研究課題/領域番号 |
23K25417
|
補助金の研究課題番号 |
23H00720 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
小区分03070:博物館学関連
合同審査対象区分:小区分03060:文化財科学関連、小区分03070:博物館学関連
|
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
末森 薫 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 准教授 (90572511)
|
研究分担者 |
安室 喜弘 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (50335478)
石津 智大 関西大学, 文学部, 教授 (50726669)
正垣 雅子 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (90749441)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
|
キーワード | 宗教空間 / 視覚芸術 / 壁画再現 / 心理実験 / 薄明視 / 薄明空間 / 仮想空間 / 再現模写 / 認知実験 |
研究開始時の研究の概要 |
燃焼光で照らされた薄暗い空間において、さまざまな色彩が用いられた視覚芸術がどのような役割を果たしているかを科学的に検証することを目的として、①3次元技術と模写による再現洞窟空間モデルの制作、②分光画像計測による洞窟空間の色情報および燃焼光の分光特性の取得、③色情報と光環境を実装した仮想再現空間の構築、④脳神経科学による仮想再現空間の評価、の4つの項目を軸に研究を展開し、洞窟の光環境が視覚芸術の創造に及ぼす影響や、視覚芸術で彩られた宗教空間における体験が人びとの精神・神経活動にもたらす意味を考察する。
|
研究実績の概要 |
本課題では、蝋燭などの燃焼光で照らされた薄暗い空間において、多色を用いる視覚芸術を人がどう創造し、またどう認知したのかを科学的に検証することを目的に研究を進めている。研究開始年となる2023年度には、光源特性によって見え方がどう変わるかを検証することを目的とする心理実験を計画し、パイロットとなる心理実験を実施した。分担者の正垣が制作した再現壁画を刺激とし、色温度を調整できる光源を変数として、質問形式による心理評価データおよび視線計測データを取得した。そして、分担者の石津と代表者の末森を中心に実験結果の解析・検証を進めた。本結果について、2024年度の日本心理学会第88回大会(2024年9月、熊本)にて発表を予定する。 また、3次元技術と模写を用いて仮想的な洞窟空間モデルを制作するために、分担者の安室を中心としてゲームエンジンを用いた仮想空間の構築を進め、色彩再現した壁画から取得した色情報を仮想空間内に実装するプログラムを開発した。本成果について、情報処理学会第86回全国大会(2024年3月、神奈川)にて発表をおこなった。 その他、分担者の正垣と代表者の末森は、敦煌莫高窟および安西楡林窟において壁画の技法・材料に関する目視観察調査を実施した(2023年9月、中国甘粛省)。また、空間の3次元情報と壁画が有する色情報など複数の情報を組み合わせて模写をおこなう方法を検討し、正面から捉えることが難しい壁画を対象として3次元データから出力したオルソ画像を用いた模写制作を進めた。本成果について、文化財保存修復学会第45回大会(2023年6月、大阪)にて発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査にて3次元データの取得をおこなう予定であったが、機器の納品が遅れたため実施が適わなかった。その他はおおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
パイロットで実施した心理実験の結果を詳細に検証し、今後の実験計画を策定する。また、実験で用いる刺激として、大画面の再現壁画の制作、光環境および色情報を実装する仮想空間の構築を進めていく。また、2023年度に実施できなかった現地調査における絵画技法・材料の分析、3次元データの取得を実施する。
|