研究課題/領域番号 |
23K25418
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補助金の研究課題番号 |
23H00721 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀 和明 東北大学, 理学研究科, 教授 (70373074)
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研究分担者 |
田村 亨 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (10392630)
中西 利典 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 准教授 (10462582)
石井 祐次 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (60831477)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2023年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 氾濫原 / アバルション / 蛇行流路 / 年代測定 |
研究開始時の研究の概要 |
沖積低地の氾濫原では、既存の河道から流れが分岐して新たな河道が生じ、既存の河道が放棄されるアバルションと呼ばれる現象がみられる。しかし、新旧の河道やそれに沿って分布する自然堤防やクレバススプレーといった砂質堆積物からなる地形の形成年代の決定が進んでおらず、氾濫原の形成過程を解明する上で大きな課題となっている。本研究では、アバルションに着目し、氾濫原を構成する地形とくに砂質堆積物からなる流路帯が、いつ、どのくらいの速度で形成されたのか、また、アバルションが氾濫原形成に果たす役割を解明し、氾濫原形成に対する理解を深めたい。
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研究実績の概要 |
沖積低地の氾濫原では、既存の河道から流れが分岐して新たな河道が生じ、既存の河道が放棄されるアバルションと呼ばれる現象がみられる。しかし、新旧の河道やそれに沿って分布する自然堤防やクレバススプレーといった砂質堆積物からなる地形の形成年代の決定が進んでおらず、氾濫原の形成過程を解明する上で大きな課題となっている。 今年度は、阿武隈川や保倉川の下流域を対象として、国土地盤情報検索サイト「KuniJiban」や国や自治体などの関係機関から土質柱状図を収集した。これらの柱状図の解析を通して、氾濫原を構成する堆積物の分布の特徴を把握することができた。現地調査を頻繁に実施し、地形の特徴を把握した上で、旧河道およびその周辺におけるコア堆積物の採取地点を確定した。阿武隈川および保倉川の旧流路およびその周辺において、オールコアボーリングを実施し、前者においては掘進長10 mのコア堆積物を4本、後者においては掘進長15-20 mのコア堆積物を6本採取した。コア堆積物については、室内において半裁、観察後、写真撮影や色調、かさ密度、帯磁率の測定をおこない、堆積物の特徴を明らかにすることができた。阿武隈川においては、河道堆積物の下位に上部外浜や下部外浜を構成すると考えられる堆積物がみられた。保倉川においては流路帯(チャネルベルト)と後背低地との間で層相に大きな差異が認められた。 また、保倉川においては国に保管されていた試・資料を入手し、堆積物の放射性炭素年代測定をおこなって堆積年代を把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、保倉川および阿武隈川の旧流路およびその周辺において、多数のオールコアボーリングを実施することができたため。また、国や自治体に保管されていた試・資料、とくに保倉川では、当初想定していたよりも、多くの試料を入手することができ、試料に含まれていた有機物の放射性炭素年代測定を進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
保倉川で採取したコア堆積物や既存試料について、粒度や強熱減量などを測定した上で、詳細な記載をおこなう。また、OSL年代測定や放射性炭素年代測定をおこなう試料を吟味し、年代測定を進める。これらのデータにもとづいて、氾濫原を構成する地形とくに砂質堆積物からなる流路帯が、いつ、どのくらいの速度で形成されたのかを考察していく。次年度以降にコア堆積物を採取する地点についても検討していく。
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