研究課題/領域番号 |
23K25282
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補助金の研究課題番号 |
23H00585 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 横浜美術大学 |
研究代表者 |
濱田 瑞美 横浜美術大学, 美術学部, 教授 (30367148)
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研究分担者 |
肥田 路美 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00318718)
川瀬 由照 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00541228)
神野 祐太 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (40757473)
児島 大輔 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任研究員 (50582376)
大島 幸代 大正大学, 文学部, 専任講師 (60585694)
谷口 耕生 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 室長 (80343002)
西谷 功 花園大学, 文学部, 准教授 (80773928)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2027年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2026年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 中国仏像 / 仏教美術 / 木彫仏 / 中国仏教 / 南宋仏像 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の寺社や博物館・美術館等に所蔵・寄託されている中国木彫仏像の調査研究を行う。中国木彫仏像の形状、構造、材質、表面仕上げなど研究に必要な基礎情報を集積する。調査データの分析を通して、中国木彫仏像の様式・技法や制作年代・制作地域を考察するとともに、中国仏教美術史における木彫仏像の位置づけや、日本所在という視点から浮き彫りになる中国仏像の伝播の意義など、東アジア仏教美術史の諸課題について体系的な研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本の寺社や博物館・美術館等に所蔵・寄託されている中国木彫仏像の調査を行い、取得したデータを基に、中国木彫仏像の様式・技法や制作年代・制作地域、中国仏教美術史における木彫仏像の再定位、および中国木彫仏像の日本への伝播の意義等について研究するものである。 初年度である本年度は、堺市博物館所蔵の観音菩薩立像(重要文化財)、大和文華館所蔵の如来立像、築地本願寺所蔵(龍谷大学龍谷ミュージアム寄託)の菩薩像二体、仁和寺所蔵(京都国立博物館寄託)の観音菩薩坐像、京都国立博物館所蔵の菩薩坐像等の熟覧調査を行った。それらの中国木彫仏像の法量、形状、構造、材質、表面仕上げなどの基礎情報と、新たに撮影した高精細デジタル写真資料を収集した。なかでも、築地本願寺像二体についてはこれまで本格的な調査は行われていなかったため、その仏像の研究価値を研究者および所蔵者と共有できたことは大きな成果といえる。 本年度はあわせて、比較材料となる関連作品の情報のデータ化を進めた。仏像の様式は、制作年代のみならず制作地域を考察する上で重要であり、中国木彫仏像の研究における基盤となる。本年度の知見としては、中国北方(遼金)および江南(南宋)の仏像の顔貌や衣文表現の特徴の違いを把握し、様式比較の検討ポイントをいくつか挙げることができた。そのほか、中国木彫仏像の考察に有用な中国の石窟や石造の仏像、日本の木彫仏像、および中国・日本の仏教絵画作品の図像・様式に関する個別研究、ならびに宋元の江南仏教儀礼の中世日本に与えた影響の解明などにおいて成果が上がった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿って順調に熟覧調査が実施されており、中国木彫仏像を研究するためのデータ収集が進んでいるため。 仏像の所有者や所蔵・寄託の博物館において、本研究の意義について理解いただき調査への協力を得られたことにより、本研究を順調に行うことができた。 また、本年度の調査には本研究の代表者・分担者の全員が参加した。調査時およびその後の研究会において、各々の専門の立場で様々な方面からの意見が積極的に出されるなど充実した議論がなされており、本研究のチーム体制とその成果においても手応えを感じている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では引き続き、日本の寺社や博物館・美術館等に所蔵・寄託されている中国木彫仏像の調査を行い、研究に必要なデータを集積していく。中国木彫仏像の様式・技法から制作年代や制作地域を考察するとともに、中国仏教美術史における木彫仏像の位置付けや、日本への伝播の意義について考えていく。技法に関する調査においては、これまでの目視による観察や近赤外線撮影のほか、今後は表面彩色の化学分析や樹種同定についても積極的に行い、関連する研究チームとの交流を深めながら多角的な考察を目指す。
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