研究課題/領域番号 |
23K25213
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補助金の研究課題番号 |
22H03959 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田口 和明 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授 (90621912)
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研究分担者 |
小松 晃之 中央大学, 理工学部, 教授 (30298187)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | ヘモグロビン / アルブミン / 一酸化炭素 / マクロファージ / サイトカインストーム |
研究開始時の研究の概要 |
COVID-19感染症時に話題となったサイトカインストームは、M1マクロファージ (炎症惹起型マクロファージ) の過剰な活性化により引き起こされる。本研究では、多彩な生理活性を有する一酸化炭素 (CO) がM1マクロファージの活性化を抑制することでサイトカインストームの発症と進展を抑制することを実証するとともに、本症に対する創薬アプローチとしてヘモグロビンの固有特性を利用したM1マクロファージ指向性炎症環境応答型COナノ供与体の開発を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究では、一酸化炭素 (CO) のサイトカインストーム/多臓器不全に対するProof of concept (POC; 概念実証) を示すとともに、本症に対する創薬アプローチとしてヘモグロビンの固有特性を利用したM1マクロファージ指向性炎症環境応答型COナノ供与体の開発を試みる。2023年度は、CO のマクロファージ制御によるサイトカインストーム抑制効果の機序を検討した。具体的には、マウスマクロファージ (RAW264.7細胞) にリポポリサッカライド (LPS)を添加させることで活性化させ、COがマクロファージの活性化に与える影響を検討した。その結果、COはマクロファージ上に発現するヘムタンパク質Xの活性化を抑制するとともに、タンパク質Xを介したTLR4の活性化(炎症性サイトカインの産生)を抑制した。また、LPS誘発急性肺障害モデルマウスの肺胞洗浄液を用い、COの肺中のヘムタンパク質Xや好中球のミエロペルオキシダーゼの活性化に与える影響を検討したところ、COはこれらを顕著に抑制した。さらに、ヘムタンパク質Xの阻害剤をLPS誘発急性肺障害モデルマウスに経肺投与したところ、肺障害の重症度は軽減し、肺胞洗浄液中の炎症性サイトカイン・ケモカインの産生は減少した。この効果は、COと阻害剤を併用した際においても同程度の項かであった。以上の結果より、COはヘムタンパク質を介してマクロファージや好中球の活性化を抑制することでサイトカインストームの発症と進展を抑制していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りCOのサイトカインストームに対する有効性のエビデンスを得ており、研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は予定通り、M1マクロファージ指向性炎症環境応答型COナノ供与体の作製と物性評価を行う。その後、LPS誘発急性肺障害モデルマウスや重症敗血症モデルマウスによって引き起こされるサイトカインストーム/多臓器不全に対するM1マクロファージ指向性炎症環境応答型COナノ供与体の有効性の検証を行う。
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