| 研究課題/領域番号 |
23K25405
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| 補助金の研究課題番号 |
23H00708 (2023)
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
小区分03070:博物館学関連
合同審査対象区分:小区分03060:文化財科学関連、小区分03070:博物館学関連
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| 研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮田 佳樹 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (70413896)
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| 研究分担者 |
小林 青樹 奈良大学, 文学部, 教授 (30284053)
白石 哲也 山形大学, 学士課程基盤教育院, 准教授 (60825321)
久保田 慎二 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部附属国際人文社会科学研究センター, 准教授 (00609901)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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| キーワード | 脂質分析 / バイオマーカー / 分子レベル炭素同位体組成 / 土器付着炭化物 / ミリアシン / 土器 / キビ / SIM法 / 分子レベル炭素同位体 / 水棲動物 / 弥生時代 / 食性解析 / APAAs |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、土器残存脂質に含まれる「ミリアシン(キビのバイオマーカー)」、「イソプレノイド類(水棲生物のバイオマーカー)」、アルキルフェニルアルカン酸(APAAs)などの各種バイオマーカーの時空間変動をマッピングすることによって、日本列島における縄文弥生境界期以降のイネ・キビ・アワなどの大陸性栽培穀物の伝播と灌漑水田稲作の受容、それに伴う水棲、陸棲資源利用の様相を総合的に明らかにすることである。したがって、煮炊きに用いた土器を列島の各地域で、通時的に分析することができれば、「キビ」を含む大陸系穀物と「水棲(陸棲)動物」利用の変遷を議論し、確からしい弥生像を再構築することができる。
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| 研究実績の概要 |
本研究は、土器残存脂質に含まれる「ミリアシン(キビのバイオマーカー)」、「イソプレノイド類(水棲生物のバイオマーカー)」、「アルキルフェニルアルカン酸(APAAs)」などの各種バイオマーカーの時空間変動をマッピングすることによって、日本列島における縄文弥生境界期以降のイネ・キビ・アワなどの大陸性栽培穀物の伝播と灌漑水田稲作の受容、それに伴う水棲、陸棲資源利用の様相を総合的に明らかにすることである。したがって、煮炊きに用いた土器を列島の各地域で、通時的に分析することができれば、「キビ」を含む大陸系穀物と「水棲(陸棲)動物」利用の変遷を議論し、確からしい弥生像を再構築することができる。さらに、異なるプロセスで雑穀栽培を開始した北海道の土器残存脂質分析結果と比較することで、弥生文化における大陸性穀物の導入を日本列島全体の状況から総合的に検討する。 選択的にイオンを検出するSelected Ion Monitoring(SIM)法を従来使用していたTotal Ion Chromatogram(TIC)法と併用することにより、TIC法と比べて10 倍以上高感度に、目的のバイオマーカーを同定することが可能になった。 例えば、弥生時代前期の屋敷平遺跡(山梨県北杜市)、弥生時代後期の白岩遺跡(静岡県菊川市)やオホーツク文化刻文期以降の美岬6遺跡(北海道網走市)などの土器を用いて、キビなどの雑穀、(淡水や海産などの)魚介類などの水棲動物利用の状況を土器残存脂質から詳細に検討できるようになった。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題は、以下の点から、おおむね順調に進展していると判断される。 1)昨年度に実施したガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)による分析手法の改良により、従来用いていたTIC法に加えて、特定の質量電荷比(m/z)を持つフラグメントイオンのみを検出するSIM法を併用できるようになった。その結果、特に雑穀のキビや水棲動物のマーカーであるイソプレノイド類やアルキルフェニルアルカン酸など、各種バイオマーカーの検出頻度が向上した。 2)この改良により、数年前の分析では検出できなかった微量のミリアシンなどのバイオマーカーが、現在では同一試料を再測定することで検出可能となっている。これにより、従来は圧痕法によって雑穀(キビなど)の存在が指摘されてきた時期・地域の遺跡から出土した土器を対象に、微量のミリアシンなど各種バイオマーカーの検出状況を検討し、圧痕法の結果と比較・検証することが可能となった。これにより、土器残存脂質分析手法の有効性を実証的に確認できる段階に至った。 3)これらの成果を踏まえ、イラン北部の青銅器時代~鉄器時代(約3500~2500年前)の墓から発掘された土器の用途を調査し、それらが食肉(スープ)、ミルク、植物油などの容器として用いられていたことを明らかにした。当時の葬送儀礼の内容を考古科学的に解明した初の研究成果として、PLOS ONE誌に発表した(Casanova et al., 2024)。 以上のことから、今後の本研究課題においては、適切な土器試料を選定することで、土器残存脂質分析を通じて十分な成果が期待される。
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| 今後の研究の推進方策 |
最適化されたSIM法を従来のTIC法と併用することにより、GC-MSによるバイオマーカー解析の精度が向上した。この手法を活用し、従来の対象遺跡に加えて以下の遺跡を中心に分析・解析を継続し、これまでの成果を論文としてまとめるとともに、キビおよび水棲動物利用の分布マップ作成を進めていく。 1)縄文・弥生境界期から弥生・古墳時代にかけての、キビ・アワなどのC4植物および水棲(陸棲)動物資源の利用の初現と画期の確認 対象とするのは、平等坊遺跡・岩室遺跡(奈良県天理市)、服部遺跡・下之郷遺跡(滋賀県守山市)、雲ノ宮遺跡(京都府長岡市)、登呂遺跡・白岩遺跡(静岡県静岡市・菊川市)、屋敷平遺跡・下フノリ平遺跡(山梨県北杜市)、鹿児島大学構内遺跡(鹿児島県鹿児島市)など、弥生・古墳時代の遺跡である。これらのデータを、奈良盆地の唐古・鍵遺跡において観察された弥生中期前~中葉(Ⅱ~Ⅲ様式)の画期と比較するとともに、中部・関東・東北など他地域の弥生・古墳時代の水田遺跡とも比較し、本研究手法が弥生農耕文化の実態を捉える新たな指標として有効かどうかを検討する。 2)北海道における雑穀栽培の開始過程の検討 北海道では、本州とは異なるプロセスにより雑穀栽培が開始されたと考えられている。そこで、同地域の土器から得られるバイオマーカー分析の結果を本州の事例と比較することにより、弥生文化における大陸性穀物の導入過程を、より包括的に検討する。
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