研究課題/領域番号 |
23K25474
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補助金の研究課題番号 |
23H00777 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
曽我 謙悟 京都大学, 公共政策連携研究部, 教授 (60261947)
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研究分担者 |
前田 亮介 北海道大学, 法学研究科, 准教授 (00735748)
田中 雅子 流通経済大学, 法学部, 准教授 (10842148)
砂原 庸介 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40549680)
永吉 希久子 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50609782)
大畠 菜穂子 金沢星稜大学, 教養教育部, 講師 (70727859)
安中 進 弘前大学, 人文社会科学部, 助教 (80880202)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 成長 / 分配 / 日本政治 / 歴史研究 / 政策研究 / 知識経済 / 国際化 |
研究開始時の研究の概要 |
生産様式の変化は,人々の所得を変化させ,そのことは政党政治の再編につながる.同時に,生産様式の変化は,科学技術の振興策や担い手となる教育のあり方など政治の選択の結果でもある.このような成長と分配をめぐる政治,あるいは政治と社会経済の共進化は,現在の日本においてどのような姿を見せるのか.それはなぜなのかを,知識経済への移行に焦点をあてながら分析することが,この研究の目指すところである.
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研究実績の概要 |
成長と分配という観点から日本政治の実態を解明することが本研究の目的である.初年度である2023年度については,2回の合同研究会を開催し,分析の枠組みや分析結果について,相互に検討を進めた. 分担者が行った研究の概要はそれぞれ以下の通りである.砂原は,日本の住宅政策の1990年代における転換とそれをもたらした要因を探った.公営住宅法の改正に焦点を当て,どのアクターのどの考え方が影響したのかを解明する.大畠は,戦後日本の政党政治が教育政策にどのような姿を見せるかを分析した.保革イデオロギー対立といった図式を超えて,同じ自民党でも与野党の位置づけによる変化や,改革志向の政党の流れが存在することなど新たな知見を得ることができた.永吉は,外国人労働者の有する技能や日本語能力によって,人々の外国人労働者への態度はどのように変わるのかを,サーベイ調査によって明らかにする.人々が職種と技能の関係をどのように捉えるのか,そこから政策としての外国人労働者受け入れをどのように考えていくかを明らかにする.田中は,租税政策の策定過程における政府税調の実態を解明した.政府税調での議論の内容や頻度,その集約と公開の様態を時期別の変化に留意しながら描き出す.前田は,戦後直後の金融政策と一万田日銀総裁を扱う.中央銀行の独立性は統治機構の制度設計における重要な一部分だが,制度の規定だけで実質が決まるものではない.戦後の変化の激しい時代においてさまざまな力学が働く中で,一万田がどのような戦略のもとに,制度構想と金融政策の決定を進めていったのかを明らかにする.安中は,明治時代の初期議会における選挙と代表の関係を扱う.これまでにないデータセットの作成と分析によって,制限選挙の結果として当時の富裕層である地主が支配する議会が成立したという古典的な理解を覆すことを試みている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時に計画したとおり,全体としての研究会を実施し,分担者各自が研究を進め,論文として執筆を行うことを達成することができた. 2023年度末までに,この研究成果として,分担者それぞれが執筆した6本の論文が公表に向けて校正の段階にある.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,引き続き,研究分担者の研究成果の公表に向けての作業を進める. 加えて,今年度は,研究代表者の研究についても,分析結果をまとめていく予定である.成長と分配の政治をめぐる先行研究の整理を行い,日本政治について,具体的に雇用政策と教育政策を題材として,分析を進める.その要因としての政党政治と官僚制の作動についても分析を進める. 夏には合同研究会を開き,分担者からの批判を受けて,秋までには執筆を終える予定である.年度内の刊行を目指す.
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