絶景予測 / DIAS / オーバーツーリズム / VR / 絶景 / SINET / 北海道 / AI画像認識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、文部科学省の地球環境データ統合・解析プラットフォームDIASと国立情報学研究所のモバイルSINETを情報・通信基盤とし、独自に展開した気象観測装置とスマートカメラ観測網による環境データと画像、ならびに気象庁の数値予報データ等をDIAS上で融合解析し、これまで予測が困難であった複数の種類・季節・場所の絶景を高確率に予測することで観光客を能動的に誘導する「データ駆動型観光」のシステムとビジネスモデルの開発を行う。自治体や企業と連携して観光客の満足度を高め、オーバーツーリズムを解消し、観光地の動植物や自然への環境負荷を制御した持続可能な観光地の育成・管理を目指す。
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研究実績の概要 |
以下5項目の調査・研究を行った。 1.自然景観の発掘:各地の雲海・川霧・海霧、サンピラー・ダイヤモンドダスト・ハロ・幻日、蜃気楼・変形太陽、星空、低緯度オーロラなどの自然現象や、ブドウ畑などの景観、野生動物について絶景予測と観光資源化に向けた現地調査を実施した。 2.DIASカメラの製品化:これまで北見工業大学の技術部が製作していたカメラのうち省電力型カメラを協力企業に技術移転し、製品化して安定供給を可能にした。高機能型カメラについては技術部による製作を継続する。 3.自然現象の発生条件の調査・発生予測:DIASカメラを展開し,蜃気楼や雲海等の発生条件を調査して発生予測モデルの開発に取り組んだ。DIAS上で独自の気象観測データと気象庁の予報データ等を用いて融合解析するアプリケーション『Zekkei Explorer』を使用し、蜃気楼とジュエリーアイスの発生期待度を試験的に公開した。 4.観光ニーズ調査・マネジメント検討:大洲市、三次市、朝来市、美郷町、国見ヶ丘、大濠公園などで自治体、観光協会、民間事業者、大学へのヒアリングとアンケート調査を行い、観光の体験、観光客の動員状況、マネタイズ状況などの現地調査を行い、各地域が抱える問題点や成功例の洗い出しを行った。札幌市と豊頃町でシンポジウム等を開催し、大学・企業・自治体・住民間で意見交換やディスカッションを行った。 5.情報発信方法の検討:発生予測のHP上での情報発信とそれにかかる地域観光関連パーソンとの協力体制についてヒアリングを行った。北見市の観光モデルコースを対象としてVRコンテンツによる観光体験が被験者の観光動機に与える刺激を実験的に検証し、有効な刺激を確認した。LDAと情報トリアージを応用してSNS投稿から意見を抽出してGTA分析を行う手法を実装改良し、処理結果として得られるトピック集合の解釈可能性を検証し、有効性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・これまで北見工業大学の技術員がカメラの手作りで製作していたが、カメラの供給が追い付かず観測地に設置できない問題があった.この問題を解決するために協力企業と共同にて商品化に向けて生産の効率化を行い,安価に多数のカメラを調達する体制を構築した.高機能型DIASカメラについては引き続き本学技術員に設計・製作を担当して貰い,複数のレンズを搭載したモデルや極地モデル,望遠モデル,高画質モデルなど多彩なカメラを展開し,様々な対象・地域に適したカメラを製作・設置した.これらカメラの生産・展開については当初の予定を超える成果であった. ・自治体・企業との共同研究は年間3件を目標としていたが、室蘭市観光協会・オホーツク総合振興局・札幌管区気象台の新規3件を含む合計10件を達成し、3件のシンポジウムや勉強会を実施した。メンバーが北見市観光推進プロジェクト策定委員会の委員長に就任し、北見市の観光計画の立案と実施に参加している。 ・カメラの画像からAIを用いて自然現象の発生の有無や規模を自動判別する技術を開発した。今年度はDIAS側に発生予測に必要な気象予報データを登録することができなかったため、統合解析による発生予測の計算と公開を行うシステムの試験運用までは至らなかった。来年度は試験運用を実施したい。 ・360度カメラを用いた絶景の動画を多数撮影し、VRコンテンツを蓄積した。北見市観光協会が推奨する観光モデルコースのVR映像を試作し、北見市および各スポット運営組織から評価を受けた。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度については以下の項目に重点を置いて実施する。 ・変形太陽、雲海、サンピラー、ダイアモンドダスト、ジュエリーバブル、湖の結氷などの自然現象や星空、低緯度オーロラなどの自然現象の発生予測ブドウ畑などの自然景観のモニタリングを継続し、『Zekkei Explorer』に登録する自然現象の件数追加を加速する。 ・斜里町の蜃気楼や屈斜路湖の雲海で自動判別に成功したAI画像認識技術を活用して他地域のカメラで撮影された画像から絶景発生の条件や頻度を定量化する。自然現象に加えワイナリーなどの文化的景観、野鳥などの野生動物を含めた絶景の発掘と観光資源化のための調査を継続する。 ・絶景のVRコンテンツなどのデジタルアーカイブを充実させ、観光スポットに体験設備を設置し、絶景が見られなかった場合でもVRで疑似的に感動体験ができる観光DXを試験的に実施する。 ・データ駆動型観光の実現に必要なインフラ整備、研究機関・地方自治体・民間企業・地元住民等が連携した地域の協力体制、オーバーツーリズム対策も含めた持続可能な観光地を目指した魅力的な観光資源の開発と醸成に関する分析を行うため、全道の観光協会へ一斉アンケート調査、さらに必要に応じてヒアリング調査を実施する。 ・データ分析に基づく観光ビジネスモデルの最適化の検討を行う。得られた知見を北見市などの観光計画にフィードバックし、観光DX化を推進する。外国人観光客向けの効果的な情報発信方法や絶景体験を取り入れた魅力あるツアーを試験的に実施してツアー内容と効果を検討する。
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