研究課題/領域番号 |
23K25106
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補助金の研究課題番号 |
22H03852 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
香坂 玲 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50509338)
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研究分担者 |
内山 愉太 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (00710766)
高取 千佳 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (10736078)
岸岡 智也 金沢大学, 先端科学・社会共創推進機構, 特任助教 (10793028)
永野 昌博 大分大学, 理工学部, 准教授 (50530755)
徳山 美津恵 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80363951)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 生態系サービス / 合意形成 / 土地利用 / 人口縮小 / 気候変動 / マップ・地図 / 参加型科学 / 土地利用マップ / 生態系保全 / アクター・ネットワーク / 境界オブジェクト / 世界農業遺産 |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動と人口減少が加速する現在、地域の観光振興においては、生態系の保全と利用の両立が課題となっている。本研究では、地域の環境・生活・経済の基盤となる土地利用管理の方針に対し、科学が補佐しながら保全と利用を両立させる意思決定モデルを構築する。具体的には、能登・国東の世界農業遺産認定地域を対象とし、産官学の役割、科学者の地域認識プロセスにも着目しつつ、関連するアクター・ネットワークの構造を分析し、科学と実践という複眼的な合意形成に堪える境界オブジェクト(BO)としてのマップを構築する。結果、集落レベルの土地利用管理の方針と認定地域のマクロな計画に対し、BOを介した協働と集団の相互学習を実現する。
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研究実績の概要 |
気候変動適応策の立案、実施に向けた生態系の保全と適応策の両立を目指した研究として、今年度は、昨年度に引き続き、主に森林や農地を含めた土地利用政策に関する情報収集を行った。具体的には、国東半島宇佐地域世界農業遺産である原木シイタケ生産現場における視察や、大分県椎茸農業協同組合国東支部、乾椎茸商社への訪問を行い、現状、課題を把握するとともに実装可能な適応策構築のための聞き取り調査、意見交換を行った。また、意思決定過程と関連する(人・モノを含む)アクター・ネットワーク(AN)の構造・流れにおける分析のため、国東市観光案内所、世界農業遺産GAP事務局を訪問し、気候変動対応と生態系保全および観光振興の相乗・相反関係についての聞き取り調査および意見交換を行った。さらに大分大学の研究者が行うサンショウウオの生態調査に同行し、調査現場を視察するとともに、生態系の気候変動及び人口縮退への対応する状況について、意見交換を行った。これらの視察には学生も同行し、気候変動や人口縮退が続くなか、環境保全や資源循環、人の生活を支える取り組みとしての持続可能な森林、里山の管理、生態系全体を視野に入れた活動の重要性について学生を含めた活発な議論が行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は新型コロナの影響が低くなり、現地への視察、調査が可能となったため、達成目標の一つである生物多様性・生態系保全と気候変動適応、観光振興の各取組についての相乗・相反関係の解明に向けた議論、意見交換を行うことができ、おおむね順調に進めることができた。また今年度に行った情報収集や調査の結果得られた知見は、研究を今後進める上での基礎的知見になる資料であり、今後の社会実装面での発信、学術的成果の資料収集は達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
地域観光戦略の基礎ともなる土地利用方針の決定を行う際の、複眼的な合意形成に堪えるBOとしてのマップの構築に向け、引き続き集落レベルの認識や課題意識についての調査を実施する。調査手法については現地調査およびオンラインを含む質問票調査、ワークショップ開催による議論の場の設定を行う。ワークショップは、地元住民と専門家の議論による対話型倫理の創出、今後の課題についての意見交換及びフィードバックを得るためのセミナーもしくはワークショップを想定する。
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