研究課題/領域番号 |
23K25318
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補助金の研究課題番号 |
23H00621 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
小区分02080:英語学関連
合同審査対象区分:小区分02060:言語学関連、小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加藤 重広 北海道大学, 文学研究院, 教授 (40283048)
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研究分担者 |
塩原 朝子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30313274)
中川 裕 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (70227750)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 言語データ / デジタル化 / 再利用 / データ管理 / 法的問題 / アナログ言語データ / 研究資源の利活用 / グイ語 / 台湾原住民語 / バンツー諸語 / ビルマ諸語 / 言語調査 / メタデータ作成 / 多層データ化 / データ利活用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画は,退職などで研究職を離れた言語学者等の所有する現地調査資料が散逸する前に,提供を受け,適切な管理をすることをまず第一段階の研究工程とし,今後利活用可能なデータとして保存していくシステムを構築することを第二段階の研究工程としている。1960年代後半から1990年代までの日本の言語学者は,さまざまな研究費を得て,世界各地に言語調査に赴き,膨大なデータを残している。これらのデータは個人的に所蔵されたアナログデータで,いずれ散逸し,失われてしまう。本研究はこういった事態を避け,デジタル化して長く利活用できる形式で保存する作業を行いつつ,その方法論を構築するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は,デジタル化されないままの現地調査言語資料を保存・保管して,今後の言語研究に使用できるように管理すること,また,その作業に伴う関連テーマについて広範かつ詳細に研究して,言語研究者を含む人文社会系の研究者,また,国内外の関連する研究全体に資する知見を提供することを目的としている。 これまでの研究工程も上述の目的を踏まえて進めた。研究工程は大きく2つに分けられるが,その大半を占めるアナログ言語データの入手やデジタル化は新たに入手した山田幸宏博士のオーストロネシア諸語資料の整理を開始し,作業手順を計画し,一部デジタル化を進めている。また土田滋博士の台湾原住民語に関する言語資料が追加で得られたので(土田博士追加資料と呼んでいる),これも整理して,デジタル化を始めている。 また,前年度からの継続で,菅原和孝博士によるグイ語資料のデジタル化と藪司郎博士によるビルマ語諸方言の言語資料のデジタル化も進めている。既にデジタル化が終了している故湯川恭敏博士のバンツー諸語の言語データについては,他に例を見ないパラレルデータであることから,利活用の方法について議論をしている。あわせて,他のデータの処理や作業に伴う諸課題についても,対応策に関する知見を整理した。 研究工程のもう一つの柱は,デジタル化資料の利活用に関する方法論である。デジタル化は,おおむね(1)アナログ資料の入手・整理,(2)アナログ資料のデジタル化(デジタル音声化・スキャンによるデジタル図像化とメタデータの作成),(3)資料のデジタル転換(検索できるようにテキストファイル等に電子化する)とメタデータ作成,データの紐付け,(4)言語学な注釈や説明の付加による研究資料化,(5)資料提供・公開,のような段階について,関連する権利の問題,データ提供者の意向の確認,言語研究への貢献などの点から課題を整理し,一部発表の準備が進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究工程の第一の柱たるデジタル化は,資料の入手から整理・電子化・メタデータ作成・言語資料化など多くの段階とそれに伴う作業を平行して進めているが,これまで菅原資料・土田追加資料・藪資料・山田資料のデジタル化を進めており,全体として工程に遅滞はないと評価している。 研究工程のもう一つの柱にあたる関連する理論的問題や実務的課題についても,問題点の整理と知見が得られており,成果として発表できる段階にある。以上から,進捗状況は「おおむね当初の研究計画に沿って進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は令和8年度までの研究であるが,令和7年度までにデジタル化の作業の大半を終えるべく,研究工程を進めている。令和6年度のうちに,菅原資料・土田追加資料の電子化の第一段階は終え,藪資料・山田資料の電子化第一段階も可能な限り進める方針を立てている。加えて,他に保存すべきアナログ言語データがないか確認すること(現時点で探し出せなければ永久に失われる可能性が高いので,この点は重要だと考えている)を進めながら,理論的問題や実務的課題においても,成果として発表できるものは積極的に発表していく予定である。電子化の第二段階(テキスト化・言語学資料化)は,上記の資料のデジタル化の進捗にあわせて遅滞なく作業を行う計画であるが,言語学の知識を有する協力者が一定数必要であることから,そのための準備を進め,平行して,各段階のデジタル化を進めることにしている。
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