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遠心力と求心力の統御に着目する複合国家イギリス思想史:組み換わる複合性の様相分析

研究課題

研究課題/領域番号 23K25269
補助金の研究課題番号 23H00572 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分01040:思想史関連
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
小区分01030:宗教学関連
合同審査対象区分:小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連、小区分01030:宗教学関連、小区分01040:思想史関連
研究機関京都大学

研究代表者

竹澤 祐丈  京都大学, 経済学研究科, 准教授 (60362571)

研究分担者 桑島 秀樹  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (30379896)
木村 俊道  九州大学, 法学研究院, 教授 (80305408)
森 直人  高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (20467856)
佐藤 一進  神戸学院大学, 法学部, 准教授 (00554312)
武井 敬亮  福岡大学, 経済学部, 准教授 (90751090)
角田 俊男  武蔵大学, 人文学部, 教授 (20227458)
片山 文雄  東北工業大学, 総合教育センター, 教授 (40364400)
村田 陽  京都大学, 白眉センター, 特定助教 (30823299)
貫 龍太  京都大学, 経済学研究科, ジュニアリサーチャー (20962559)
中島 渉  明治大学, 商学部, 専任教授 (20453962)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
キーワード複合国家 / 思想史 / イギリス / J・G・A・ポーコック / アイルランド / 複合性の組み換え / 歴史叙述 / スコットランド
研究開始時の研究の概要

安定性や均質性を持つと見なされたイギリスの現実は、遠心力と求心力を均衡させようとする歴史的な努力の産物(内部に不安定性と非均質性を抱えつつも全体としては安定性・均質性を維持した状態)であるという認識が弱いため、この営為が研究主題になることは稀だった。
これまでの複合国家に関する思想史的研究によって、内部に文化的・歴史的に異質な複数のユニットを抱える複合的な国家として近世以降のイギリスを把握する視角の重要性が認識され、「複合国家性の維持の工夫と努力」に関する思想的営みに注目が集まりつつあるが、「複合性の組み換え」の要因やメカニズムの探求は未開拓である。この点の解明を試みるのが本課題である。

研究実績の概要

本年度は、各自が文献分析を中心とする研究活動を行った。研究の進捗管理や意見交換のための研究会は、オンラインにより複数回開催した。
本年度は、複合国家イギリス内部の各地域の統合に関する同時代的議論の相互関係とその処方箋の諸相や、複合国家の組み換えに関する要因や議論の様相の分析を行った。
また3名のメンバーによる研究報告(18世紀の複合国家論の様相)を、日本イギリス哲学会の公募セッションで行った。そこでは、以下の3点を主張した。①17世紀段階の複合国家論の在り方と比べると、複合国家の組み換えに関する内部的な諸問題がそれなりの安定性を持った形で落ち着いたこと(名誉革命体制)を前提にする必要がある。しかしながら②イングランドの政治的な決定へのスコットランドの依存、宮廷と在野の対立、そしてプロテスタント的な教会と教義の在り方などの新しい論点と背景が18世紀複合国家論の前提となることを研究遂行にあたっては留意すべきである。したがって、③18世紀の複合国家論では、名誉革命体制における紐帯の在り方や不安定性に焦点を当てることになる。特に、イングランド、スコットランド、アイルランドとその外部の関係に関わる紐帯をめぐって議論が展開されること、そしてイギリスの外部とのつながりが、反対に、イギリス内部に緊張関係をもたらす側面を分析の視点として保持すべきである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

第一年度は、複合国家イギリス内部の各地域の統合に関する同時代的議論の相互関係とそ の処方箋の分析することを目標としていた。そのために、年3回の研究会において個別研究の経過を報告するとともに、研究組織外の研究者からの知見と本課題への提言を得て 研究の進展を図るための学会シンポジウム(セッション)に応募の上で実施した。さらに、複合国家イギリスに関する重要な認識を示していると思われる思想家リストを18世紀に限定して作成・公表(上述シンポジウムでの配布)した。

今後の研究の推進方策

第一年度に引き続き、第二年度にも、複合国家イギリス内部の各地域の統合に関する同時代的議論の相互関係と そ の 処方箋の 分析を行う。さらに共同研究者全員が個別課題を遂行することによって複合国家イギリスの複合性の組み換えに関する知見を豊かにしつつ、それらを共有する研究会を開催する。
研究期間の後半では、研究成果の取りまとめを行い、その書籍化の可能性を模索する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 司馬遼太郎の語るアイルランド、あるいは〈ケルト的気質〉―『愛蘭土紀行』の流儀と視座―2024

    • 著者名/発表者名
      桑島秀樹
    • 雑誌名

      CARA

      巻: 31 ページ: 12-19

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] ノックスと契約の遺産とロバートソン『スコットランド史』2024

    • 著者名/発表者名
      角田俊男
    • 雑誌名

      武蔵大学人文学会雑誌

      巻: 55巻 第3・4号 ページ: 39-82

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] (論説論文)E・バークの崇高美学をコロナ以後の時代にひらく―新たな〈危機の時代〉への応用可能性2023

    • 著者名/発表者名
      桑島秀樹
    • 雑誌名

      社会と倫理

      巻: 38 ページ: 97-109

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] アメリカ革命は何をもたらしたか2023

    • 著者名/発表者名
      片山 文雄
    • 雑誌名

      東北哲学会年報

      巻: 39 号: 0 ページ: 103-124

    • DOI

      10.24521/tpstja.39.0_103

    • ISSN
      0913-9354, 2433-2941
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 〈ロンドンに渡った18世紀アイリッシュ〉バークのさまざまな面貌―カトリック、クエーカーという〈紐帯〉を考慮しつつ―2024

    • 著者名/発表者名
      桑島 秀樹
    • 学会等名
      第48回 日本イギリス哲学会研究大会 セッションⅡ「18世紀思想史研究における複合国家論の可能性―バーク・ヒューム・フランクリンに着目して―」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Sublime Aesthetics, or the Cultural and Mythical Inversion Power of Negativity: From Edmund Burke’s Ireland to Lafcadio Hearn’s Izumo in Hidden Japan2024

    • 著者名/発表者名
      Hideki Kuwajima
    • 学会等名
      Interdisciplinary Japan Studies Seminar (Japan Seminar Series), organized by UCD Centre for Japanese Studies and UCD Centre for Asia-Pacific Research
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 周縁からの戦略:フランクリンの目に映った複合国家像2024

    • 著者名/発表者名
      片山 文雄
    • 学会等名
      第48回日本イギリス哲学会研究大会 セッションⅡ「18世紀思想史研究における複合国家論の可能性―バーク・ヒューム・フランクリンに着目して―」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ヒュームの姿勢を再考する─近年のヒューム研究・ジャコバイト研究に学びながら─2024

    • 著者名/発表者名
      森 直人
    • 学会等名
      第48回 日本イギリス哲学会研究大会 セッションⅡ「18世紀思想史研究における複合国家論の可能性―バーク・ヒューム・フランクリンに着目して―」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 司馬遼太郎の語るアイルランド、あるいは〈ケルト的気質〉―『愛蘭土紀行』の流儀と視座―2023

    • 著者名/発表者名
      桑島 秀樹
    • 学会等名
      日本ケルト協会 2023年度 ケルト・セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] アイルランド内戦と映画―『イニシェリン島の精霊』論、『マイケル・コリンズ』『麦の穂をゆらす風』と比較して―2023

    • 著者名/発表者名
      桑島 秀樹
    • 学会等名
      日本アイルランド協会 2023年度公開講座・関西:テーマ「アイルランド内戦」シリーズ第2回
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ジョージ・グロートとジョン・スチュアート・ミルによるデマゴーグ解釈─ギリシア史受容における弁論術の再評価─2023

    • 著者名/発表者名
      村田 陽
    • 学会等名
      日本イギリス哲学会関西部会第69回研究例会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Directness in Representative Government: John Stuart Mill and Other Utilitarians on Athenian Democracy2023

    • 著者名/発表者名
      Minami MURATA
    • 学会等名
      16th Conference of the International Society for Utilitarian Studies
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 共和国体制下での宗教と政治を巡る論争 ─イングランド共和主義思想を考えるために─2023

    • 著者名/発表者名
      竹澤 祐丈
    • 学会等名
      第18回 日本ピューリタニズム学会 研究大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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