研究課題/領域番号 |
23K25112
|
補助金の研究課題番号 |
22H03858 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
|
研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
阿部 大輔 龍谷大学, 政策学部, 教授 (50447596)
|
研究分担者 |
高澤 由美 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (20509054)
岡村 祐 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (60535433)
西川 亮 立教大学, 観光学部, 准教授 (70824829)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | オーバーツーリズム / 脱成長型観光政策 / ポストコロナ / 宿泊施設 / リジェネラティブ・ツーリズム / 持続可能な観光 / ジェントリフィケーション / 場所の低俗化 / 観光コモンズ |
研究開始時の研究の概要 |
コロナ禍以前にオーバーツーリズムの諸問題が深刻化していた世界の観光都市を対象に、(1)オーバーツーリズムが地域に与えた負の影響を《場所の低俗化》(=観光の進展による地区レベルの居住環境の低下)として捉えその程度を特定し、(2)負の影響を受けた地域がコロナ禍でどのような変容を見せているかを把握すること、(3)コロナ禍前後における地域住民や事業者の自律的な取り組みならびに行政による政策的対応の変化を把握・検証することにより、(4)地域環境の持続的な再生に寄与する《脱成長型観光政 策》の可能性を多角的・多層的に考察する。
|
研究実績の概要 |
2023年度は、コロナ禍以前にオーバーツーリズムに直面していた都市を対象に、コロナ禍による一連の観光活動の停滞(宿泊施設や観光系店舗の廃業など)が地域に与えている影響を把握することを目的に研究を進めた。国外はホノルル(アメリカ)、ハノイ(ベトナム)、バンコク(タイ)、バルセロナ(スペイン)、トリノ(イタリア)、ブリュッセル(ベルギー)、ブルージュ(ベルギー)、ザルツブルク(オーストリア)、ハルシュタット(オーストリア)、メルク(オーストリア)、コーンウォール(イギリス)を調査対象とし、現地の研究者・行政担当者・DMO・住民組織・事業者等にヒアリングを行い、オーバーツーリズムの問題を当該都市のアクターがどのように把握し、対応を図っているかを把握することに努めた。国内は京都市、川越市、福山市鞆を主たる対象に、オーバーツーリズムによる都市構造の変容やローカル商店の対応等について調査を実施し、観光による地域活性化と地域住民の生活の両立を図るための方法の可能性について検討を進めた。主たる研究成果として、日本都市計画学会の査読付き論文(「京都市における簡易宿所の立地特性と地価との関係について」)、日本建築学会全国大会や日本都市計画学会関西支部、日本観光研究学会での論文発表(「2020年以降の京都市における開業・廃業宿泊施設の傾向とその変化」/「売春防止法との関わりから見た旅館業法における簡易宿所創設の経緯について」/「新型コロナウイルス感染拡大が町並み観光イベントに与える影響についての研究」/「観光庁補助事業による廃屋撤去・景観整備の実態 群馬県渋川市伊香保温泉を事例として」)が挙げられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、京都市・川越市・福山市・東京都台東区等の国内調査に加え、海外現地調査としてホノルル(アメリカ)、ハノイ(ベトナム)、バンコク(タイ)、バルセロナ(スペイン)、トリノ(イタリア)、ブリュッセル(ベルギー)、ブルージュ(ベルギー)、ザルツブルク(オーストリア)、ハルシュタット(オーストリア)、メルク(オーストリア)、コーンウォール(イギリス)を訪問し、現地の専門家やDMO、行政職員等にインタビュー調査を実施し、来年度以降の新たな研究の方向性を見出すことができた。そのため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、持続可能な観光を目指す地域主導の《脱成長型観光政策・戦略》の可能性の検討を主たるテーマに、海外調査・国内都市の調査を進める。具体的には、観光活動への介入(行政による観光マネジメントプランなど)の方法を分析し、「地域還元型観光施設の模索」「新たな観光プロモーションの模索」「マ ナー啓発や観光教育の新展開」「観光産業のリノベーション」等の個別テーマに関する新たな活動の萌芽を把握する。研究成果の還元として、一般公開の国際シンポジウムを開催する とともに、研究成果の出版を目指す。
|