研究課題/領域番号 |
23K25493
|
補助金の研究課題番号 |
23H00796 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
小区分07020:経済学説および経済思想関連
合同審査対象区分:小区分07010:理論経済学関連、小区分07020:経済学説および経済思想関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
楡井 誠 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (60530079)
|
研究分担者 |
青木 周平 信州大学, 学術研究院社会科学系, 教授 (00584070)
重田 雄樹 東京経済大学, 経済学部, 准教授 (90793331)
リー ハーンベック 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 講師 (60973138)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2027年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | 景気循環 / 連続時間モデル / 産業連関モデル / 労働市場 / 産業連関ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、明確な外生的マクロショックのない時にも生じるマクロ経済のゆらぎの原因を、ミクロ主体間の弱い相互作用に求め、新しい景気循環論を構築する。ミクロ主体の戦略的補完関係がマクロ振動に転化する程度の強さを持つのは、マクロ的平均がミクロ行動に及ぼす影響が1対1となる場合で、研究代表者はそのような条件が、収穫一定下の企業設備投資や、貨幣中立性下の製品価格付け行動、シグナル・ノイズ比が小さい時の資産投資家の群集行動で成り立つことを示してきた。本研究ではこのように発生したマクロ振動が摩擦的な労働市場や産業連関ネットワークといった経路を伝わることによって、景気循環を特徴づける動態を決定することを示す。
|
研究実績の概要 |
本研究では、明確な外生的マクロショックのない時にも生じるマクロ経済のゆらぎの原因をミクロ主体間の弱い相互作用に求め、新しい景気循環論を構築し、連続時間モデルや産業連関モデルの数値解析手法の開発にも貢献することを目的としている。2023年度は研究代表者による国際共同研究論文“Repricing Avalanches”が Journal of Political Economyに掲載された(Jose A. Scheinkmanとの共著)。その分析は国際研究雑誌において言及されるなど大きな反響を呼んだ。また、ワーキングペーパーとして5本の研究論文を公表した。その他、フランスにて開催された国際大会"29th International Conference Computing in Economics and Finance"(7月3日‐7月5日)や、シンガポールで開催された国際大会"2023 Asia Meeting of the Econometric Society, East and Southeast Asia, Singapore"(7月28日‐7月30日)において研究報告を行い、参加者から貴重なコメントを得ることができた。その他にも、大阪大学にて開催された研究会においては招待講演として研究発表を行うなど数多くの研究発表を達成し、研究大会での司会およびコメンテーターや討論者としての役割を果たした。さらに、研究書『マクロ経済動学-景気循環の起源の解明』を刊行し、研究代表者のこれまでの研究成果をまとめて国内読者に広く伝えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
プロジェクトにおける主要な研究論文を、経済学分野の五大誌に掲載する成果を得た。また、本プロジェクトを含む今までの研究成果を取りまとめて日本語書籍として出版し、国際研究によって得た知見を広く国内の研究者や学生に還元することができた。そのほかにも、本プロジェクト研究の内容を数多く国際学会や研究会にて報告し、学会の第一人者から好意的な評価を得ることができた。また、連続時間モデルや産業連関モデルの数値解析手法に関連したマクロ経済分析モデルを用いた論文を国際査読誌に投稿した。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度から7年度にかけて、研究代表者のサバティカルを利用した在外研究期間となるため、その機会を最大限に活かせるよう、以下のような研究を計画している。 1.景気循環の周期と動学的伝播パターン-Xavier Ragot (Sciences Po)との共同研究により、内生的マクロ振動が雇用ショックを通じて引き起こす家計厚生損失を定量的に推定する。 2.ミクロショックの伝播とマクロ現象-向山敏彦 (Georgetown University) と中国奏人(東京大学博士課程)との共同研究により、リーマンショック時の輸出需要の急減が国内各地域・産業に伝播した過程を動学一般均衡モデルにより定量的に推定する。 3.連続時間・非代表的経済主体マクロモデル-西山慎一(京都大学)と渋谷春樹(Johns Hopkins University博士課程)との共同研究により、日本における長寿化と少子化が家計貯蓄に及ぼした影響を連続時間世代重複モデルを用いて数量的に分析する。
|