研究課題/領域番号 |
23K25300
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補助金の研究課題番号 |
23H00603 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
小区分02020:中国文学関連
合同審査対象区分:小区分02010:日本文学関連、小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
一戸 渉 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 教授 (20597736)
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研究分担者 |
國賀 由美子 大谷大学, 文学部, 教授 (60802840)
東舘 紹見 大谷大学, 文学部, 教授 (90329920)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2027年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2026年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 松平定信 / 集古十種 / 絵巻物 / 国学 / 好古 / 藤貞幹 / 書誌学 / 渡辺重名 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では近世後期に興隆した自国のいにしえの文物をめぐる知的営為である国学と好古を統合的に把握するために、一次資料の調査に基づく基盤整備を進める。国学と好古は18世紀末以降に社会的広がりを見せ、寛政度内裏の復古的造営や和学講談所の公認など、当該時期には過去を参照しつつ歴史・文化・儀礼・制度などを整備してゆくことが目指されていた。本研究は当時の知識人社会におけるこうした諸動向を把握すべく、Ⅰ 松平定信『集古十種』編纂過程の実証的解明、Ⅱ 好古家及び国学者による古物情報ネットワークの実態把握、Ⅲ 好古家及び国学者の旧蔵・書入れ資料の調査研究という3つの課題を設定し、関連資料の調査研究を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度には本研究課題に関わり、代表者・分担者による論文・解説6篇(論文集所収のものを含む)を公表し、研究会・学会での口頭発表を3回実施、また講演を3回実施した。以下、主要な業績について述べる。 まず代表者の一戸が公表した論文「『〔寛政七年吉田道可銀閣寺茶会記〕』翻印と解題」(『斯道文庫論集』第58輯)は、摂津国呉田の豪商で好古家でもあった吉田道可が銀閣寺にて寛政七年に催した茶会の出席者名簿を翻印したもので、従来未紹介資料の紹介となる。当該資料には出席者として総計232人の名が見えるが、判明した限りの人物の情報について整理し、一覧を付している。同じく代表者による論文「将軍への詩歌献上―寛政三年中秋良夜詩歌をめぐって―」(花鳥社刊『古典文学研究の対象と方法』収録)では、松平定信の主導で寛政3年に行われた幕臣による将軍家斉への詩歌献上を、寛政改革下の学問吟味との関係から捉え直したものである。第158回「書物・出版と社会変容」研究会での代表者による口頭発表「摂津呉田吉田家の出版活動」は、上記した豪商にして好古家の吉田家が作成した古物の摺物類や『聆涛閣帖』などの出版物を取り上げ、先行する藤貞幹などによる近世期の好古摺物の史的展開の中での位置づけを試みたものである。 当該年度において資料調査を実施した主な機関は、大谷大学博物館、天理大学付属天理図書館、京都学・歴彩館、伏見稲荷大社、中津市歴史博物館、三郷町立図書館である。とくに大谷大学博物館の所蔵する「集古十種原稿類」については全体の撮影を完了し、今後の検討を進めてゆく上での基礎を築くことができた。 なお、当該年度の研究遂行にあたり研究協力者として白石愛(東京大学総合博物館特任助教)、早乙女牧人(東海大学非常勤講師)、佐藤岳流(京都大学大学院教育学研究科大学院生)の各氏の協力を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施1年目である本年度は原資料の調査を行うことが主体であったが、大谷大学博物館所蔵の「集古十種原稿類」をはじめ年度内に当初予定していた出張調査や資料撮影を進めることができ、また必要な機材類も入手し、次年度以降の調査及び研究の基礎を固めることができたことによる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通りに研究が進捗していることから、次年度以降も資料調査を継続して行うとともに、収集した資料についての分析を進める予定である。
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