| 研究課題/領域番号 |
23K25326
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| 補助金の研究課題番号 |
23H00629 (2023)
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分02060:言語学関連
小区分02080:英語学関連
合同審査対象区分:小区分02060:言語学関連、小区分02080:英語学関連
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| 研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
松本 曜 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (40245303)
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| 研究分担者 |
小原 京子 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 教授 (00286650)
中嶌 浩貴 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 講師 (00823460)
籾山 洋介 南山大学, 人文学部, 教授 (10210105)
河原 大輔 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10450694)
加藤 祥 目白大学, 外国語学部, 准教授 (40623004)
陳 奕廷 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40781224)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2026年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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| キーワード | 意味論 / 百科事典 / 大規模コーパス / 百科事典的知識 / フレーム意味論 / 形態論 / 百科事典的意味論 / 言語処理 / 複合動詞 / 関連事象 |
| 研究開始時の研究の概要 |
語の意味的特性と、その形態論的・文法的特性には、その語の表す事態に関する百科事典的知識(一般的、常識的、背景的な世界知識)が深く関わっているとする考え方がある。このような「百科事典的意味論」に基づいて、言語におけるレキシコン(語彙目録)の性質を解明する。そのために、大規模コーパスから得られる諸情報を用いる。その情報に基づいて日本語その他の言語の語彙の分析を行い、1)語の意味の構造、2)多義語の構造、3)語と語の意味関係、という語の意味論の基本的課題に取り組む。また、4)語が参加する形態論的構造と文法的構造に百科事典的知識がどう関わっているかを明らかにする。
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| 研究実績の概要 |
本プロジェクトは、コーパスに基づく百科事典的意味論の立場から、1)語の意味をどのように捉えるか(語義の課題)、2)語が持つ複数の意味をどのように捉えるか(多義性の課題)、3)複数の語の意味の関係をどのように捉えるか(意味関係の課題)という3 つの課題に関して、がどのような答えを出すことができるか、また、4)語が参加する形態論的構造や文法的構造に百科事典的な知識がどのように関わるか、という研究課題に取り組むものである。 本年度は特に1)について、陳が「関連事象アプローチ」という、語の意味をそれと関連する事象から間接的に捉えるという新たな研究手法を用いて、日本語の複雑述語とオノマトペ、さらに日・中・英 の結果表現を分析し、言語的な意味と世界知識的な意味は切り離すことができないものであることを実証的に研究した。また、松本は、移動動詞の用例データベースを用いて、移動を表すオノマトペについて意味分析を行った。また籾山は「百科事典的意味と身体性」に関する研究を発表した。 また4)については中嶌が英語の語形成における百科事典的知識の役割に関して、接辞と語基の関係性についてデータの検討と分析を行った。また、河原が百科事典的知識が動詞の意味分類に与える影響を明らかにするために、複合動詞の意味関係分類タスクを大規模言語モデルを用いて解くモデルを構築し、分析を進めた。小原も話者の持つフレーム知識の中でも特に相互フレームが日本語の文法的構造にどう関わるかについて考察した。 また本年度はInternational FrameNet Workshop 2025を開催し、国内外の研究者との交流を行った。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
移動動詞のデータベースの作成がやや遅れたためその分析に関してはやや遅れている。その他の面では研究が進んでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き、百科事典的意味論に関する理論的な研究を進めると共に、各種データベースを整備し、さらに大規模コーパスを用いた百科事典的意味論研究を進める。 籾山は理論的な考察を行い、百科事典的意味論(百科事典的意味観)の認知言語学(認知意味論)における位置づけについて検討する。加藤は宮島(1972)データの整理を行い、追加情報を含めた版を完成させるよう努める。 松本は、コーパスなどを用いて諸事象に関する一般的世界知識を見出す手法を使ってデータの収集を行ない、意味論の諸課題を検討する。動詞の語義の課題の場合で言えば、その動詞が共起する付帯状況に表れる動詞についての情報を得た上で、それを複合動詞の前項動詞と比較する。それによって、単一の動詞で表現される場合の事象が、複文で表現される場合とどのように異なるかを考察する。河原は実際には存在しない複合動詞の判別や、移動動詞の分類について大規模言語モデルに基づくモデルを構築し、百科事典的知識と動詞意味分類の関係の調査をさらに進める。 また、陳が中心となって、関連事象に基づく意味のつながりを「ネットワーク科学」の観点から分析する。ネットワーク科学における平均経路長やクラスタリング係数、次数分布、コミュニティ、中心性などの様々な概念を取り入れることによって、新たな言語分析が可能となることを示す。小原は、「語が参加する形態論的構造や文法的構造に百科事典的な知識がどのように関わるか」という問いの他、「複数の語の意味の関係をどのように捉えるか」について考察を進める。具体的には、環境問題に関する日本語複合語を構成する語の意味の関係をフレームで記述し、英語・フランス語の対応する複合語におけるそれらと比較対照する。
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