研究課題/領域番号 |
23K25161
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補助金の研究課題番号 |
22H03907 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
福間 良明 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70380144)
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研究分担者 |
日高 勝之 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (00388787)
前田 至剛 追手門学院大学, 社会学部, 准教授 (00454455)
森下 達 創価大学, 文学部, 准教授 (00775695)
井上 義和 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10324592)
高井 昌吏 東洋大学, 社会学部, 教授 (20425101)
小川 実紗 せとうち観光専門職短期大学, 観光振興学科, 助教 (30962295)
野上 元 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50350187)
白戸 智子 (松永智子) 東京経済大学, コミュニケーション学部, 准教授 (60735801)
山本 昭宏 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70644996)
佐藤 彰宣 流通科学大学, 人間社会学部, 講師 (70804350)
谷本 奈穂 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90351494)
水出 幸輝 同志社大学, 社会学部, 助教 (90882390)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 中年文化 / メディア / 教養 / 戦後史 / 労働 / 家族 / 戦後メディア史 / 格差・労働・福祉 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は中年メディア文化を見渡し、a.中年文化と「かつての若者文化」はいかなる関係があったのか、b.戦後の社会構造(家族、労働、福祉など)とメディア文化はいかなる関係にあったのかを検討する。具体的には、「中年文化史の析出」「かつての若者文化の遅滞への着目」「メディア文化(史)研究と格差・労働・福祉・家族研究の接合」に重きを置く。今日、格差や労働・雇用のひずみ、福祉の機能不全は顕在化し、コロナ禍がそれに拍車をかけた。戦後の中年文化史を検討し、その可能性と限界を明らかにする作業は、格差や分断に晒される現代中年層とメディアの関係性を捉え返す参照点となる。
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研究実績の概要 |
従来のメディア文化研究・ポピュラー文化研究では、総じて「若者メディア文化」に焦点が当てられてきた。だが、そのゆえに、以下の2点が不問に付されてきた。 ① 中年文化の変容プロセスと戦後の社会構造(格差・労働・福祉など):従来のメディア研究では、社会の中堅たる中年層のメディア文化が見落とされてきた。ビジネス雑誌史や時代劇ドラマ史の研究が進展しないことは、そのあらわれである。そのことは、中年層が直面した戦後の社会構造の変容(労働、家族、格差、福祉、新自由主義など)とメディア文化の入り組んだ関係性が見過ごされることにつながっている。 ② 「かつての若者文化」の遅滞:人々が若者から中年へと年齢を重ねる中、「『かつての若者文化』がいかに後の時代に受け継がれたのか(変容したのか)」も、これまで見落とされてきた。若者文化は「同時代の若者」のみが享受したのではない。中年層は、若い頃に触れた文化的嗜好や価値観を引きずりながら、中年期を過ごしたはずだが、その実相や社会背景は検討されなかった。 以上の研究の欠落を埋めるべく、本研究は、中年層に多く受容されたメディア文化(「中年文化」)とその変容を明らかにし、ともすれば若者層のみに焦点を当てがちな文化研究の方法論や視角を刷新したい。 これは同時に、福祉や格差、労働を視野に入れた戦後体制の変容とメディア文化との相互作用を問うものでもある。 こうした研究目的のもと、2022年度は基礎資料の収集と分析経過の報告・討議に重点を置いた。共同研究者による研究会は4回(6/12,9/19,11/5,3/16)に実施した。1回あたり5,6時間に及ぶことも多かったが、そのなかで、資料収集・分析の経過報告を行い、そのうえで、研究の問いや分析軸の擦り合わせや再検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各地の資料館・図書館や古書などで、共同研究者それぞれが基礎資料の入手・分析を進めている。研究会も2022年度に4回実施し、それぞれ半日ほどの時間をかけて、討議に十分な時間を充てることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に引き続き、基礎資料の入手と分析、および研究会での情報共有を進める。具体的には、以下のテーマに沿って作業を進める。 (1)教養・修養の残影 生き方雑誌と戦後体験、主婦像の変容と婦人雑誌、歴史ブームと教養主義の残影 (2)仕事・家族・地域 ビジネス雑誌文化と新自由主義、家族の変容とホームドラマ、農村雑誌・地域生活文化 (3「息抜き」のメディア文化 勧善懲悪と時代劇、「毎朝15分の現代史」としての朝ドラ、中高年の音楽文化 (4)消費への憧れと違和感 「装い」と中年アイデンティティ、「大人の旅」の成立と変容、「健康」の語りの変容と自然食ブーム なお、すでに共著書『中年文化の戦後史』(仮題)の出版が決まっているので、研究会では担当編集者も交えながら、意見交換を進める予定である。
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