研究課題/領域番号 |
23K25111
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補助金の研究課題番号 |
22H03857 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
海津 ゆりえ 文教大学, 国際学部, 教授 (20453441)
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研究分担者 |
川田 佳子 (押田佳子) 日本大学, 理工学部, 准教授 (10465271)
橋本 俊哉 立教大学, 観光学部, 教授 (50277737)
黒沢 高秀 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80292449)
真板 昭夫 嵯峨美術大学, 芸術学部, 名誉教授 (80340537)
川合 康央 文教大学, 情報学部, 教授 (80348200)
室崎 益輝 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 特任教授 (90026261)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 災害復興 / 伝承 / 観光 / 地域 / プログラム / 自然災害 / 復興 / 防災教育 / 救荒作物 / まちづくり |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、過去の被災地において生まれた「伝承プログラム」が、経験から得られた知恵を防災力・回復力ある地域づくりへの推進力へと昇華するために重要な役割を果たし、復興の第二ステージを促すという研究仮説を立てた。これを検証し、その実現に必要な要件やプロセスを明らかにすることを目的とし、以下の3点を明らかにすることを目的とした。 研究1 「伝承プログラム」が被災地域内・外に及ぼす効果に関する実証実験 研究2 観光が復興の第二ステージを促す先進事例に関する研究 研究3 被災経験から得られた知恵が防災力・回復力あるまちづくりの推進力へと昇華するための要件とプロセスの抽出
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研究実績の概要 |
自然災害による被災経験から得られた知識と体験は、観光を通じて被災地域内・外で共有され、発災前にはなかった交流と経済を生み出している。さらにその知識や体験から教訓を抽出し、伝承され、来るべき災害に対する備えに活かせれば、地域は被災からの回復を超えて災害に強いまちづくりを実現し、新しい段階へと移行できると考えられるが、観光に取り組む被災地にはこの移行が実現できていないことが多い。その課題の一つに「伝承プログラム」の開発のあり方がある。地域内・外から多様な主体が関わって伝承プログラムを開発する仕組みを構築することにより、災害からの教訓は、当該地域が復興の第二ステージを促すことができると考える。本研究はこの仮説に立って伝承プログラムの開発と試行を行い、地域は復興の第二ステージへと展開しうることを明らかにすることを目的としている。 研究者7名はそれぞれの研究フィールドにおいて、災害復興を生きる地域において、どのような伝承プログラムが実施されているのかを把握し、共有を行った。 二戸市では冷害等による飢饉とともに暮らしがあった経験から、数多くの「救荒作物」の知恵が残されていることを把握した。しかしある世代にその知見が止まっていることが明らかとなった。宮古市では未だ災害復興の途上にあるが、神楽等の精神文化を含めて景観美以外の関わり方が生まれていることを把握した。福島県磐梯山エリアでは、フェノロジーカレンダーの制作を通じて、自然の恵みと脅威が生活とどのように関わっているのかを理解する活動が進められていた。東日本大震災被災地の沿岸域では、復興工事において観光や生物多様性保全にどのような配慮がされているかを調査した結果、自治体による差異が大きいことが把握された。 これらの各地の調査を進めながら、プログラムの時系列的分析を行い、「プログラム」および「第二ステージ」の定義化を進める必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時に予定していた各地域におけるフィールド調査は、コロナ禍による影響を受けながらも概ね実行できている。一部調査は時期の変更が生じているが、研究課題期間中に実行できる見通しがある。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度も引き続き各地の調査を進めながら、取り上げた題材と当該地域における災害の発災時期との関係を時系列的に分析を行う。また「プログラム」および「第二ステージ」の定義の再確認を進める必要がある。 各地における調査の方向性として以下を考えている。岩手県二戸市においては「救荒作物」の利用の今日の食生活や観光との関わりについて調査を進める。岩手県宮古市においては、精神文化との関わりから生まれたプログラムが、次の災害に対して向き合う地域にどのような影響をもたらしているかを調査する。磐梯山地域においては、火山の脅威と恵みから生まれた各種特産物が、災害に向き合う地域づくりにどのようにつながるかを参与観察を通して明らかにする。 また今年度実施できなかった研究については、フォローアップを行う。
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