超伝導は物性物理学において最も顕著で魅力的な巨視的量子物理現象の一つであるが、特にスピン三重項超伝導体は、トポロジカル超伝導体の候補として注目を集めている。その中でも、2018年末にスピン三重項超伝導体であることが発見されたUTe2は量子ビットとしての応用可能性が見いだされている。本研究課題では、大型放射光施設SPring-8軟X線ビームラインBL23SUにおいて、その詳細な電子構造を直接観測可能な「軟X線電子構造解析ステーション」を構築し、UTe2の電子状態を世界で初めて明らかにすることによって、その超伝導発現機構の解明に繋げることを目指す。
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