研究課題/領域番号 |
23K25193
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補助金の研究課題番号 |
22H03939 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 量 京都大学, 医学研究科, 研究員 (10768071)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | 再生組織 / 組織変形 / Wntパターニング / 体軸・形態形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では再生の全過程で組織変形やWnt関連分子の発現が追跡できるヒドラのオルガノイド(組織切片)に着目し、再生初期において力学的拘束に伴う組織の大規模変形がどう体軸および形態・機能の形成に作用するかを定量的に明らかにする。さらに、再生能力の有無の制御や再生能力の獲得・喪失を周期的力学摂動によって制御するなどといった再生を制御する新たな技術を開拓する。
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研究実績の概要 |
器官形成において組織変形とWntパターニングの協働的な相互作用が重要である。しかし、組織変形といった力学的摂動がWnt関連分子の局在化に与える影響は、特に組織・器官レベルであまり理解されていない。さらに、組織・器官レベルにおいて、組織変形によって器官形成能や効率を制御する研究はこれまでにない。 本研究では、ヒドラオルガノイドが力学的拘束によって引き起こされる組織の大規模変形が、その後の再生過程に与える影響を解明するためWnt関連分子のパターニングや形状揺らぎの時間発展を定量解析する。ここで得られた知見を用いて再生能力の有無と再生効率の制御を目指す。さらに、Wntシグナルリング関連タンパクの発現量と力学的刺激の相関を定量評価することでヒドラにおいて変形が形態形成に及ぼす影響をより統合的に理解するだけでなく、再生能力を力学的摂動で制御する新たな技術を開拓する。
本年度の業績としては、(a) 力学的拘束が一見再生できないヒドラの再生に与える影響の定量評価、(b) in situ hybridization (ISH)によるWntパターニングの可視化が挙げられる。 (a)については、アクトミオシンやWntシグナル経路を阻害し、再生できない条件でヒドラオルガノイドに力学的摂動を与えると対称性が破れる時点が力学的拘束を行わない正常なヒドラ再生プロセスと同じであることを定量的に突き止めた。また、(b)については正常のヒドラを用いて初期体軸形成(対称性の破れ)とISHによって可視化されたWntパターニング(局在化)が同時期に見られることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の第二段階(当該年度)ではヒドラオルガノイドが力学的拘束によって再生が促進するメカニズムの解明のため、力学的拘束に伴う変形がWntの発現とパターニングに与える影響を再生過程の各時点で測定・観察することを計画した。 Wntのパターニングについてはin situ hybridization(ISH)の最適化を行い、組織変形から定義される「対称性の破れ」の時点と、ISHによるWntの局在化の時点が同時期であることを突き止め、Wntパターニングについて調べる環境が整った。 また、本研究の第三段階として計画しているヒドラオルガノイドの再生能力の制御の実験については、力学的拘束によって一見再生できないヒドラが再生能力を獲得し、成体へと導くことに成功しただけでなく、定量評価によって力学的摂動を与えると対称性が破れる時点が力学的拘束を行わない正常なヒドラ再生プロセスと同じであるという新発見をし、おおむね順調に進捗していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
力学的拘束に伴う組織変形がWntパターニングに与える影響を調べるための実験手法を最適化し、そこから得られる結果が組織変形解析から抽出される「対称性の破れ」と強く相関することがわかった。並行して、一見再生できないヒドラオルガノイドが力学的拘束によって再生能力を再獲得することも組織変形解析から突き止めた。これらの結果・プラットフォームの確立をベースにし、正常のヒドラおよび一見再生できないヒドラにおいて再生プロセスを構築する2つの主なフェーズである「パターニングと分化」と「形態形成・機能化」における変形の重要性について本格的に迫る。 具体的には、(1)「パターニングと分化」フェーズにおける初期体軸形成時間が早まる原因を探るために、力学的拘束に伴う変形がオルガノイド全体のWnt発現量の時間発展とWntのパターニングの時間発展をqPCRとISHを駆使して、それぞれ力学的拘束されたサンプルと通常再生させたサンプルとで比較し、(2) 「形態形成・機能化」フェーズではアクチンの構造変化が重要性を増すため、アクチンの秩序構造のダイナミクスを蛍光観察によって追い、方向秩序変数といった物理学的リードアウトの抽出によって力学的拘束とアクチンの秩序構造の関係性を探る。
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