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シルクロード都市における宗教の伝播と受容・変容に関する考古学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K25400
補助金の研究課題番号 23H00703 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分03050:考古学関連
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

寺村 裕史  国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 准教授 (10455230)

研究分担者 宇野 隆夫  帝塚山大学, 文学部, 客員教授 (70115799)
村上 智見  北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 特任助教 (70722362)
末森 薫  国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 准教授 (90572511)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
キーワード宗教 / ソグド人 / オアシス都市 / シルクロード / ゾロアスター教
研究開始時の研究の概要

中央アジアにおいては、都市遺跡の発掘成果の増加により、都市構造自体に関する研究は進んできているものの、当時の都市に住む人びとが心の拠り所としていた土着的な信仰や、外来宗教の受容・伝播の実態に関しては、十分に議論されてきたとは言い難く、いまだ不明な点が多い。
そこで、シルクロードの成立による東西・南北交流が活発化したなかで、宗教の果たした役割と、宗教の伝播と受容・変容の実態を明らかにすることを目的として、発掘調査の成果を軸とした宗教に関連する物質文化に焦点を当て、都市遺跡間での交流の相互作用・推移を解明し、宗教が中央アジア史において果たした大きな役割について比較考古学的側面から考察する。

研究実績の概要

令和5年(2023年)9月に、ウズベキスタン共和国・サマルカンド市に所在するサマルカンド考古学研究所(以下、考古学研究所)と国立民族学博物館(民博側協定担当責任者:寺村)との間で、学術協力に関する協定を締結した。本研究は、その協定のもと調査・研究を実施したものである。
本年度は、9月に現地に赴き協定を締結したのちに、考古学研究所の研究員と調査方針に関する打合せを実施し、サマルカンド近郊に所在する古代のオアシス都市遺跡であるカフィル・カラ遺跡の市街地エリアの発掘調査を実施した。成果としては、昨年度までの調査で明らかとなっていた大型建物(大ホール)から南に続く通路の先に二つの部屋を確認し、アフラシアブの「大使ホール」として知られるバルフマン王の宮殿とも類似する大ホールの特徴的な構造に加え、本年度発掘された二つの部屋も含めた大型建物全体の構造の一端を明らかにすることができた。
そして、それらの成果を、日本西アジア考古学会主催の『第31回 西アジア発掘調査報告会』において、協定先機関所属の研究者との連名で口頭発表をおこなった。またその発表内容に関しては、『第31回西アジア発掘調査報告会報告集 -令和5年度考古学が語る古代オリエント-』として刊行されている。
10月には、名古屋大学で開催された国際セミナー『ウズベキスタンの考古遺物の保存と公開に向けた取り組み』(名古屋大学最先端国際研究ユニット「文化遺産と交流史のアジア共創ユニット」/名古屋大学人文学研究科附属文化遺産テクスト学研究センターの共催)において、「サマルカンド南東カフィル・カラ遺跡の発掘調査と、出土遺構の保存・活用」という題目で研究講演を行ない、出土した建物遺構やゾロアスター教関連の木彫板の保存と活用などについて、研究者間でのディスカッションを通じて、古代の人々の暮らしや宗教観に関する議論を深めることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、サマルカンド考古学研究所と国立民族学博物館との協定の締結に加え、カフィル・カラ遺跡での発掘調査において重要な建物遺構の構造を把握できたこと、またそれらの調査成果を関連学会において発表することができたことなどから、おおむね順調に進展していると評価している。

今後の研究の推進方策

令和5年度に引き続き、現地の気候の良い8月後半~9月頃にかけての約3週間の予定で、サマルカンド考古学研究所と協働し日本・ウズベク共同調査隊を組織したうえでカフィル・カラ遺跡の発掘調査をおこなう。
具体的には、昨年度に実施した市街地エリアでの調査を継続する。さらに、遺跡内の未発掘箇所(城塞周辺部や墓地)をトレンチ調査することで、その他の宗教関連資料のより詳細な情報を得ることを目指す。さらには、現地の博物館等での宗教関連資料の収集調査を実施する予定であり、現地研究者とも議論しながら研究を進める。
また、日本に帰国後は、現地で得られた情報をデータ化しGISを用いた分析をおこない、科研費の研究分担者の間で分析結果の共有、ならびにデスカッションを通じて検討を進める。発掘調査成果に関しては、日本西アジア考古学会や情報考古学会等の関連学会での口頭発表・ポスター発表や、調査研究成果として学会誌への論文投稿を予定している。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] サマルカンド考古学研究所/ウズベキスタン科学アカデミー 民族考古学研究センター/サマルカンド国立大学(ウズベキスタン)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] ソグド王離宮を掘る ―ウズベキスタン共和国カフィル・カラ遺跡(シャフリスタン地区)2023年度発掘調査―2024

    • 著者名/発表者名
      寺村裕史,宇野隆夫,村上智見,ベグマトフ・アリシェル,ベルディムロドフ・アムリディン,ボゴモロフ・ゲンナディー,サンディボエフ・アリシェル,末森薫,押鐘浩之
    • 雑誌名

      第31回 西アジア発掘調査報告会報告集―令和5年度 考古学が語る古代オリエント―

      巻: 31 ページ: 117-121

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] ソグディアナの都市を探る ―ウズベキスタン共和国クルドル・テパ遺跡発掘調査(20223年度)―2024

    • 著者名/発表者名
      村上智見,ベグマトフ・アリシェル,サンディボエフ・アリシェル,マハマディエフ・ガイラット,アリモフ・ナヴルズ,ベルディムロドフ・アムリディン,寺村裕史,宇野隆夫,末森薫,押鐘浩之
    • 雑誌名

      第31回 西アジア発掘調査報告会報告集―令和5年度 考古学が語る古代オリエント―

      巻: 31 ページ: 112-116

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] ソグディアナの都市を探る ―ウズベキスタン共和国クルゴン・テパ遺跡発掘調査(20223年度)―2024

    • 著者名/発表者名
      村上智見,ベグマトフ・アリシェル,サンディボエフ・アリシェル,マハマディエフ・ガイラット,アリモフ・ナヴルズ,寺村裕史,宇野隆夫
    • 雑誌名

      第31回 西アジア発掘調査報告会報告集―令和5年度 考古学が語る古代オリエント―

      巻: 31 ページ: 150-154

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ソグド王離宮を掘る ―ウズベキスタン共和国カフィル・カラ遺跡(シャフリスタン地区)2023年度発掘調査―2024

    • 著者名/発表者名
      寺村裕史,宇野隆夫,村上智見,ベグマトフ・アリシェル,ベルディムロドフ・アムリディン,ボゴモロフ・ゲンナディー,サンディボエフ・アリシェル,末森薫,押鐘浩之
    • 学会等名
      日本西アジア考古学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ソグディアナの都市を探る ―ウズベキスタン共和国クルドル・テパ遺跡発掘調査(20223年度)―2024

    • 著者名/発表者名
      村上智見,ベグマトフ・アリシェル,サンディボエフ・アリシェル,マハマディエフ・ガイラット,アリモフ・ナヴルズ,ベルディムロドフ・アムリディン,寺村裕史,宇野隆夫,末森薫,押鐘浩之
    • 学会等名
      日本西アジア考古学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ソグディアナの都市を探る ―ウズベキスタン共和国クルゴン・テパ遺跡発掘調査(20223年度)―2024

    • 著者名/発表者名
      村上智見,ベグマトフ・アリシェル,サンディボエフ・アリシェル,マハマディエフ・ガイラット,アリモフ・ナヴルズ,寺村裕史,宇野隆夫
    • 学会等名
      日本西アジア考古学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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