研究課題/領域番号 |
23K25255
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補助金の研究課題番号 |
23H00558 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
合同審査対象区分:小区分01010:哲学および倫理学関連、小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古田 徹也 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00710394)
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研究分担者 |
木村 純二 東北学院大学, 文学部, 教授 (00345240)
長野 邦彦 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (00882565)
池松 辰男 島根大学, 学術研究院教育学系, 講師 (10804411)
岡田 安芸子 (藤村安芸子) 駿河台大学, スポーツ科学部, 教授 (20323561)
矢島 壮平 中央大学, 国際情報学部, 准教授 (30808522)
西塚 俊太 法政大学, 文学部, 准教授 (40772629)
田島 卓 東北学院大学, 文学部, 准教授 (50851482)
宮村 悠介 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70747089)
張 政遠 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80455766)
頼住 光子 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (90212315)
板東 洋介 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (90761205)
加藤 喜市 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (71000486)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 幸福 / 日本倫理思想史 / 西洋倫理思想史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、西洋の「幸福」概念が移入された近代日本に焦点を当て、仏教・儒教などの影響下で成立した在来の「幸福」了解が、その移入にどのような影響を与えたかを思想史的に調査し、現代日本に通底する「幸福」概念の特性を明らかにするものである。また、その成果を踏まえて、社会科学の分野でも指摘されている「幸福」概念の地域的偏差および歴史的規定性の問題を学際的・国際的な連携のもとで解明する役割を担い、「幸福」概念研究の新たな地平を開く。
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研究実績の概要 |
今年度は当初の計画通り、以下の6つの小課題群の研究を個別に立ち上げて進行させた。(1) 前近代における多様な幸福の企図。(2) 儒教的文脈での功利主義・近代経済学の移入。(3) 「功利」批判とドイツ系倫理学(カント、ヘーゲル)の移入。(4) キリスト教の「幸福」観と諸宗教の哲学的再編。(5) 問題性としての和辻哲郎。(6) 京都学派の「幸福」論 : 東洋思想の残響と実存主義の導入。 また、各研究班が一堂に会して相互的な検討と総合を行う場として、まず、2024年6月29日に東京大学本郷キャンパスにおいてキックオフ・ミーティングを開催し、併せて同日、Loyola University MarylandのBret W. Davis教授を招いて講演会を行った。Davis教授はそこで、「哲学」概念の西洋中心主義(ないし独占主義)的な側面を批判的に検討したうえで、この概念が近代に日本に輸入されたことの影響について指摘しつつ、哲学的理念としての「幸福概念」を、ブータンの例などを踏まえながら論じた。その講演内容は本研究にとって重要な手がかりを与えるものとなった。 それから、2024年12月9日には、同じく東京大学本郷キャンパスにおいて研究会を開催し、研究代表者の古田徹也と研究分担者の張政遠が発表を行った。古田の発表は、「九鬼周造における時間、意志、幸福:シシュフォスの神話をめぐって」と題して、九鬼周造が西洋哲学をどのように取り入れながら独自の「幸福」論を展開しているかを跡づけたものである。また、張の発表は、「しわあせ、幸福感、幸福の形而上学」と題して、幸福の志向性や目的論性格などをめぐって、九鬼周造や柳田国男などの議論を参照しつつ解明を行うものであった。どちらも、参加者と活発な討論も含めて、本研究計画を着実に前進させる成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに個別の研究班を立ち上げて進行させることができた。また、二回の研究会を開催して議論を深めると同時に、国際的な研究ネットワークも構築・強化させることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も引き続き、個別の小課題群の研究を進行させ、論集の編纂に向けて成果をより具体化させる。また、国内外から研究者を招いて議論を深めるほか、国際的な研究ネットワークもさらに強化し、次年度以降の国際的な展開の素地をつくる。
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