研究課題/領域番号 |
23K25170
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補助金の研究課題番号 |
22H03916 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
添田 喜治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (10415698)
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研究分担者 |
下倉 良太 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (90455428)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | サウンドデザイン / サイン音 / 顕著性 / 鳥の鳴き声 / 虫の鳴き声 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、サイン音と背景騒音の時間・周波数構造の違いを定量化し、人間の心理・生理反応との関係を調べることで、騒音下でも気がつきやすいサイン音の特徴を明らかにする。そこに、自然音の時間・周波数構造やなじみのある音の特徴を活用する。これにより、雑然として騒々しい公共空間の音を、周辺の音の特徴を活用して阻害されにくい音に変えていくことで、わかりやすく快適なユニバーサル音デザイン空間の創造に寄与する。
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研究実績の概要 |
誰にでもわかりやすい情報提示音や不快度の少ない音環境を実現するための基礎実験を実施した。視覚障碍者にとって階段の目印となっている鳥の鳴き声と虫の鳴き声について、静寂環境と騒音環境における顕著性を測定した。標準室内、地下鉄駅構内、自動車内の騒音条件下で、6種類の鳥・虫の鳴き声について検討した。各騒音と鳥・虫の鳴き声をどちらも60 dBAで提示し、シェッフェの一対比較法を用いて、被験者の心理的顕著性を調べた。実験の結果、ウグイス・ツクツクボウシが騒音環境下で最も顕著性の高い鳥・虫の鳴き声であることがわかった。各種騒音、騒音下の鳥・虫の鳴き声の音響特徴量と心理的顕著性の関係を調べた結果、鳥・虫の鳴き声のピッチ、ピッチ明瞭度、両耳間相関度など音の物理特性を用いて、騒音下の鳥・虫の鳴き声の顕著性を精度よく予測できることを明らかにした。さらに、鳥・虫の鳴き声に対する親密度を用いることで、騒音下の鳥・虫の鳴き声の顕著性の予測精度を改善できることを明らかにした。 臨場感や没入感の高い音場を実現するための基礎的検討を行った。音楽と自然音源をヘッドホンで提示した時の音の空間印象(見かけの音源の幅・音の包まれ感)について、音の物理的側面と人間の心理的側面から検討を行った。ヘッドホンの伝達関数から得られる音場評価指標に加えて、ヘッドホンで提示された音楽と自然音源の音響特徴量と心理反応の関係を調べた。その結果、主要周波数成分の信号雑音比、インパルス応答の時間重心、両耳間相互相関関数のピーク幅といった物理指標が心理判断に有意に影響を及ぼすことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
騒音下の顕著性に影響を及ぼす物理指標を明らかにし、さらに音に対する親密度が心理的顕著性に影響を及ぼすことを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
鳥・虫の鳴き声だけでなく、より短い過渡音や長い持続音についても、騒音下の顕著性に関わる物理指標、生理反応を明らかにする。
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