研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、「動学的非効率」という観点から長期停滞に陥った日本経済を理論的・実証的に分析し、停滞脱却のための処方箋を提示することにある。マクロ経済学の分野では、極端な過剰貯蓄が発生すると利子率が経済成長率を下回る結果、動学的非効率と呼ばれる経済停滞が発生することが古くから知られていた。ただ、従来の研究では、動学的非効率な状況は理論的には起こりうるものの、現実の世界で発生するとは考えにくいとされてきた。このため、日本を主たる分析対象として、経済が動学的非効率に陥っているかどうか、また陥っているとすればどのような要因によるものなのかを理論的・実証的に分析することは非常に意義深いものである。