研究課題/領域番号 |
23K25388
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補助金の研究課題番号 |
23H00691 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
根岸 洋 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20726640)
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研究分担者 |
福田 正宏 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20431877)
能城 修一 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員(客員研究員) (30343792)
夏木 大吾 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任助教 (60756485)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 土器出現期 / 十和田火山 / 神子柴・長者久保石器群 / 古環境変動 / 地域的適応 / 縄文時代 / 長者久保遺跡 / 製作技術 / 火山灰 / 年代測定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本列島に土器が出現した縄文時代前半期(16-8 ka)の人類史を、火山噴火を含む古環境変動への地域的適応という観点から描き直すことである。東北北部は最古の無文土器によって知られるが、その土器や共伴する神子柴・長者久保石器群が次の段階へと繋がらないという文化的断絶が見られ、縄文時代早期まで不安定な文化変遷が想定されている。本研究はこのような地域的特性の背景として、更新世末から完新世初頭に頻発した十和田火山の噴火を措定し、発掘調査・資料整理に基づく考古編年の構築と、古環境変動・テフラクロノロジーの分析の2項目を通じて、他地域と対比可能な考古―地質編年を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究課題の研究目的は、日本列島に土器が出現した縄文時代前半期(17-8 ka)の人類史を、火山噴火を含む古環境変動への地域的適応という観点から描き直すことである。調査対象地である東北北部においては更新世末から完新世初頭にかけて頻発した十和田火山の噴火が知られていることから、それが社会にもたらした影響と新たな文化形成をテーマとする。 2023年度は、(a)縄文時代草創期に関して発掘調査と考古資料の整理を行い、さらに(b)縄文時代早期については年代測定データの蓄積と無文土器の製作技術に関する調査および遺跡踏査を実施した。(a)では青森県東北町長者久保遺跡において地形測量と試掘調査を実施し、遺跡出土炭化物の年代測定を行なった。また同遺跡出土石器群の三次元計測による実測図作成を行なった。(b)では関連遺跡の踏査と資料調査、年代測定を実施するとともに、X線CTを用いた早期初頭の無文土器群の製作技術分析を実施した。これらの成果については論文や学会報告の形で報告を行った。 研究成果のうち特に十和田火山の火山灰編年と考古編年との関係については基礎データを整理し、学術雑誌に投稿した。今年度の研究によって、縄文時代草創期から早期中葉にかけての約9,000年間は10段階に区分できることを指摘し、各文化層と十和田火山を給源とするテフラとの比較によって、テフラが時期区分の指標となる4つの段階を抽出することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に従って、2023年度に青森県長者久保遺跡において試掘調査を実施でき、2024年度以降の本発掘調査に向けて準備作業を行なっているため。発掘調査予定地の地権者との折衝も順調に実施していること。また火山灰と考古編年の関係についても資料収集を進めるとともに、学会報告や論文投稿を行なったため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の柱の一つである青森県長者久保遺跡の発掘調査を適切に実施するために、研究分担者・研究協力者とともに地形学図の作成を行い、研究期間内に古環境調査の研究に繋げるための準備を行う必要がある。また縄文時代草創期・早期に関する年代測定データの収集とともに、鍵となる遺跡については新たに年代測定を行う必要がある。さらに対象期間を通して、デジタル技術を用いた土器製作技術の検討を引き続き実施する必要がある。
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