研究課題/領域番号 |
23K25272
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補助金の研究課題番号 |
23H00575 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
小区分01030:宗教学関連
合同審査対象区分:小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連、小区分01030:宗教学関連、小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
吉田 一彦 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 名誉教授 (40230726)
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研究分担者 |
脊古 真哉 同朋大学, 仏教文化研究所, 客員所員 (20448707)
荒見 泰史 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (30383186)
高橋 早紀子 愛知学院大学, 文学部, 准教授 (40770904)
松尾 恒一 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (50286671)
藤原 崇人 龍谷大学, 文学部, 准教授 (50351250)
上島 享 京都大学, 文学研究科, 教授 (60285244)
二階堂 善弘 関西大学, 文学部, 教授 (70292258)
曽根 正人 就実大学, 人文科学部, 名誉教授 (70368695)
高井 龍 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80711308)
高志 緑 大阪大谷大学, 文学部, 講師 (80792720)
伊藤 聡 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (90344829)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2025年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 仏教 / 神道 / 神仏習合 / 神仏融合 / 比較研究 / 東洋・日本思想史 / 宗教史 / 神社 / 密教 / 本地垂迹説 / 鎮守 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、次の諸点を明らかにする。①日本の神仏融合史を文化交流史の視座の下に解明する。これにより日本文化の複合性、融合性、重層性を明確化する。②日本の神仏融合の様相をアジアの仏教圏における神仏融合の諸相と比較し、比較研究によって、それらの共通性と差異を析出する。③神仏融合の進展と王権との関係、および社会との関係について考究し、文化史にとどまらず、社会史、国家史の観点からも、神仏融合史展開の歴史的意義を明らかにする。④神仏融合史の解明を切り口に、アジア史、ユーラシア史、世界史の構築にむけた新たな視座を提示し、日本をその中に位置づける。
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研究実績の概要 |
2023年度は、研究打ち合わせ会を1回、研究会(神仏融合研究会)を4回実施した。研究会は、第1回は名古屋市立大学にて7月23日に、市岡聡「立山と『法華験記』」、坂口舞「印相と坐勢からみる立山信仰―立山曼荼羅の諸仏を中心に―」の研究発表と討論を実施した。第2回は、東海/宗教史研究コンソシアムと共催で、愛知学院大学を発信スタジオにオンラインにて「吉田一彦・林淳対談 日本の神仏融合/習合とアジア――『神仏融合の東アジア史』」を実施した。第3回は、名古屋市立大学にて12月9日に長谷川恵理「江戸後期における武州御嶽の神道化と縁起創出」、吉田一彦「本地垂迹説の成立――済暹に着目して」、脊古真哉「猿投神社・神宮寺の田遊び―廃絶例についての史料からの復元的考察―」の研究発表と討論を実施した。第4回は、国際的研究集会「特集 密教徒神仏」として、名古屋市立大学にて2月17日に、郭佳寧「覚鑁における神祇信仰の生成と展開―勧請された神々をめぐって―」、高橋早紀子「ヴィナーヤカの属性と図様に関する考察」、ブライアン・ルパート「木が語る中世宗教文化―御衣木と草木成仏の言説を中心に―」、吉田一彦「本地垂迹説の成立と神社」、コメント(伊藤聡、上島享)と総合討論の研究発表と討論を実施した。いずれの研究会も対面・オンライン併用で実施した。 国内調査は、科研研究調査第1回として8月に富山県の立山地方の神仏融合調査を実施した。第2回は、2月に田宮寺など伊勢の神仏融合調査を実施した。他に、真清田神社・一宮市立博物館、長野県諏訪地方の寺社、広島県の厳島神社、宮崎県の神社・大分県のキリシタン遺跡などの個別の国内調査を実施した。さらに、広島大学市民講座「仏教の世界宗教化と地域文化との交流――仏と神のサミット」にて、研究代表者、研究分担者の3人が、市民向けに研究成果を発信した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、新型コロナウィルス感染症の感染法上の分類が、2類相当から5類へと移行になったことを受け、感染対策に留意しつつ、対面での研究会(神仏融合研究会)および国内調査を積極的に実施することができた。研究会は、国際発信を含めて質量ともに充実した中身のものを複数回実施することができた。中でも2021年に発表した『神仏融合の東アジア史』の書評で頂戴した論点をめぐって踏み込んだ議論ができたこと、密教と神仏信仰の関係について議論ができたことは重要だったと自己評価している。さらに懸案であった立山地域の神仏融合調査、田宮寺など伊勢信仰にかかる神仏融合調査を実施することができた。研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も本年度に引き続き、研究会を精力的に実施して研究成果を共有するとともに、国内調査を科研研究全体で、また研究代表者・研究分担者が個別に実施していきたいと計画している。さらに、懸案になっている「神仏融合/習合」の英語訳をどう構想するかについて、オンラインを活用した国際研究集会を実施する方向で準備を進めている。 さらに新型コロナウィルス感染症の流行により中断していた国際調査を再開したいと構想している。ただし、円安が急速に進展しており、予算面に若干の不安がある。為替相場の推移を注視しながら、調査計画を立案していきたい。
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