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現代アジア・オセアニアにおける他者への想像力と歓待の実践知に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K25435
補助金の研究課題番号 23H00738 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分04030:文化人類学および民俗学関連
研究機関東京都立大学

研究代表者

河野 正治  東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (20802648)

研究分担者 奈良 雅史  国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 准教授 (10737000)
山崎 真之  和洋女子大学, 国際学部, 助教 (10882772)
田本 はる菜  成城大学, 文芸学部, 専任講師 (20823800)
佐本 英規  筑波大学, 人文社会系, 助教 (60822749)
川瀬 由高  江戸川大学, 社会学部, 講師 (60845543)
李 セイ  東京都立大学, 人文科学研究科, 専門研究員 (91001262)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2026年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
キーワード歓待 / 他者認識 / アジア・オセアニア / 海域島嶼地域 / 同時代性
研究開始時の研究の概要

東アジアや東南アジアを見据える海域島嶼地域(台湾・ミクロネシア・メラネシア)は、歴史的に雑多な人々が流入してきたフロンティアであり、それゆえに来訪者をめぐる独自の想像力と異人歓待にかかわる在来知も洗練されてきた。他方、中国の台頭をはじめとする21世紀の新たな国際秩序とコロナ禍による人流制限のもとで、この地域独自の他者認識のあり方に変化が生じていることも想像に難くない。本研究の目的は、こうした当該地域の現代的でアクチュアルな状況に焦点を当て、外部からの来訪者がどのような存在として再イメージ化され、彼らがいかに迎え入れられているのかを、歓待をめぐる比較民族誌的な事例研究として解明することである。

研究実績の概要

2023年度は5月21日と3月2日~3月3日の計2回、合計3日間の研究会を実施した。5月21日開催の初回研究会では、河野が本科研プロジェクトの趣旨・目的・成果公開の方法、さらには歓待の人類学と海域アジア・オセアニア研究の最新の動向について発表したうえで、その他のメンバーが今後の研究計画について報告した。とりわけ、海域アジア・オセアニア島嶼地域における2010年度の国際関係の顕著な動向としての中国の海洋進出を念頭に置いたうえで、生活者の視点に即した他者認識と歓待実践をいかにして掬い取ることができるのかという点を、共同研究の中核課題にすることが確認された。
そのうえで、メンバー各自が大学の夏季休暇などを利用して調査研究を実施した。具体的には、河野がミクロネシア連邦における中国の海洋進出と土着の儀礼実践について、奈良が台湾における古参ムスリムとインドネシア人ムスリムの関係性について、田本が台湾における原住民と博物館との関係性について、川瀬が台湾の宜蘭県における漢人コミュニティと外部者との関係について、佐本がソロモン諸島の日系人コミュニティにおける自他認識について、山崎が鹿児島の与論島における地元住民と観光客の関係について、それぞれ調査を行った。
3月2日と3月3日に開催した研究会では、メンバー全員が実地調査にもとづく成果を口頭発表し、今後の方針に沿った相互コメントと行うとともに、今後の研究計画について報告した。さらに、最終成果公表物としての論文集の内容についても意見交換を行い、論文集の大まかな構成と執筆候補者について情報共有を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は2度の研究会を実施し、共同研究の方向性と成果公表までの道筋を確認したうえで、各自が調査研究と文献研究を進めた。それにより、議論の深化も見られたので、1年目としてはまずまずのスタートを切ることができたと考えている。2024年度以降には徐々に研究成果を公表していきたい。

今後の研究の推進方策

2024年度は2回の研究会(6月頃と2月頃)を実施予定で、いずれも外部からのゲスト講演を交えた研究会になる見通しである。加えて、夏季休暇を中心に各自が調査研究を行い、本科研の趣旨に沿ったデータ収集を継続する。また、歓待研究と海域アジア・オセアニア研究の双方に関して、隣接分野からの新たな研究成果が公表されていることから、必要に応じて読書会等の検討会を行うなど、最新の研究動向をフォローする。2025年2月頃に開催予定の研究会では、研究成果の共有と論点の整理を行い、最終成果公表物としての論文集のタイトルや構成、執筆スケジュール等について話し合う予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (32件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 4件、 査読あり 2件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 4件、 招待講演 6件) 図書 (7件)

  • [雑誌論文] 儀礼経済の複雑性を捉えるために―ミクロネシアにおける文化人類学と数理生物学の協働の試み2024

    • 著者名/発表者名
      河野正治・中丸麻由子
    • 雑誌名

      日本オセアニア学会NEWSLETTER

      巻: 138 ページ: 30-41

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 新聞広告にみる小笠原諸島のクルーズ船観光と観光地イメージ2024

    • 著者名/発表者名
      山崎真之
    • 雑誌名

      和洋女子大学紀要

      巻: 65 ページ: 171-182

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 台湾先住民セデックと三つの織り機2024

    • 著者名/発表者名
      田本はる菜
    • 雑誌名

      季刊民族学

      巻: 48 ページ: 96-104

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 世帯間の贈与交換にみる消費の論理と倫理―ポーンペイ島におけるクリスマスプレゼントの事例から2023

    • 著者名/発表者名
      河野正治
    • 雑誌名

      日本オセアニア学会NEWSLETTER

      巻: 136 ページ: 1-14

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] オーセンティシティを成形する : 台湾における先住民の織りと文化創意産業の事例から2023

    • 著者名/発表者名
      田本はる菜
    • 雑誌名

      文化人類学

      巻: 88(3) ページ: 486-504

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 中華とイスラームのはざまで:現代中国を生きる回族2023

    • 著者名/発表者名
      奈良雅史
    • 雑誌名

      季刊民族学

      巻: 186 ページ: 80-87

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 先住民の伝統知識と持続的発展:台湾の取り組みから2024

    • 著者名/発表者名
      田本はる菜
    • 学会等名
      東京都市大学世界展開力強化事業 第2回シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 異なる負債の論理が延伸されるときーミクロネシア連邦ポーンペイ島における「負うこと」の多元性と交錯する諸概念2023

    • 著者名/発表者名
      河野正治
    • 学会等名
      日本文化人類学会第57回研究大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 硬直した政治権威と生まれゆくヴァナキュラーなもの―ミクロネシア人類学から考える「伝統政治」と民衆の想像力/創造力2023

    • 著者名/発表者名
      河野正治
    • 学会等名
      現代民俗学会第70回研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] クルーズ船観光と小笠原観光2023

    • 著者名/発表者名
      山崎真之
    • 学会等名
      言語表象科学研究会第5回研究発表
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Ecotourism with a focus on Ogasawara/Bonin islands: Once an ”uncivilized” frontier, now a refreshed ecological contact zone2023

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Yamazaki
    • 学会等名
      Praxis in Global Liberal Arts "Japan and the Pacific Ocean", The University of Tokyo
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 「読めない布」から「読む布」へ?:台湾先住民と布装飾の視覚言語化をめぐって2023

    • 著者名/発表者名
      田本はる菜
    • 学会等名
      成城大学民俗学研究所所員例会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 読まない文字を織り込む:戦後国民党統治下の山地と布装飾の変容(織入不做解釋的文字:戰後國民黨統治下的山地與布織裝飾的變化)2023

    • 著者名/発表者名
      田本はる菜
    • 学会等名
      第16回台日原住民族研究フォーラム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 知識を囲い込みながら開く:台湾先住民の知的財産とオープンソース化2023

    • 著者名/発表者名
      田本はる菜
    • 学会等名
      慶應義塾大学東アジア研究所創立20周年記念公開シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 台灣原住民族編織工藝中 「文字織紋」再探討2023

    • 著者名/発表者名
      田本はる菜
    • 学会等名
      川流與溯源:2023 年政治大學USR 永續發展國際研討會
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 趣旨説明 あらためて『亀山島』を読むために2023

    • 著者名/発表者名
      川瀬由高
    • 学会等名
      南山大学人類学研究所第3回公開シンポジウム「王崧興『亀山島』と漢人社会研究」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 『亀山島』と「関係あり、組織なし」2023

    • 著者名/発表者名
      川瀬由高
    • 学会等名
      南山大学人類学研究所第3回公開シンポジウム「王崧興『亀山島』と漢人社会研究」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 慕わしい分離、煩わしい愛着—ソロモン諸島アレアレにおける在来音楽の吹き手がとらえとらわれるもの2023

    • 著者名/発表者名
      佐本英規
    • 学会等名
      日本文化人類学会第57回研究大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 現代ソロモン諸島におけるミックスと先住性の諸相2023

    • 著者名/発表者名
      佐本英規
    • 学会等名
      国立民族学博物館共同研究会「ミックスをめぐる帰属と差異化の比較民族誌―オセアニアの先住民を中心に」第5回研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 宗教・民族を越えた共在:国際貿易都市・浙江省義烏市 におけるムスリムを中心に2023

    • 著者名/発表者名
      奈良雅史
    • 学会等名
      奈良シニア大学一般教養講座
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 現代中国における「イスラーム復興」2023

    • 著者名/発表者名
      奈良雅史
    • 学会等名
      2023年度慶応義塾大学東アジア研究所講座「歴史のなかの中国社会:疎外と連帯」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Surviving Secularism in China: A Case Study of Islamic Practices by Hui Muslims2023

    • 著者名/発表者名
      奈良雅史
    • 学会等名
      The 37th Biennial ISSR (International Society for the Sociology of Religion) Conference
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 台湾における草の根的 ムスリム・ネットワークの展開2023

    • 著者名/発表者名
      奈良雅史
    • 学会等名
      慶応義塾大学東アジア研究所創立20周年記念公開シンポジウム「東アジアの歴史と現在—その動態的把握―」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Emergence and Ambiguity of Intra-Muslim Boundaries: Everyday Life among Hui Muslims in Kunming, Yunnan Province2023

    • 著者名/発表者名
      奈良雅史
    • 学会等名
      International Workshop "Islamic Sectarianism in China"
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 中華とイスラームの交差からみる東アジア2023

    • 著者名/発表者名
      奈良雅史
    • 学会等名
      東アジア人類学研究会20周年記念シンポジウム 「東アジア人類学のこれからを考える」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 『記憶と歴史の人類学―東南アジア・オセアニア島嶼部における戦争・移住・他者接触の経験』(風間計博・丹羽典生編「西洋人にルーツを求める系譜語り―ミクロネシア連邦ポーンペイ島の親族関係にみる他者接触と史実性」を分担執筆)2024

    • 著者名/発表者名
      河野正治
    • 総ページ数
      370
    • 出版者
      風響社
    • ISBN
      9784894893559
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 『そして私も音楽になった:サウンド・アッサンブラージュの人類学』(小西公大編「媒介、愛着、継承―ソロモン諸島アレアレにおける在来楽器アウをめぐって」を分担執筆)2024

    • 著者名/発表者名
      佐本英規
    • 総ページ数
      321
    • 出版者
      うつつ堂
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 『中国民族誌学―100年の軌跡と展望』(河合洋尚・奈良雅史・韓敏編、「宗教―制度宗教をめぐるポリティックスとグローバルな連関」を分担執筆)2024

    • 著者名/発表者名
      奈良雅史
    • 総ページ数
      435
    • 出版者
      風響社
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 『中国民族誌学―100年の軌跡と展望』(河合洋尚・奈良雅史・韓敏編、「「文明の人類学」をめぐる一試論」を分担執筆)2024

    • 著者名/発表者名
      河合洋尚・奈良雅史
    • 総ページ数
      435
    • 出版者
      風響社
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 『世界の冠婚葬祭事典』(川田牧人・松田素二編「ミクロネシア(ポーンペイ)」を分担執筆)2023

    • 著者名/発表者名
      河野正治
    • 総ページ数
      454
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621308417
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 『慶應義塾大学教養研究センター設置科目「生命の教養学」2023年度講義記録』(慶應義塾大学教養研究センター編。「歓待の罠と贈与のモラル――中国農村の日常生活の場面から」を分担執筆)2023

    • 著者名/発表者名
      川瀬由高
    • 総ページ数
      24
    • 出版者
      慶應義塾大学教養研究センター
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 『世界の冠婚葬祭事典』(川田牧人・松田素二編「中国(回)」を分担執筆)2023

    • 著者名/発表者名
      奈良雅史
    • 総ページ数
      454
    • 出版者
      丸善出版
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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