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組織炎症を制御可能なナノ粒子製剤開発:血小板から学ぶ

研究課題

研究課題/領域番号 23K25177
補助金の研究課題番号 22H03923 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分90110:生体医工学関連
研究機関京都大学

研究代表者

安藤 満  京都大学, 医生物学研究所, 助教 (70737460)

研究分担者 田畑 泰彦  京都大学, 医生物学研究所, 教授 (50211371)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
キーワード血小板 / 徐放担体 / 標的指向性 / 細胞膜被覆粒子 / ゼラチン / 徐放化技術 / ゼラチン粒子 / 創傷治癒 / DDS
研究開始時の研究の概要

現在、血小板製剤は、スケジュール管理された成分採血でのみ得られ、その保存期間は室温、要振盪下で採血後4日と非常に短いことから、血 小板製剤は供給不足になりやすいという潜在的な課題がある。そこで本研究はゼラチンナノ粒子を用いて長期保存に向けた血小板様ドラッグデ リバリー(DDS)微粒子を開発することを目的とした。この粒子が血小板としての機能を有するか血液凝固試験を実施するとともに、粒子内に細 胞遊走因子を内包し創傷治癒モデルを用いてその機能を確認する。

研究実績の概要

本研究は、DDS技術を駆使することで、血小板製剤が抱える保存期間と保存方法の問題を克服した血小板様製剤を創出することである。具体的には、血小板から血小板膜成分を単離し、ゼラチンナノ粒子の表面に血小板膜を被覆することで、長期保存が可能な血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子を開発することを目指す。また、 血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子に炎症細胞や免疫細胞に対する遊走タンパク質を内包することで、DDS技術に基づき、組織炎症の制御や組織の再生誘導能を検証することでその有効性を検証する。
2023年度は、粒子径が200nm程度のゼラチンナノ粒子を用いて、観察グリッド作製の最適化を行い、クライオ電子顕微鏡を用いた形態観察を実施した。また、血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子についてもクライオ電子顕微鏡を用いて、その被覆状態の観察を実施した。さらに、ゼラチンナノ粒子表面への血小板膜の被覆効率について、イメージングフローサイトメータを用いた単粒子解析を行うことで評価した。炎症疾患のモデルとして作製した肝線維症モデルマウスを用いて、経血管投与後の血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子の体内動態を評価することで、血小板膜の被覆によるゼラチンナノ粒子の体内動態の変化に関する予備検討を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度では、ゼラチンナノ粒子への血小板膜の被覆効率を評価することに注力した。まず、クライオ電子顕微鏡を用いた形態観察により、ゼラチンナノ粒子はゼラチン分子が密に充填された球状粒子ではなく、 非常に小さなゼラチン粒子がブラックベリー様に集合した球状粒子であることが明らかとなった。また、血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子は、血小板膜とゼラチンナノ粒子表面の間に水相を有する粒子も存在したが、大多数が血小板膜とゼラチンナノ粒子表面の間にほとんど水相が存在していないことが明らかとなった。また、イメージングフローサイトメーターを用いた単粒子解析により、40%程度のゼラチンナノ粒子の表面に血小板膜が被覆されていることが明らかとなった。昨年度計画した研究推進方針より遅れており、血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子の生物学的機能評価をほとんど実施できていない。その一方で、研究当初の計画より先んじて、肝線維症モデルマウスでの血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子の体内動態評価を開始したことからも、進捗状況はやや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

2024年度は、2023年度の実施を予定していた血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子の生物学的機能評価を中心的に、研究を実施する。ゼラチンナノ粒子の表面に被覆した血小板の細胞膜の血小板膜タンパク質の活性について、コラーゲンやフィブリノーゲンとの結合能を評価することで調べる。また、ゼラチン粒子に内包した遊走タンパク質の徐放性について調べる。また、血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子と新鮮血液を混合し、血液凝固試験を実施することで機能評価を行う。さらに、ゼラチンナノ粒子に間葉系幹細胞遊走因子であるSDF-1を含浸することでSDF-1含有ゼラチンナノ粒子を調製する。緩衝水溶液や細 胞培地中でのSDF-1含 有血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子からのSDF-1の徐放性を調べるとともに、リソソームやコラゲナーゼにより血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子を崩壊することによる徐放化プロファイルの変化も評価する。血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子を4°Cで保存した後、1ヶ月~ 数ヶ月に渡り血小板膜の機能を評価する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (9件)

  • [学会発表] 機能性材料として膜タンパク質を扱うための技術開発2024

    • 著者名/発表者名
      安藤満
    • 学会等名
      第31回次世代医工学研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 間葉系幹細胞膜被覆ゼラチンナノ粒子の作製2024

    • 著者名/発表者名
      森山敬介、安藤満、田畑泰彦
    • 学会等名
      第23回日本再生医療学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Association of cationized gelatin nanospheresfacilitatesmitochondria transplantation2024

    • 著者名/発表者名
      Yang Wen Xuan、阿部哲士、安藤満、田畑泰彦
    • 学会等名
      第23回日本再生医療学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ゼラチンナノ粒子への血小板細胞膜の被覆と機能評価2023

    • 著者名/発表者名
      安藤満、田畑泰彦
    • 学会等名
      第39回日本DDS学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 間葉系幹細胞膜のゼラチンナノ粒子への被覆2023

    • 著者名/発表者名
      森山敬介、安藤満、田畑泰彦
    • 学会等名
      第39回日本DDS学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 膜タンパク質再構成カチオン性リポソームの調製2023

    • 著者名/発表者名
      安藤満
    • 学会等名
      日本バイオマテリアル学会関西ブロック 第18回若手研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 間葉系幹細胞膜によるゼラチンナノ粒子の修飾2023

    • 著者名/発表者名
      森山敬介、安藤満、田畑泰彦
    • 学会等名
      第45回日本バイオマテリアル学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] カチオン性リポソーム膜への膜タンパク質の再構成2022

    • 著者名/発表者名
      安藤 満、佐々木善浩、秋吉一成
    • 学会等名
      第38回 日本DDS学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 血小板膜被覆ゼラチンナノ粒子の調製と機能評価2022

    • 著者名/発表者名
      安藤 満、田畑泰彦
    • 学会等名
      第44回 日本バイオマテリアル学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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