研究課題/領域番号 |
23K25368
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補助金の研究課題番号 |
23H00671 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中島 圭一 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (50251476)
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研究分担者 |
櫻木 晋一 朝日大学, 経営学部, 教授 (00259681)
鈴木 康之 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (10733272)
村木 二郎 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (50321542)
佐藤 亜聖 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (40321947)
西谷 正浩 福岡大学, 人文学部, 教授 (80248468)
貴田 潔 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (30759064)
中村 翼 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (70748970)
高島 正憲 関西学院大学, 経済学部, 准教授 (70816511)
前田 廉孝 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (90708398)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 中世経済 / マクロ経済推計 / 実証的データ収集 / 中世日本GDP推計 / 銭貨 / 陶磁器 / 石造物 / 製鉄遺跡 / 不動産価格 / 対外貿易収支 |
研究開始時の研究の概要 |
信頼性の高い中世マクロ経済推計(特にGDP推計)の実現に向けて、(A)陶磁器・石塔・鉄の生産・消費量や銭貨流通・対外貿易収支・地価などの推移を考古資料・文献史料から直接的に導き出すとともに、特定の地域・遺跡に即したデータについては、全国的動向を割り出すうえで最適なフィールドの組み合わせを探り、(B)先行推計の問題点を精査するとともに、Aの作業成果をベースとする暫定的な補正を試みる。さらに、(C)既存の他国GDP推計の算出過程を再検証するとともに、本推計との対比に適した実証的データを探索する。これらの作業を通じて方法論の確立とデータの準備を進め、本格的な推計作業に取り掛かる用意を整える。
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研究実績の概要 |
共同研究の全体研究会は、第1回を2023年6月に東京(慶應義塾大学)で、第2回を2024年3月に広島(県立広島大学)で開催した。第1回は、代表者の中島圭一が「2023-2025年度マクロ経済科研の概要」を示したのを受けて、銭貨・陶磁器・石造物・製鉄・不動産価格・対外貿易の各班ごとに、メンバーによるこれまでの研究の蓄積をまとめたうえで本研究における作業の方針について議論を行い、さらに高島正憲の口頭報告「中世日本GDP推計の現在:メソッド&メソドロジー」とそれを受けての討論を実施した。第2回は前田廉孝「クリオメトリクス研究における高島推計の意義と課題」、貴田潔「不動産価格データの集計から見えてくるもの」、角田徳幸・松尾充晶「中国山地の製鉄からみた中世鉄生産の画期」の3本の報告と討論に加えて、広島県北広島町・島根県雲南市の中世における砂鉄採取跡や製鉄遺跡の現地調査を実施した。また、これらと別に陶磁器班の研究会を8月に開催し、小野正敏の口頭報告「マクロ経済推計へ向けた陶磁器の消費と生産の数値データ化のプロトモデル作り(案)」を土台に議論を重ね、作業の方針を固めた。 実証的な中世マクロ経済推計のベースとなるデータ収集・整理は班単位で個別に進めているが、研究経費支出との関連では、まずその過半を製鉄班による出土遺物の放射性炭素年代分析に充て、23遺跡(27地点)56点の資料の分析を実施して製鉄遺跡の稼働年代を割り出す成果を得ている。石造物班では、フィールドとする近江国内の石造物の紀年銘データを入力・整理して、型式面から(無銘のものを含めて)石塔の年代比定を行う準備を整えている。銭貨班、博多遺跡群における個別発見貨の調査・集計・データ入力を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
陶磁器班は作業方針の確定が少し遅れたのに伴って作業そのものもやや遅れ気味だが、その分の研究経費を投入できたことによって、製鉄班のデータ収集は予定より進んでいる。他の班の進行は概ね事前の想定通りなので、全体としては当初の計画に近い形で進展していると言ってよい。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で最も重要なのはデータの蓄積による実証的な推計の実現なので、銭貨・陶磁器・石造物・製鉄・不動産価格・対外貿易の各班のデータ収集に今後も重点を置く。他方、予算の制約から、当初計画に盛り込んでいた中世ヨーロッパの経済推計の検証は優先度が低いので、本研究での実施は基本的に断念する。先行推計の方法の再検討にもあまり研究経費を割く余裕がないので、実証データをベースとする各班の口頭報告などの機会における先行推計との関係の議論をメインとする。
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