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共同養育とその心理基盤に関する比較認知発達科学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K25162
補助金の研究課題番号 22H03908 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分90030:認知科学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

瀧本 彩加  北海道大学, 文学研究院, 准教授 (40726832)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2026年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
キーワード共同養育 / 比較認知発達科学 / 心理基盤 / ウマ / ウシ / アジアゾウ
研究開始時の研究の概要

ヒトの共同養育が崩壊しつつある昨今、子育ての孤立化から生じる不適切な子育てが深刻な社会問題となっている。本研究では、ウマとウシを対象に、共同養育とその心理基盤を育む発達的背景(母や他の個体との関係性)と個性(性格特性)、共同養育を行う個体と受ける個体における機能(長期的・短期的利益)、共同養育を支える心理基盤とその発達過程を検討する。そうして、共同養育の発達的・進化的意義を明らかにし、ヒトが共同養育に積極的に関わろうとする動機づけの向上と不適切な子育て防止をめざす教育支援策の整備に寄与したい。

研究実績の概要

本研究では、昼夜集団放牧されているウマとウシを対象に、継続的な行動観察と行動・生理実験を行うことで、養育スタイルの違いを考慮しつつ、共同養育を生む発達的背景や共同養育の機能・共同養育を支える心理基盤とその発達過程を比較検討する。具体的には、共同養育を生む発達的背景と個性や共同養育の機、共同養育を支える心理基盤とその発達過程を検討する。
今年度も、昨年度に引き続き、ウマの行動観察を実施し、昨年度の同様、当該年に出産をしなかったメスのうち、経産・未経産によらず、半数程度の個体において、その個体との近接率の高い特定の母子ペアが存在することを確認した。また、それらの個体が当該の子ウマと毛づくろいや社会的遊びといった親和的社会交渉をすることもしばしば見られた。母ウマは、通例、自分の子が子ウマ同士で親和的社会交渉をすることは許容するが、他のおとなメスと親和的社会交渉をすることは許容しないため、子ウマに親和的社会的交渉をすることが許容された個体は、子育てを手伝うことを母ウマから認められた特別な個体であると解釈できうる。今後、データの整理・分析を進め、そのメスの存在が母ウマの養育負担の軽減に寄与していることを確認しつつ、子育てを手伝う個体の個性・共同養育の機能についても検討を進める。
なお、幸運にも、今年度、本学近隣の札幌市円山動物園で、アジアゾウの出産があったため、当初の予定にはなかったが、準間接飼育下のアジアゾウにおける共同養育の機能や子ゾウの発達に伴う共同養育の在り方の推移などを検討すべく、行動観察を開始した。
また、同種にとどまらず、ヒトによるネコの養育(飼育)動機を促進する手がかりについても実験したが、少なくとも、本研究では、動画で呈示したネコのゆっくりとした瞬きが、ヒトのゆっくりとした瞬きを促したり、ヒトにおけるネコの養育動機を高めたりするとはいえないということが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、昨年度に比べて、ウマの行動観察をする時間は多く確保でき、共同養育をする個体・してもらう母個体の個性や共同養育の機能を行動観察のデータから探索する研究を推進することはできた。しかし、研究補助者の確保ができず、データの整理・分析の進捗に遅れが生じている。ただし、共同養育の機能や特性をより多角的に眺め、検討するために、研究開始当初は対象種にしていなかったアジアゾウにおける共同養育に関する行動観察を開始したり、同種にとどまらず、ヒトによるネコの養育(飼育)動機を促進する手がかりに関する実験を実施したりすることはできた。

今後の研究の推進方策

来年度は、早期から、データ整理をする研究補助者を雇用し、データ整理・分析に遅れが出ないよう、努める。また、学会などでの研究成果報告、論文などでの研究成果の公刊も積極的におこなっていきたいと考えている。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ウマの子育て2023

    • 著者名/発表者名
      TAKIMOTO-INOSE AYAKA、UENO MASATAKA、HORI YUSUKE、NAKAMICHI MASAYUKI
    • 雑誌名

      動物心理学研究

      巻: 73 号: 2 ページ: 107-121

    • DOI

      10.2502/janip.73.2.9

    • ISSN
      0916-8419, 1880-9022
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 家畜ウマにおけるヒトの社会的シグナルの知覚能力2023

    • 著者名/発表者名
      瀧本(猪瀬)彩加
    • 雑誌名

      心理学評論

      巻: 65 ページ: 337-355

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 北海道和種馬における母ウマの子育ての特徴を予測する統計モデルの構築2022

    • 著者名/発表者名
      堀裕亮, 谷藤誠斗, 戸松太一, 上野将敬, 村山美穂, 河合正人, 瀧本彩加
    • 雑誌名

      DNA多型

      巻: 20 ページ: 16-20

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 離乳作業後の母ウマのストレスに影響する要因の探索的検討2023

    • 著者名/発表者名
      中村凜・吉岡航太郎・堀裕亮・河合正人・中道正之・瀧本彩加
    • 学会等名
      日本ウマ科学会第36回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 豊かな表情筋を持つウマ―目と耳と口で感情を語る2023

    • 著者名/発表者名
      瀧本彩加
    • 学会等名
      日本動物行動学会第42回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ウマの表情表出と知覚を中心とした伴侶動物の表情研究2023

    • 著者名/発表者名
      瀧本彩加
    • 学会等名
      日本感情心理学会第31回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 同種個体またはヒトパートナーによる不公平な報酬分配に対するウマの忌避反応の比較(研究計画).2022

    • 著者名/発表者名
      米村朱由, 松井大, 瀧本-猪瀬彩加
    • 学会等名
      日本人間行動進化学会第15回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] 科学 23/08 (豊かな情動をやりとりするウマー仲間を思いやり、嫉妬もする)2023

    • 著者名/発表者名
      菊水健史・永澤美保・瀧本(猪瀬)彩加ら
    • 総ページ数
      88
    • 出版者
      岩波書店
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 比べてわかる心の発達 -- 比較認知発達科学の視点 (情動ー他者とのつながりを育む心の基盤)2023

    • 著者名/発表者名
      板倉昭二・上野有理・瀧本(猪瀬)彩加ら
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      4641184607
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 北海道大学 大学院文学研究院行動科学分野 瀧本彩加 研究室

    • URL

      https://lynx.let.hokudai.ac.jp/~takimoto/

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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