研究課題/領域番号 |
23K25237
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補助金の研究課題番号 |
22H03983 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山村 昌平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (50432141)
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研究分担者 |
重藤 元 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60805662)
秋山 靖人 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (70222552)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 1細胞解析 / 細胞チップ / 核酸プローブ / 循環がん細胞 / 遺伝子変異がん細胞 / メラノーマ |
研究開始時の研究の概要 |
独自の超集積型細胞チップと核酸プローブを用いて、1千万個以上の細胞を分離配置し、その中からCTCの検出から遺伝子変異解析までが可能なオンチップがん診断システムを開発する。まず、多数の白血球を単一層に配置する超集積型の細胞チップを設計作製する。次に、本細胞チップを用いて、がん細胞のみを抗体多重染色による定量検出を行う。さらに標的として、皮膚がんであるメラノーマで問題となっているBFAF遺伝子変異(V600E)がん細胞を検出する核酸プローブを作製する。作製した核酸プローブを細胞チップと組み合わせて、BFAF遺伝子変異CTCを検出し、簡易、迅速、高感度なオンチップがん診断システムの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
独自の超集積型細胞チップと核酸プローブを用いて、多数の血液細胞を分離配置し、その中から循環がん細胞(CTC)を検出し、さらに遺伝子変異解析までが可能なオンチップがん診断システムを開発する。昨年度までに、金型を用いた射出成形技術を用いて、樹脂製マイクロアレイチップを作製した。特に高集積化(マイクロチャンバー数を2万個から7.8万個へ)した超集積型細胞チップを設計作製し、複数枚のチップで1千万個以上の細胞を均一かつ単一層に配置することが可能となった。今年度は、作製した超集積型細胞チップを用いて、循環がん細胞(CTC)検出のモデル系構築を行った。ヒト白血球細胞としてCEM、CTCのモデルとして乳がん細胞MCF-7、皮膚がん細胞である2種のメラノーマ(BRAF遺伝子のV600E変異細胞:SEKI、変異なし:MeWo)を用いてCTC検出系の構築を進めた。まず、白血球中のがん細胞の検出として、チップ上でCEM中に混在するMCF-7を抗体多重染色で定量検出することに成功した。次に、皮膚がんのターゲットであるメラノーマについて、メラノーマ特異的な蛍光標識抗体を用いてチップ上で抗体多重染色を行い、2種のメラノーマを検出することが示された。それと同時に、BRAF変異がん細胞のSEKIのみを検出できるペプチド核酸(PNA)プローブの開発も行った。変異なしのMeWoに対してSEKIの方が高い蛍光強度を示したが、今後さらなる染色条件検討が必要である。したがって、超集積型細胞チップを用いて、皮膚がんであるメラノーマ細胞(BRAF変異細胞含む)をターゲットにした新規CTC検出系になり得ること示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、作製した超集積型細胞チップを用いてCTC検出系を構築することと、BRAF遺伝子変異(V600E)がん細胞:SEKIのみを検出できるペプチド核酸(PNA)プローブの開発が大きな目標であった。CTC検出系のモデルとして、チップ上で白血球細胞CEM中に混在する乳がん細胞MCF-7を抗体多重染色にて定量的に検出することができた。それに加えて、チップ上で2種のメラノーマも特異的な抗体を用いてチップ上で検出することが示された。さらに、最終的な標的である皮膚がんのBRAF変異細胞SEKIをPNAプローブで検出することに成功した。感度も含めてさらなる条件検討は必要であるが、BRAF遺伝子変異がん細胞を標的にした新しいCTC検出系として次年度の研究開発に繋がるため、順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、作製した超集積型細胞チップを用いて、皮膚がんである2種のメラノーマ(BRAF遺伝子変異(V600E)細胞SEKI、変異なし細胞MeWo)に対するCTC検出のモデル系の構築を目指す。白血球細胞に添加するメラノーマ細胞MeWoを0.1%から0.0001%程度に細胞濃度を変化させ、蛍光顕微鏡下でがん細胞濃度に応じて定量検出するための条件を洗い出す。それと同時に、BRAF遺伝子変異のSEKIも白血球細胞中に添加して、MeWoに対するSEKIの定量検出なども検証する。
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