研究課題/領域番号 |
23K25383
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補助金の研究課題番号 |
23H00686 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
北村 暁夫 日本女子大学, 文学部, 教授 (00186264)
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研究分担者 |
田中 ひかる 明治大学, 法学部, 専任教授 (00272774)
青木 恭子 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (10313579)
木村 真 日本女子大学, 文学部, 研究員 (20302820)
一政 史織 (野村史織) 中央大学, 法学部, 教授 (20512320)
杉浦 未樹 法政大学, 比較経済研究所, 教授 (30438783)
平野 奈津恵 日本女子大学, 文学部, 研究員 (60634904)
山本 明代 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (70363950)
山手 昌樹 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 講師 (70634335)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2026年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 難民 / 移民 / ヨーロッパ / 支援レジーム / 生存戦略 / 強制移住 / 20世紀 / ネットワーク / 支援組織 / 比較史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、20世紀ヨーロッパを主たる対象として、戦争や国家・社会による迫害などによって空間的な移動を強制された人々が、移動の過程で自らの生存を賭して行った選択(生存戦略)を明らかにしたうえで、戦争が終息を迎えたり、政治体制が変革されたりすることで、彼ら/彼女らに移動を強いた状況が消滅ないし緩和される局面において、彼ら/彼女らがいかなる選択を行うのか、また、そうした選択が受け入れ国の政策および彼ら/彼女らを支援するNGOなどの諸組織や移民ネットワーク(この支援の総体を支援レジームと呼ぶ)とのいかなる相互作用のなかで行われるのかについて解明するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、20世紀のヨーロッパを主たる対象として、戦争や国家・社会による迫害などによって空間的な移動を強制された人々について、こうした人々が移動の過程で自らの生存を賭して行った選択(「生存戦略」)を明らかにした上で、戦争が終息を迎えたり、政治体制が変革されたりすることで、彼ら/彼女らに移動を強いた状況が消滅ないし緩和される局面において、彼ら/彼女らがいかなる選択を行うのか、また、そうした選択が受け入れ国の政策および彼らを支援するNGOなどの諸組織や移民ネットワーク(「支援レジーム」)とのいかなる相互作用のなかで行われるのかについて解明することを目的としている。 初年度にあたる本年度は2回の研究会を開催した。7月22日に対面により開催した第1回研究会では、参加者(代表者・分担者)9名が、4年間にわたって取り組むテーマに関して、1日20分程度の報告を行った。9人のうち3人が第一次世界大戦と戦争直後の時期、3人が戦間期、3人が第二次世界大戦と戦争直後の時期を扱うことが確認された。また、2024年1月20日に開催された第2回研究会では、青木恭子「第一次世界大戦期ロシア帝国における「強制された移住者」の「その後」」および山手昌樹「第二次世界大戦下アグロ・ポンティーノにおける入植者の生存戦略」の2報告がなされた。前者については数量的な資料整理がかなり進められている一方、ロシアでの史料調査が現今の国際情勢のなかで困難であるため、今後の史料収集の難しさが確認され、後者については今後のイタリアにおける史料調査で研究の進展が順調に見込まれることが確認された。 研究会活動と並行して、参加者各人が研究対象とする地域での史料・文献収集および聞き取り調査のための外国出張が行われた。新型コロナウイルス感染症の世界的流行もおおよそ収束し、おおむね順調に進行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
参加者のほぼすべてがこれまで12年間に及ぶ科研費の共同研究を行ってきているため、相互の研究内容に対する理解が十分になされている。また、昨年度まで行ってきた科研費の共同研究では強制移住にいたる経緯と強制移住の過程が研究対象であったのに対し、本研究では移住を強制する状況が終息ないし緩和される局面における移住者の選択を対象としていて、一定の継続性が見られるため、新たな研究対象にスムーズに移行できるというメリットがある。さらに、新型コロナウィルス感染症の世界的流行もおおむね収束し、海外での史料調査も大きな制約なく行うことが可能となった。以上のことから、比較的順調に研究が進展していると言えるため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究を推進するために、引き続き継続的な海外調査を行う必要がある。幸い新型コロナウイルス感染症の世界的流行もおおむね収束したため、渡航が困難なロシアでの史料調査が不可能なことを除けば、海外調査を順調に遂行していくことが見込める。参加者各人が積極的に海外調査を行い、史料調査を進めていく。その際に、聞き取り調査(オーラルヒストリー)を行うことがどの程度可能であるかを見極めること、また、その方法論を精密化していくことが課題となっている。この点については、今後の研究会活動によって深めていく方針である。 また、海外での史料調査と日常的な文献渉猟による研究活動の成果を、年に2~3回行う研究会で参加者に公開し、緊密な意見交換を行うことにより、強制移住を余儀なくされた諸条件が終息ないし緩和された時に移住者たちが採る選択に関する理論的な枠組みを共有していくこととする。 更に、こうした研究活動の成果を、学会での小シンポジウムの開催や単独のシンポジウムの開催を通じて、このテーマに関心を持つ研究者や一般市民に成果を公開していく方針である。 最終的に研究成果を共同論集の形で公開する予定である。
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