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高精細地表情報を用いた植生景観の定量的把握と土砂災害脆弱性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 23K25422
補助金の研究課題番号 23H00725 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分04010:地理学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

齋藤 仁  名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00709628)

研究分担者 伊藤 千尋  九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (00609662)
手代木 功基  金沢大学, 学校教育系, 准教授 (10635080)
内山 庄一郎  国立研究開発法人防災科学技術研究所, マルチハザードリスク評価研究部門, 主任専門研究員 (30507562)
早川 裕弌  北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (70549443)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2026年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
キーワード地すべり / 土砂災害 / 植生景観 / 高精細地形 / ドローン / 斜面崩壊
研究開始時の研究の概要

地球温暖化に伴い激甚化する土砂災害への対応は、焦眉の急である。近年急速に技術革新が進むドローンとレーザースキャナ、ハイパースペクトルカメラ等は、地表3次元情報と植生生理特性を観測でき、土砂災害と地形・植生との関係性を分析する強力な手段となる。本研究では、学際的な研究体制を敷き、1)ドローン、レーザースキャナ、ハイパースペクトルカメラ等による高精細地表情報の観測、2)過去の土地利用履歴を踏まえた植生景観の定量化と土砂災害履歴に関するデータベースの構築、3)地形・植生景観と土砂災害との関係の深層学習を進め、4)土砂災害脆弱性の評価を達成する。

研究実績の概要

熊本県の阿蘇山を主要な研究対象地域として選定し研究を開始した。2023年度の研究実績の概要は以下の通りである。
1.2012年九州北部豪雨と2016年熊本地震に伴う斜面崩壊跡地と周辺の草原を、現地調査、ドローン、航空レーザーデータにより調査・分析するとともに、ハイパースペクトルカメラによる予察的観測を実施した。その結果、過去の崩壊の有無により異なる草原の状態がスペクトル情報として得られる可能性が示唆された。
2.阿蘇山の草原植生に着目し、植生景観の変化の実態と背景を検討した。その結果、阿蘇地域全域では草原が減少して森林に変化していること、森林化が谷沿いで生じていることが明らかになった。牧野利用者が採草地として選好する場所は植生が周囲と異なる傾向がみられた。
3.牧野利用の変遷や、住民の牧野に関する様々な認識や経験を調査した。結果、研究対象とした牧野組合についても、入会権者数が減少していた。また牧野の一部は、近年の豪雨と地震とによる斜面崩壊により放牧や野焼きが困難となった。その後、保全団体の支援を受け、一部区画では野焼きが再開された。このような開発や保全などに影響を受けながら、また自然災害という突発的な事象に作用されながら、牧野の土地利用は変容してきたことが明らかとなってきた。
4.日本地理学会2024年春季学術大会でシンポジウムを開催し、上記の研究成果を発表するとともに、今後の研究の方向性を議論した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.現地調査とドローンによる調査とともに、ハイパースペクトルカメラによる予察的観測ができたため。
2.牧野利用と斜面崩壊、住民の認識との関係の調査も順調に進んだため。
3.研究成果を日本地理学会2024 年春季学術大会で発表したため。

今後の研究の推進方策

1.ドローン測量とハイパースペクトルカメラによる観測を本格的に実施し、斜面崩壊地の特徴や崩壊跡地の植生の特徴を検討する。
2.牧野組合への聞き取り調査を継続し、過去の開発や災害と牧野・草原の維持との関係を検討する。
3.衛星画像、空中写真、高精細地理情報も活用し、アンダーユースが進む牧野・草原の変遷と斜面崩壊発生との関係を分析し、崩壊の起こりやすさと土地利用との関係を検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 高精細地理情報を用いた斜面崩壊と植生景観に関する研究2024

    • 著者名/発表者名
      齋藤 仁・内山庄一郎・手代木功基・伊藤千尋・早川裕弌
    • 学会等名
      日本地理学会2024年春季学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 高精細多層地表情報を用いた景観をまたぐ相互接続性の解明に向けて2024

    • 著者名/発表者名
      早川 裕弌
    • 学会等名
      日本地理学会2024年春季学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 阿蘇の植生変化から考えるジオコネクティビティ2024

    • 著者名/発表者名
      手代木 功基
    • 学会等名
      日本地理学会2024年春季学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 阿蘇の草原に刻まれたつながりの痕跡をたどる―多様な「人と自然」の在り方をつなぐための超学際研究に向けて―2024

    • 著者名/発表者名
      伊藤千尋
    • 学会等名
      日本地理学会2024年春季学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 高精細多層地表情報の活用による防災減災の実現に向けて2024

    • 著者名/発表者名
      内山庄一郎
    • 学会等名
      日本地理学会2024年春季学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Evaluation of sediment production processes in a large landslide using multi-sensor high-precision uncrewed aerial systems2023

    • 著者名/発表者名
      Hayakawa, Y.S., Imaizumi, F., Nishii, R.
    • 学会等名
      2nd International Sustainable Mountain Development and Tourism Conference
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Promoting sustainable disaster risk reduction through the dissemination of knowledge on natural hazards and human history in the Kayseri region2023

    • 著者名/発表者名
      Hayakawa, Y.S., Okumura, K., Kontani, R., Yamaguchi, Y., Kulakoglu, F.
    • 学会等名
      International Association of Geomorphologists (IAG) Regional Conference of Geomorphology Cappadocia 2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Assessing geoecological changes in mountain watersheds after coseismic landslides in Atsuma, Hokkaido, Japan.2023

    • 著者名/発表者名
      Hayakawa, Y.S., Lo, T., Zulhilmi, A., Yu, X., Wang, X., Hayamizu, M.
    • 学会等名
      The 4th Badong International Geohazards Symposium
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 多次元高精細地表情報(MHESD)の地球科学・歴史考古学における高度利活用2023

    • 著者名/発表者名
      早川裕弌・齋藤 仁・小倉拓郎
    • 学会等名
      JHPCN: 学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点第15回シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 地形鮮明化プロジェクト

    • URL

      https://www.hdtopography.org/index

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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