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文化史資料としての抄物の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K25297
補助金の研究課題番号 23H00600 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分02010:日本文学関連
小区分02020:中国文学関連
合同審査対象区分:小区分02010:日本文学関連、小区分02020:中国文学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

蔦 清行  北海道大学, 文学研究院, 准教授 (20452477)

研究分担者 木田 章義  京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (30131486)
大谷 雅夫  京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (80152172)
宇佐美 文理  京都大学, 文学研究科, 教授 (70232808)
近藤 浩之  北海道大学, 文学研究院, 教授 (60322773)
大槻 信  京都大学, 文学研究科, 教授 (60291994)
金沢 英之  北海道大学, 文学研究院, 教授 (00302828)
緑川 英樹  京都大学, 文学研究科, 教授 (30382245)
金光 桂子  京都大学, 文学研究科, 教授 (30326243)
山中 延之  京都女子大学, 文学部, 准教授 (00782591)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2027年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2026年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
キーワード抄物 / 中世後期 / 国語学・日本語学・文献学 / 五山文学・漢詩文 / 注釈・学問 / 『黄氏口義』提要
研究開始時の研究の概要

本研究は、抄物を文化史的資料として研究するものである。
「抄物」とは、室町時代に禅僧や博士家の貴族によって多数作られた、主に漢籍・仏典の講義録、あるいは注釈書のことである。従来は、当時の口頭語を研究する資料として使われることが多かった。
それを、当時の文化を知るための資料として、さらに活用を広げようというのが、本研究の目的である。総体としての抄物とはいかなる資料であるのかを再確認し、個々の抄物の位置づけを再定位する必要が生じている。それを通じて、抄物の資料的性質をより深く追求し、中世後期の文化や思想・学問を明らかにするための基盤を構築しようとするのである。

研究実績の概要

本研究課題全体の研究の目的は、抄物の文化史的資料としての価値を明らかにすること、と定めている。そのために、抄物の内容の検討、および周辺の資料との比較が必要であり、具体的には①幅広い分野の研究者が集う研究会を継続的に開催する、②複数の抄物を扱う研究者があつまり、それぞれの扱っている抄物資料についての知見を公開してもらうシンポジウムを企画する、③文庫や寺院の文献調査を行って、新たな価値ある資料を発掘・紹介する、という三つの活動を計画した。以下この三点について、実績を報告する。
①については、黄庭堅の詩の抄物『黄氏口義』(建仁寺両足院蔵、二一巻・二二冊、林宗二筆、1560-1567年写)を精読する研究会を、前年度までに引き続き開催した。各回の参加者は20名程度で、本年度は11回開催し、通算の開催回数は112回となった。
②について、本年は研究代表者・分担者の多くが、①の研究成果をまとめた書籍『抄物を読む:『黄氏口義』提要と注釈』の執筆・編集に取り組んでいたため、開催できなかった。
③については、まず山中は高山寺(京都市右京区・2023年9月22-25日)において、抄物資料『無門関鈔』・仁和寺(京都市右京区・2023年4月-2024年2月まで計9日間)において『山谷詩抄』『蒙求知抄』等抄物資料の原本調査を行った。蔦は高山寺(京都市右京区・2023年9月22日-25日)において、室町時代後期の漢字カタカナ交じり資料の原本調査を行った。金沢は神宮文庫(伊勢市)、刈谷市中央図書館、阪本龍門文庫(吉野郡吉野町上市)、天理図書館(天理市)、石川武美記念図書館成簣堂文庫(東京都千代田区・以上いずれも2024年3月、各地1-2日間)で日本書紀の古活字版、古写本等の原本調査を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題全体の研究の目的は、抄物の文化史的資料としての価値を明らかにすること、と定めている。そのために、抄物の内容の検討、および周辺の資料との比較が必要であり、具体的には①幅広い分野の研究者が集う研究会を継続的に開催する、②複数の抄物を扱う研究者があつまり、それぞれの扱っている抄物資料についての知見を公開してもらうシンポジウムを企画する、③文庫や寺院の文献調査を行って、新たな価値ある資料を発掘・紹介する、という三つの活動を計画した。
研究会については、参加者を少しずつ増やしながら、順調に開催を続けている。また、その成果を、書籍『抄物を読む:『黄氏口義』提要と注釈』(臨川書店、2024年3月)として公表することができたのはきわめて大きな成果であって、新たな研究者の育成や普及に大きな貢献をなすことができたのではないかと考えている。
また文献調査に関しても、寺院・文庫等において、調査や資料収集を進めており、撮影作業も行うことができた。一部は翻刻や資料紹介として公開するに至っていることも大きな成果であるといえる。
一方で、今年度からの新たな企画であるシンポジウムについては、複数の抄物を扱う研究者が集まり、それぞれの扱っている抄物資料についての知見を共有することを考えていたが研究代表者・分担者の多くが上記書籍の執筆・編集に従事していたため、実現に至っていない。
以上を総合的に勘案して、本年度の本研究課題は「おおむね順調に進展している」と評価する。

今後の研究の推進方策

本研究課題全体の研究の目的は前年度までと変わらないことから、本年度も引き続き、①幅広い分野の研究者が集う研究会を継続的に開催する、②複数の抄物を扱う研究者があつまり、それぞれの扱っている抄物資料についての知見を公開してもらうシンポジウムを企画する、③文庫や寺院の文献調査を行って、新たな価値ある資料を発掘・紹介する、という三つの活動を遂行していく。
①の研究会については、継続して行っているものであり、今年度に関しても引き続き、参加者の増加・内容の充実に努める。
②のシンポジウムに関しては、前年度は開始できなかったものであるから、早急に準備を進め、遅れを取り戻せるように、適切な人選から始める。
③の文献調査についても、継続的な計画であり、京都市高山寺や仁和寺、京都大学附属図書館など幅広く行っていきたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 小川義章師覚書類の翻刻(その6)ー『高山寺記録 寺史作成の資料Ⅰ』(その3)ー2024

    • 著者名/発表者名
      大槻信・山中延之
    • 雑誌名

      高山寺典籍文書綜合調査団研究報告論集

      巻: 令和五年度 ページ: 20-32

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 訓読の力2023

    • 著者名/発表者名
      木田章義
    • 雑誌名

      和漢比較文学

      巻: 71 ページ: 6-20

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 一韓抄の絵画観2023

    • 著者名/発表者名
      宇佐美文理
    • 雑誌名

      美術フォーラム21

      巻: 48 ページ: 43-47

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 『霊の真柱』の世界像──宣長・中庸から篤胤へ2023

    • 著者名/発表者名
      金沢英之
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 51-16 ページ: 264-274

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 係り結び史から見たサゾの文 ー古典語と現代語を通じてー2023

    • 著者名/発表者名
      蔦 清行
    • 学会等名
      日本語学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 桃源瑞仙の易学と足利学校2023

    • 著者名/発表者名
      近藤浩之
    • 学会等名
      北海道大学中国哲学会月例会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 『抄物を読む――『黄氏口義』提要と注釈――』ができるまで2023

    • 著者名/発表者名
      大槻 信
    • 学会等名
      科研「「抄物コーパス」の構築とコーパスを応用した日本語史研究」2023年度第1回研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 抄物からの汎用的語釈の採集2023

    • 著者名/発表者名
      山中延之
    • 学会等名
      第131回国語語彙史研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 抄物を読む: 『黄氏口義』提要と注釈2024

    • 著者名/発表者名
      京都大学黄氏口義研究会編 宇佐美文理・大槻信・木田章義・蔦清行・緑川英樹・山中延之執筆
    • 総ページ数
      434
    • 出版者
      臨川書店
    • ISBN
      9784653045779
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 漢字文化事典2023

    • 著者名/発表者名
      日本漢字学会編 編集主幹:吉川雅之 編集委員:阿辻哲次・落合淳思・小原俊樹・笹原宏之・清水政明・鈴木舞・棚橋尚子・松江崇・安岡孝一・山田崇仁・山本真吾 編集協力:池田証寿・氏原基余司・円満字二郎・大形徹・大槻信・大西克也・河崎啓剛・久保裕之・鈴木広光・高橋智。森博達・森賀一惠・和田廣幸
    • 総ページ数
      648
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621308356
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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