研究課題/領域番号 |
23K25124
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補助金の研究課題番号 |
22H03870 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2024) 京都大学 (2022-2023) |
研究代表者 |
紀井 俊輝 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, グループディレクター (30314280)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2026年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | バルク超伝導体 / 放射光 / 超伝導応用 |
研究開始時の研究の概要 |
放射光施設で用いられる電子ビーム蛇行装置(アンジュレータ)の大幅な高精度・強磁場・短周期化は次世代放射光光源の飛躍的な性能向上における重要な課題となっている。本研究では、希土類銅酸化物バルク超伝導体を用いる新方式のアンジュレータ実用化に不可欠である、電子ビーム入射部近傍における磁場分布の高度な制御方法を確立し、放射光発生・利用に革新的な飛躍をもたらすことを目的とする。
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研究実績の概要 |
アンジュレータを用いて放射光を発生させるには、高輝度電子ビームを周期磁場中に入射しビームを周期的に蛇行させる必要がある。永久磁石を用いた従来型アンジュレータでは、入射部分の最初の1周期目の第一ピークの磁場強度を2番目以降のピーク磁場強度の半分に調節することが必要である。また、正確に入射を行うためには蛇行運動を与える磁場以外の成分の磁場は極力小さな値であることが重要である。 今年度の当初計画では、新たに導入した試料冷却クライオスタットへのアレイ導入を計画したが、バルク超伝導体の製造元である企業の当該事業部が廃止となってしまい、直径40mmのバルク超伝導体の新規導入が不可能になった。そこで、10年以上前に合成・加工した直径25㎜のバルク超伝導体を用いて磁場生成・制御試験を実施した。長期の保管による性能劣化が認められる試料も複数あったものの、おおむね製造直後の性能を維持していることを確認した。予定していた周期数のアレイを構築するための試料片の数が不足しているため、磁場強度は大幅に下がるものの周期長を半分に減らすことで端部評価が可能な周期数のアレイを構築し磁場生成・制御試験を行った。また、アレイを構成する銅製のサポート部品で磁場掃引時に生じる遮蔽電流の影響を低減するために、非磁性セラミックによる超伝導体支持の試験を行った。 直径40mmの新規のバルク超伝導体材料の入手については、現時点では企業による製造の目途が立っておらず、国内外の超伝導材料研究者と議論をすすめ、今後の入手可能性について検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
バルク超伝導体の製造元が市場から撤退し、端部補正のための新規のバルク超伝導体試験片の新規購入ができなくなっため。
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今後の研究の推進方策 |
高性能なバルク超伝導体試料片の新規購入ができない状況は数年以上の期間で今後も継続する可能性が極めて高くなっている。そのため、当初計画してた直径40mmの超伝導体アレイの新規構築が不可能になった。そこで、ビーム入射を行うための端部磁場性に関する知見を得るために、10年以上前に合成・加工した直径25mmの超伝導体アレイ用で用いていたバルク超伝導体材料を活用して、直径は小さいものの端部評価が可能なアレイの再デザインを実施し、評価を進める。また、高性能なバルク超伝導体試料片の合成・加工については、ラボレベルで実現可能な国内外の研究機関と議論をすすめ、内製への切り替えもしくは、製造可能な企業についての情報収集を行う。
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