研究課題/領域番号 |
23K25324
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補助金の研究課題番号 |
23H00627 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
小区分02080:英語学関連
合同審査対象区分:小区分02060:言語学関連、小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
沈 力 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (90288605)
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研究分担者 |
堀 博文 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (10283326)
秋田 喜美 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (20624208)
渡辺 己 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30304570)
星 英仁 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (70340461)
窪薗 晴夫 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 客員教授 (80153328)
下地 理則 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (80570621)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 語形成 / 言語類型論 / プロソディー / 語彙的合成語と統語的合成語 / 単音節言語と多音節言語 / 形態論 / 膠着的言語と複統合的言語 / 形態素設定 / 声調 / アクセント / 膠着的言語 / 孤立的言語 / 複統合的言語 |
研究開始時の研究の概要 |
自然言語の基本単位である「語(word)」とはなにかという問題は、伝統文法や構造主義言語学から現在の理論言語学や言語類型論に至るまで続く長年の問題であるが、いまだ明確な規定がなされていない。本研究は、①形態的に異なる言語ー複統合型(北米・スライアモン語・ハイダ語)、膠着型(日本語・琉球語・鹿児島方言)、孤立型(中国・チワン語・漢語)を調査・分析することで、②語調(語のプロソディー)における語形統合機能と語形調整機能という通言語学的性質と、個別言語の形態素形式設定による文法導入の多様性に基づいて、新しい類型論の枠組みを構築することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、形態的に異なる言語―複統合型(北米のスライアモン語(以下SLM語)、ハイダ語)、膠着型(日本語、琉球語、鹿児島方言)、孤立型(中国のチワン語、中国語)を調査・分析することにより、語調(語のプロソディー)に関連する語形統合機能と語形調整機能という通言語学的特性、および個別言語の形態素形式設定による文法導入の多様性を探求し、新しい類型論の枠組みを構築することを目的としています。 2023年度には、フィールドワークと理論的な言語間比較研究を行い、いくつかの研究成果を収めました。具体的には、中国南部のチワン語の馬山方言と武鳴方言の音韻システムを調査し、約3000語の音声データを集めました。また、日本各地の方言(三重県の北牟婁方言・南牟婁方言、高知県の幡多方言・土佐方言、香川県の西讃方言・南讃方言、石川県の奥能登方言・口能登方言・北加賀方言・南加賀方言、富山県の呉東方言・呉西方言・五箇山方言、兵庫県の但馬方言・丹波方言・淡路方言)のアスペクト動詞を中心に調査し、データを集約しました。 理論面では、『類型論から見た「語」の本質』と題された論文集に研究成果をまとめ、2023年11月にひつじ書房から出版しました。この論集では、自然言語を多音節言語と単音節言語に分類し、多音節言語の語形成が語彙レベルと統語レベルの両方で行われるのに対し、単音節言語の語形成は統語レベルでのみ行われることを明らかにしました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
このプロジェクトの進展はおおむね順調であり、その基本的な理由は研究計画の合理性にありますが、さらに2つの要因が寄与していると考えられます。まず一つ目は、科研プロジェクトのメンバーの多くが以前の基盤研究(B)(課題番号:19H01261, 2019-2022)にも関与しており、そのため課題に対するコンセンサスが既に形成されていることです。もう一つの要因は、現在の研究課題が前回の研究の延長線上にあるため、前回の研究成果を新しい課題に生かすことができ、結果を出しやすくなっていることです。
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今後の研究の推進方策 |
来年度、北米のさまざまな言語や、中国のチワン語や漢語の方言、鹿児島方言、琉球諸語の語形成の特徴を継続的に調査します。さらに、中国の西南官話や江淮官話における動詞分離のデータ収集も行う予定です。 理論的な側面では、語形成におけるプロソディ(語調)の役割を明らかにします。多音節言語では、複数の単純語が合成される際にそれぞれの語調が統合される傾向がありますが、単音節言語では、単純語の語調が調整される傾向が見られます。 多音節言語:【αwp】+【βwp】→【α-βwp】 単音節言語:【αwp】+【βwp】→【αWP=βwp】 この現象を環太平洋の諸言語を用いて分析し、語形成のプロセスにおける違いを研究する計画です。
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