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公立劇場の社会包摂に向けた技術的・社会的観点に基づくデザインの実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K25142
補助金の研究課題番号 22H03888 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分90010:デザイン学関連
研究機関九州大学

研究代表者

長津 結一郎  九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (00709751)

研究分担者 尾本 章  九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (00233619)
吉野 さつき  愛知大学, 文学部, 教授 (20634364)
宮本 聡  九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (30805180)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
キーワード社会包摂 / 劇場 / アートマネジメント / 舞台技術 / アクセシビリティ / 情報保障 / 芸術と社会包摂
研究開始時の研究の概要

本研究課題の目的は、劇場が真に包摂的な環境になるため、社会的・技術的観点から見たグランドデザインを構築することである。それに向けて、①劇場の創造・発表機会の拡大 ②劇場の舞台技術を用いた鑑賞サービスの提供 ③劇場へのアクセスの多様性保障 という課題を設定する。劇場が社会包摂に取り組むうえでの阻害要因にどのようなものがあるのかを可視化し、劇場が社会包摂的な事業を行ううえでの運営モデルのプロトタイプをデザインし、実証実験を行う。その検証を踏まえて運営モデルを精緻化し、劇場職員(事業担当・技術担当の双方)や管理職等に向けた社会実装を行う。

研究実績の概要

今年度は前年度から繰り越した舞台技術者への調査を行いつつ、運営モデルのプロトタイブとして、具体的に3つのフィールドの活動にフォーカスした実証実験を行った。
1) 福岡県聴覚障害者協会と協働し、聴覚障害のある人にとっての音楽のあり方を検討し、音響工学の知見を活かした鑑賞サービスの開発と実践に向けた試行を行った。具体的には音楽ワークショップを大学院生とともに検討し実践を試みた。
2) 劇場において障害のある芸術家が活動する現場を制作するうえでの障壁を可視化し、それに対応するノウハウを可視化することで、劇場へのアクセスの多様性を保障する実践を試みた。具体的には、研究分担者の吉野が深い関わりをもつ穂の国とよはし芸術劇場PLATでの、視覚障害・聴覚障害のある人たちを対象とした劇場体験ツアーにおけるパフォーマンスの制作を担当した。そのプロセスにおいては、舞台技術者だけでなく、福祉関係者や舞台制作の関係者等との密なやりとりが必要となった。事業終了後に関係者にインタビューを行うことにより、実践モデルのプロトタイプを検討するきっかけとなった。
3) 福岡における演劇制作の現場での情報保障のあり方を模索することにより、創造・発表機会を拡大させる実践を行った。
これらの実践における成果を多角的な視点から検討すべく、またPLATでの調査を通じてイギリスでの実践についてを傍証とする必要性が増したため、イギリスでの障害者芸術等に関する実践を行う人々へのインタビューを行った。また劇場関係者へも追加でインタビューを行った。この成果を踏まえ、次年度は成果を公表するための取り組みを行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は3つのプロトタイプをもとに、特に舞台技術の観点から劇場と社会包摂に関する関係性を検討することができた。また、当初の予定には含まれていなかったが、研究を通じて出会った巡り合わせを通じてイギリスへの渡航を行い、研究成果を国際的に発信するとともに情報交換を行うことができた。一方、こうした活動を理論的に捉える視座はまだ不足しているため、次年度は取りまとめを意識して進めていく。

今後の研究の推進方策

2024年度は最終年度となるため、これまでの実践的成果を研究成果にまとめあげるための調査と検討を行う。具体的には書籍の出版を目指した執筆活動やその他の成果公表を行うとともに、これまで調査対象としてこなかった劇場も含めた追加の調査も行う予定としている。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (6件)

  • [雑誌論文] 障害のある人の参加する舞台表現における創作と鑑賞2023

    • 著者名/発表者名
      宮本 聡
    • 雑誌名

      国際教育文化研究

      巻: 23 号: 0 ページ: 39-50

    • DOI

      10.51026/kyushuuinvcsec.23.0_39

    • ISSN
      2436-6676
    • 年月日
      2023-12-28
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 「きこえないあそび。きこえないムジカ。」2023

    • 著者名/発表者名
      長津結一郎・鈴木玲雄
    • 学会等名
      フォーラム「Art for Well-being 表現とケアとテクノロジーのこれから」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 社会包摂と劇場・音楽堂:劇場法以降の展開と展望2023

    • 著者名/発表者名
      長津結一郎
    • 学会等名
      全国公立文化施設協会「劇場・音楽堂等による共生社会実現のための人材養成講座」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 社会的実践としての技術 -技術へのアプローチと社会的包摂/排除2023

    • 著者名/発表者名
      宮本聡
    • 学会等名
      九州教育学会第75回大会沖縄大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 舞台技術者にとっての社会包摂の意識に関する予備調査:文献調査による歴史的整理を通じて2023

    • 著者名/発表者名
      長津結一郎
    • 学会等名
      日本アートマネジメント学会九州部会・文化経済学会<日本>九州部会連携企画 研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Cultural Policy and the Debate on "Value" for People with Disabilities: A Study of the Japanese Case Based on Recent Debates on Disability Studies2022

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Nagatsu
    • 学会等名
      The 12th International Conference on Cultural Policy Research (ICCPR 2022)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 共に生きる社会のための芸術文化2022

    • 著者名/発表者名
      長津結一郎
    • 学会等名
      全国公立文化施設協会東海北陸支部  劇場・音楽堂等職員アートマネジメント研修会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [図書] この国の芸術2023

    • 著者名/発表者名
      小田原のどか、山本浩貴
    • 総ページ数
      851
    • 出版者
      月曜社
    • ISBN
      9784865031751
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 劇団14+主催 舞台手話通訳・字幕つき演劇公演「変身」観劇サポート

    • URL

      https://www.fourteen-plus.com/%E6%AC%A1%E5%9B%9E%E5%85%AC%E6%BC%94/

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 福岡舞台芸術施設運営共同体主催 ワークショップ「いろんなきこえかた いろんなつたえかた」

    • URL

      http://www.amcf.jp/2024ponWS.html

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] みんなが楽しめる音楽とは?きこえない×きこえにくい×きこえる×音楽

    • URL

      https://www.didi.design.kyushu-u.ac.jp/kikoenai_20240203/

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 視覚・聴覚に障がいのある方対象のPLAT劇場ツアー

    • URL

      https://toyohashi-at.jp/event/workshop.php?id=550

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 福岡県聴覚障害者協会青年部×九州大学「きこえないあそび。きこえないムジカ。」

    • URL

      https://www.design.kyushu-u.ac.jp/topics/16117/

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 舞台芸術と音響技術による社会包摂のデザイン

    • URL

      https://www.didi.design.kyushu-u.ac.jp/project/sal_butaigeijutsu_onkyo/

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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