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巧緻動作の運動学習から軽度認知障害の早期発見のためのスクリーニングシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K25227
補助金の研究課題番号 22H03973 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分90130:医用システム関連
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

森田 良文  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00241224)

研究分担者 和坂 俊昭  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60390697)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
キーワード軽度認知障害 / スクリーニング / 手指巧緻性 / 視線情報 / 瞳孔径 / 運動学習
研究開始時の研究の概要

認知症の前段階であるMCIの早期発見は,認知症へのリスクを低減する早期治療へとつながり,社会的ニーズが高まっている.現在,病院ではMCIのスクリーニング検査として血液検査,MRI検査,SPECT検査, PET検査などが行われているが,高い精度での早期発見には検査コストがかかる.本研究ではSPECT検査の結果と照合させながら,この結果と同等な精度が得られる簡易MCIスクリーニングシステムを開発する.さらに,早期発見には医師によるスクリーニング検査を受ける必要があるが,病院に行かなくても簡易にスクリーニングを可能とするシステムを目指す.

研究実績の概要

医師が行うMCIの診断法では,一般所見(年齢,性別,学歴など),神経心理学的所見(MMSE,HDS-Rなどの検査),精神心理学的所見(BDI-IIなど)に加えて,画像診断学的所見(SPECT検査など)などを用いて総合的にMCIの診断を行っている.一方,提案システムで用いる所見データはiWakkaによる運動学習所見(手指巧緻動作の運動学習の特徴量データ),生理学的所見(視線等のデータ)と一般所見である.これらを説明変数とし,SPECT画像を用いた医師の診断によるMCIの有無の診断結果を目的変数とするMCI診断モデルを構築する.
2023年度は,地域在住高齢者のための健康教室にて,健常者とMCI者によるiWakkaを用いた手指巧緻動作における運動学習の検査を行うと同時に,運動学習中の視線等の計測を行った.累計の被験者数は155名,そのうち視線計測も行った被験者数は63名である.また,同意が得られた被験者に対してSPECT検査を実施し,MCIの診断結果も得た.別途取得した健常者若年者のデータも含めて,健常高齢者とMCI者のデータ解析を実施した.
解析結果から,健常高齢者者とMCI者の手指巧緻動作の運動学習の違い,瞳孔径の変化の違いを発見し,それがMCI判別モデルの説明変数になる可能性を示唆する結果を得た.また,課題遂行中のある条件における瞳孔径の変化が,健常高齢者とMCI者では傾向が異なる可能性を示唆する結果を得た.さらに,判定モデルに必要な説明変数の時系列データの時間区間の短縮を目指して,感覚運動適応と瞳孔反応に着目した新たな視覚遅延フィードバック課題を考案し,健常若年者と健常高齢者の違いを明らかにした.
以上により,様々な特徴量の抽出から判別モデルを構築し,判別精度の向上を図っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね順調に進展しているので,このペースで目標を達成したい.

今後の研究の推進方策

引き続き,地域在住高齢者を対象として被験者実験を継続し,データ数を増やしながらデータ解析を行う.2023年度は瞳孔径に着目したが,すでに収集したデータにも含まれている視線や眼球運動などにも着目して解析を行う予定である.当初,Final Goalの達成までに,Sub Goalを設け,2段階に分けて実施する予定であったが,2022年度の被験者実験のデータ解析の結果から,Sub Goalは必要ないことが判明した.そこで,Final Goalに向けて研究を推進する.なお,Final Goalとは,iWakkaによる運動学習所見(手指の巧緻動作の運動学習の特徴量データ)と生理学的所見(視線等のデータ)の所見データと一般所見(年齢,性別,学歴など)を説明変数とし,SPECT画像を用いた医師の診断によるMCIの有無の診断結果を目的変数とするMCI診断モデルを構築し,簡易MCIスクリーニングシステムを完成させることである.具体的には,新たに発見した課題遂行中のある条件における瞳孔径の変化が判別モデルの説明変数になることを検証する.さらに,新たに構築した感覚運動適応と瞳孔反応に着目した視覚遅延フィードバック課題を用いたデータが判別モデルの説明変数になることも検証する.

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Quantification of motor learning of finger dexterity for the discriminant model of MCI2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Toshima, Yu Chokki, Toshiaki Wasaka, Tsukasa Tamaru, Yoshifumi Morita
    • 学会等名
      The 34th 2023 International Symposium on Micro-NanoMechatronics and Human Science (MHS2023)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 運動学習の定量化によるMCIの判別変数としての可能性2023

    • 著者名/発表者名
      戸嶋和也, 一寸木佑, 高戸了, 田丸司, 森田良文
    • 学会等名
      リハビリテーション医療DX研究会 第1回学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書 2022 実績報告書
  • [学会発表] 運動学習の定量化によるMCIの判別モデルの検討2023

    • 著者名/発表者名
      戸嶋和也, 一寸木佑, 高戸了, 田丸司, 森田良文
    • 学会等名
      第57回日本作業療法学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書 2022 実績報告書
  • [学会発表] Preliminary study on the discrimination of cognitive decline using the iWakka device2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi Morita, Kazuya Toshima, Moe Nishiya, Yu Chokki, Ryo Takato, Toshiaki Wasaka, Tsukasa Tamaru
    • 学会等名
      2022 Japan-Poland International Workshop on Technologies supporting rehabilitation and medical services (Lodz University of Technology, Poland) (2022.11)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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