研究課題/領域番号 |
23K25443
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補助金の研究課題番号 |
23H00746 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阿毛 香絵 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 助教 (90876351)
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研究分担者 |
秦 兆雄 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (00260109)
島薗 進 大正大学, 地域構想研究所, 客員教授 (20143620)
山下 博司 東北大学, 国際文化研究科, 名誉教授 (20230427)
浜本 満 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (40156419)
飛内 悠子 盛岡大学, 文学部, 教授 (40773411)
樫尾 直樹 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (50233698)
Sacko Oussouby 京都精華大学, 国際文化学部, 教授 (70340510)
野中 葉 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (70648691)
丹羽 充 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 講師 (70926922)
梅屋 潔 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80405894)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2026年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 宗教性 / アフリカ・アジア / 文化人類学 / 下からの政治 / 比較研究 / 共同研究 / アフリカアジア比較 / 宗教性のターミノロジー / 現代社会と宗教 / 霊性文化 / スピリチュアリティ文化 / 宗教 / 政治プラクティス / ミクロ・ポリティック |
研究開始時の研究の概要 |
近代化以降のアフリカ・アジアでは国民国家や民主主義、政教分離や自由主義経済といった西洋的な政治・経済システムが一般化されてきたが、同時に日常生活空間に根付いた「実践宗教」が相互扶助など「下から」の政治実践を醸成してきた。本研究はアフリカ・アジアの異なる事例において宗教がどのように「下から」の政治プラクティスを作り上げてきたか、また媒介実践や政治システムを通じてそれがどのようにミクロな政治に関連しているかについて文化人類学的手法を用いた比較研究を行う。従来の政治学や社会学が前提としてきた西洋的な枠組を超え、アフリカ・アジアに発する普遍的かつアルタナティブな社会システム理解を提起することを目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は定期的に研究会を行い、調査結果の報告と議論を行った。 ■定例勉強会(ワークショップ) 2023年6月17日に開催した勉強会「アジア・アフリカ比較の視座へ向けて」では、第1部に宗教性と政治的領域-先行研究の検討について、樫尾がアジアの先行研究について「政治的霊性」という観点から発表を行い、阿毛はアフリカにおけるla politique /le Politiqueの領域と「媒介実践」―呪術・祈り・エージェント―について議題提起した。島薗(大正大学) 浜本(一橋大学)をコメンテーターとしたディベイトを行い、第2部では、研究テーマと方向性の検討をテーマにテーマグループごとに議論した。1・国家と「世俗的政治領域」における宗教性、2・日常的宗教性と「下からの」政治実践、3・受け入れ社会におけるマイノリティ宗教、という3つのテーマについてディスカッションし、研究の今後の方向性を検討した。 上記の前期勉強会での議論を経て、研究分担者それぞれのフィールドにおける宗教性に関するターミノロジー比較の議論が必要だということが明らかになり、11月19日、12月3日、2024年1月20日の3階に分けて、アフリカ、アジアのそれぞれのフィールド(日本、インド、インドネシア、ネパール、ケニア、ウガンダ、コートジボワール、マリ)ににおける宗教性に関するターミノロジー比較の議論を行った。 ■ 国内外調査…今年度はセネガル、コートジボワール、フランス(樫尾・阿毛)、インド(山下)が、主な海外調査を行ったほか、国内調査(島薗、阿毛、野中)がそれぞれフィールド調査を進めている。 ■文献調査・関連先行研究…これまでの宗教・政治に関する多様な先行研究を検証し、それぞれの専門地域における社会システムや宗教性に関するデータと文献を通した情報の蓄積・検証を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部でフィールド調査を見合わせた分担者を除き、フィールド調査は順調であり、全体を通して、定期的に分担者が勉強会で集まり活発な意見交換をする場が生まれた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の成果報告へ向け、それぞれのフィールド研究に根差し、かつ共同で新たな成果が生み出せる場を引き続き作り研究を進める予定である。 2024年度は、中間研究成果発表の場として、アジアでの国際ワークショップの企画開催を予定している(ネパールでの開催予定)。現地の研究者や共同研究者、若手研究者を巻き込み、当該アフリカアジア地域の比較研究を進め、単なる事例研究での寄せ集めではない、共同研究に根差した研究成果の発表を目指す。 具体的には、これまでの議論を踏まえ、アジアアフリカにおける宗教性に関する(1)ターミノロジーの比較、(2)近代国家(形成)、組織との関わり、(3)「方法(生きるノウハウ/アート)」としての宗教性、(4)「道」としての宗教性と瞑想の文化比較、(5)宗教性の生み出す「下からの」社会性、の5点に着目した章を想定しつつ議論を戦わせ、研究分担者のそれぞれのフィールドからのこれらの項目に関して事例研究の内容をすり合わせることによって、新たな議論展開と分析に発展することを目指す。
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