• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

エリザベス朝演劇における劇作家の仕事

研究課題

研究課題/領域番号 23K25309
補助金の研究課題番号 23H00612 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分02030:英文学および英語圏文学関連
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
合同審査対象区分:小区分02030:英文学および英語圏文学関連、小区分02040:ヨーロッパ文学関連
研究機関千葉大学

研究代表者

篠崎 実  千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (40170881)

研究分担者 土井 雅之  関西学院大学, 文学部, 准教授 (00614992)
中野 春夫  学習院大学, 文学部, 教授 (30198163)
丹羽 佐紀  鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (40244272)
桑山 智成  京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40388062)
岩田 美喜  立教大学, 文学部, 教授 (50361051)
末廣 幹  専修大学, 文学部, 教授 (70264570)
松岡 浩史  熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (80780048)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
キーワードシェイクスピア / エリザベス朝演劇 / 大衆劇場 / 書誌学 / 創作過程 / 劇の創作 / 改訂 / 複数テクスト劇 / 契約
研究開始時の研究の概要

本研究では、「劇団経営と興行システム」、「芝居小屋と地方巡業」、「オファーと台本作成」、「ペストと上演規制」という4つの研究部門を設け、エリザベス朝演劇において、使用する劇場や上演状況などといった、創作の外的要因に着目して、再上演のための加筆などの痕跡をとどめた、特定の劇作品の読解を中心にすえた分析方法によって、台本の作成依頼、執筆、稽古、上演、出版が行われるまでの共同作業的行程の全貌を8名の共同作業によって分析、検証する。

研究実績の概要

各研究担当者が割り当てられた分野を担当し、それぞれの分野に関して、エリザベス朝演劇における劇作家たちの劇団での仕事ぶりに関する資料収集、関連作品収集と読解の作業に着手した。
海外での資料調査・収集に関しては、研究代表者がR5年8月に当該科研費によって、連合王国のオックスフォード大学ボドレイ図書館で資料調査を行なった。国内の資料調査は研究代表者と分担者1名がR5年12月にシェイクスピア・コレクションを所蔵する秋田大学にて行なった。
R5年9月1日に福岡(JR博多シティ)において第1回研究会を九州シェイクスピア研究会との合同研究会として開催し、研究の計画と方向性を確認したうえで、2点の研究発表と招待講演を行なった。令和6年3月21日にも九州シェイクスピア研究会と合同開催で第2回研究会を開き、招待講演と研究発表を行なった。
R5年10月の第61回シェイクスピア学会では、研究分担者2名がセミナーのコーディネーター、およびコメンテーターをつとめた。そのほかに、研究分担者はR5年7月のジョンソン協会におけるシンポジウムの発話、R6年3月のブロンテ協会関西支部会における招待講演を行なった。学会誌等への研究成果の発表状況は、フランスのCahiers Elizabethans誌ほか、
所属大学の紀要などにあわせて5本の論文が発表された。また、共訳書1点があった。
数字で挙げると、論文5点、訳書1点、書評1点、学会発表5本、研究会発表2点、出張20回、資料調査4回となる。ここで言及したのはすべてエリザベス朝演劇関連の研究実績である、

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究は、第1部門「劇団経営と興行システム」、第2部門「芝居小屋と地方巡業」、第3部門「オファーと台本作成」、第4部門「ペストと上演規制」という4つの部門を設け、エリザベス朝演劇において台本の作成依頼、執筆、稽古、上演、出版が行われるまでの共同作業的工程の全貌を8名によって分析、検証するものである。各部門に2名のメンバーを配置し、メンバーは部門ごとに設定された課題を担当する。研究期間全体をとおして各部門に共通する作業は、課題に関連する。第1部門を中野春夫、丹羽佐紀が、第2部門を岩田、桒山が、第3部門を松岡、篠崎が、第4部門を末廣、土井が担当し、劇作家の劇団における創作活動を時間軸のなかで定式化するために、劇団の資料と作品の検証を行なう研究期間初年の昨年度は、そのうち、外的な要因に関する資料の収集を主に行なった。
さらに各研究者それぞれ集めた資料をもとに、部門ごとの課題に関する分析、考察も進め、第1回の研究会では、篠崎が、劇作家ベン・ジョンソンの、劇団への台本提供と自身のための全集作成という特異な仕事ぶりについて成果を披露し、第3部門の研究課題に関する考察の進展ぶりを示した。また、第2回研究会では、中野が、株式を所有し劇団の経営者でもあったシェイクスピアの特異性についての考察の一端を披露し、第1部門の研究課題に関連する考察の進展ぶりを示した。
このように、研究期間初年の研究計画は予定どおりに進捗しており、次の段階へのステップも踏みだされている。

今後の研究の推進方策

本研究の目的は、エリザベス朝演劇の主流の研究方法が抱える、上演に関わる社会・歴史的研究と劇作品の無時間的解釈の乖離という問題点を克服するために、演劇の制作を劇作家と劇団による集団的な創作の過程ととらえ、劇作品を時間のなかで展開していくものと考え、複数テクスト劇の本文比較による創作過程の再現と分析を行って、劇作家が劇団とともに行う創作のさまざまな段階を再現したり、劇団経営の事情や上演の物理的制約によって劇に生じた変化を読み解くなどといったことを行って、劇作家個人の才能の発露と考えられてきた劇作品を、集団的創作の産物とみなし、エリザベス朝イングランド大衆劇場における創作活動と興行の実態に迫ることである。
初年度のR5年度には、各担当者が資料の収集に行ない、口頭発表、研究論文で、劇団の興行における具体的な劇作品の創造のあり方に着手した。
2年以降は、資料収集を進めながら、劇団の興行研究という観点からの作品解釈、作品の創作過程の分析による興行研究に本格的に踏みだす必要がある。そのため、資料調査をつづけながら、年2回の研究会を開催し、各メンバーが学会発表、学会誌等での研究成果の披露を行なうという具体的な方法は変わらず、研究計画書で謳ったように最終年度に当たるR7年度には、研究成果をまとめて、翌年研究成果公開促進費によって論集の刊行を目指して研究を進めていく。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 『古い借金を新しく返す方法』におけるにおけるオーバーリーチの狂気と治療―モラリティ回帰の手段として―2024

    • 著者名/発表者名
      丹羽佐紀
    • 雑誌名

      VERBA(鹿児島大学言語文化論集)

      巻: 47 ページ: 22-30

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 『リチャード三世』における怪物の表象―娯楽文化史の視座から2024

    • 著者名/発表者名
      松岡浩史
    • 雑誌名

      熊本大学 人文科学論叢

      巻: 5 ページ: 39-52

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] なくなる台詞、ひろがる解釈 シェイクスピア喜劇と「無言」2024

    • 著者名/発表者名
      土井雅之
    • 雑誌名

      人文論究

      巻: 73 ページ: 157-178

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際共著
  • [雑誌論文] シェイクスピアの聖地を破壊した男―フランシス・ギャストレルの「蛮行」伝説2024

    • 著者名/発表者名
      中野春夫
    • 雑誌名

      学習院大学文学部研究年報

      巻: 70 ページ: 69-104

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際共著
  • [雑誌論文] The Influence of the Noh Play Tamura on Akira Kurosawa's Throne of Blood2023

    • 著者名/発表者名
      Tomonari Kuwayama
    • 雑誌名

      Cahiers Elizabethains

      巻: 111 ページ: 30-41

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] イングランド演劇における異性装と女優2024

    • 著者名/発表者名
      岩田美喜
    • 学会等名
      2023年度ブロンテ協会関西支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 『ロミオとジュリエット』を読む2023

    • 著者名/発表者名
      末廣幹
    • 学会等名
      第61回シェイクスピア学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 承前敬後のシェイクスピア映画2023

    • 著者名/発表者名
      松岡浩史
    • 学会等名
      第61回シェイクスピア学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ギャリックと批評的行為としてのシェイクスピア記念塔2023

    • 著者名/発表者名
      岩田美喜
    • 学会等名
      第55回日本ジョンソン協会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] なくなる台詞、広がる解釈、シェイクスピア喜劇と「無言」2023

    • 著者名/発表者名
      土井雅之
    • 学会等名
      2023年度関西学院大学英米文学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 近代初期イギリス演劇選集2023

    • 著者名/発表者名
      大和高行・小林潤司・山下孝子・丹羽佐紀・杉浦裕子[訳]
    • 総ページ数
      608
    • 出版者
      九州大学出版会
    • ISBN
      4798503444
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi