研究課題/領域番号 |
23K25149
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補助金の研究課題番号 |
22H03895 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
飯尾 尊優 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (70642958)
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研究分担者 |
木本 充彦 明治大学, 理工学部, 専任講師 (00866585)
下原 勝憲 同志社大学, 理工学部, 教授 (10395105)
塩見 昌裕 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, インタラクション科学研究所, 研究室長 (90455577)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2024年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | ロボットサービス / 実証実験 / ソーシャルロボット / ELSI / ヒューマンロボットインタラクション / ソーシャルロボティクス / サービスロボット |
研究開始時の研究の概要 |
ロボットが日常的な場面で人々と会話しサービスを提供するロボットサービスの社会実装を加速させるには、ロボットの専門家ではない現場の人々にロボットサービスの実証実験に取り組んでもらうことが重要である。しかし、現場の人々による実証実験の実践は、開発・運用コストとELSIに関するリスクの問題から容易ではない。そこで、現場の人々に気軽にロボットサービスの実証実験を実践してもらう仕組みを作るため、①開発・運用コストの低い会話ロボットシステムの構築、②ELSIに配慮したロボットサービスの設計指針の策定、そして③実証実験実践ワークショップを通じた成果展開に取り組む。
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研究実績の概要 |
当該年度は、研究課題1-aの状況認識・行動制御プログラム群のパッケージ化と研究課題2のELSIに配慮したロボットサービスの設計指針の作成に関する研究に取り組んだ。まず、プログラム群のパッケージ化に関して、MediaPipeによる人認識・顔認識とMicrosoft Azureの提供する音声認識、さらに当該年度に公開された大規模言語モデルに基づくチャットサービスであるChatGPTのAPIを用いて、ユーザーの顔を見ながら雑談対話を継続できるプログラムのパッケージを開発した。また、複数のロボットを会話に参加させる際に、ロボット同士でアイコンタクトさせるために各ロボットの位置情報を入力することが面倒であるという問題に対して、ロボットの頭部に設置されたカメラの画像から相手のロボットの位置を認識し、その相手の方向を向くことができるようにする技術を開発した。これにより、任意の位置にロボットをおいても簡単にアイコンタクトさせることができるようになった。ELSIに配慮したロボットサービスの設計指針に関しては、ロボット考学研究専門委員会と合同合宿を行い、個人情報とプライバシーの観点から課題の洗い出しを行った。また、人々の考え方や行動がロボットの振る舞いによって変容させられるかどうかについて、オンラインでビデオ刺激を用いた実験や実験室での実験を通じて研究を進めた。その結果、複数体のロボットによる謝罪は1体のロボットによる謝罪よりも受け入れられやすいことや、ロボットから褒められると他の人々に対しても褒めるようになりやすいことなどが明らかになった。これらの結果は、国際論文誌に採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題1-aの状況認識・行動制御プログラム群のパッケージ化について、各種認識器を統合したロボットシステムの構築を完了し、実環境でのテストに取り組みつつある。研究課題1-bのシナリオエディタに関しても、複数のロボットで会話を行うためのエディタの実装は概ね完了している。これは当初の研究計画のスケジュールの通りであり、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では、主に研究課題1-aに関して、人間の不在時の自然な振る舞いや周辺の人々への会話参加の促し、グループに対する自然な振る舞いを実現するプログラムを開発し、今年度に開発したパッケージに統合する。また、研究課題1-bのシナリオエディアの構築について、ChatGPTの公開により、当初予定していた手作業でのシナリオ生成ではなく、人間の任意の発話に対応できるようになった。そこで、複数ロボットによる雑談を実現する機能をシナリオエディタに組み込みこんでいく。また、今年度は、近隣の自治体のイベントなどへ参加し、一般の人々にもロボットによる対話プログラムの作成を体験してもらうことを検討している。
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