研究課題/領域番号 |
23K25497
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補助金の研究課題番号 |
23H00800 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
小区分07020:経済学説および経済思想関連
合同審査対象区分:小区分07010:理論経済学関連、小区分07020:経済学説および経済思想関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三谷 羊平 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70647172)
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研究分担者 |
Newton Jonathan 京都大学, 経済研究所, 教授 (30829198)
高野 久紀 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (40450548)
嶌田 栄樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (40909793)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2025年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 実験経済学 / 制度設計 / 社会グループ / 繰り返しゲーム / 進化ゲーム理論 |
研究開始時の研究の概要 |
集落や民族など既存の社会グループにおける相互作用や行動規範は、社会的インセンティブという形で、その構成員の意思決定に影響を与える。深刻化する国際紛争や社会の分断を受け、このグループに起因する社会的インセンティブの理解が喫緊の課題となっている。本研究は、グル ープに起因する社会的インセンティブを理論的に特徴付けし、ラボ環境にて社会グループを誘発する理論を開発した上で、ラボに(準)社会グループを誘発する手法を確立する。次に、社会的インセンティブを操作した上で制度設計の効果を検証する制度実験を可能にする「制度設計集団 実験ラボ」を構築し、環境開発問題に関する政策介入の制度設計への応用を行う。
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研究実績の概要 |
当該年度は、環境開発問題への応用課題を通して、実際の社会グループの相互作用や行動規範に関する研究と準社会グループを想定した状況下での制度設計の研究を実施した。第一に、大グループに複数の小グループがある入れ子化型のグループ構造を想定し、リスク回避行動に小グループ間で外部性がある閾値付き公共財ゲーム(リスク回避ゲーム実験)を開発した。中央集権的な税による介入の効果を検証した実験研究をJournal of Behavioral and Experimental Economicsに出版した。第二に、個人と比較してグループはより合理的に行動するという広く観察されている実験結果のメカニズムを、独裁者ゲーム(向社会性)の文脈で探った。拡張版グループ最後通牒ゲームを開発し、個人と比較してグループでは、対戦相手に関する二次信念よりも自己グループメンバーに関する二次信念を重視するため、より自己利得最大化行動を取りやすくなるという罪悪感回避モデルを用いた仮説を検証した。本研究はセミナーにて報告した。第三に、土地所有者の森林保全政策への参加行動を対象として、ピア効果が存在するかを検証した。契約データに不完備情報モデルを応用した実証研究からピア効果の存在を示した。本研究は、ディスカッションペーパーとして出版し現在学術誌に投稿中である。第四に、社会グループに属する土地所有者間に存在する社会的選好を利用した制度設計を考案し、サーベイ実験を用いて保全地区の空間的な連続性へ与える効果を検証した。本研究は、学術誌に投稿準備中である。第五に、行政と協定を結び、土地所有者を対象とした無作為化比較試験を実施した。本研究は、現在データの分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
環境開発問題への応用課題に関しては、想定以上の進展があった。一方で、応用課題に時間を取られたため、ラボ環境にて社会グループを誘発する理論研究と、その実験的実装は当初の予定ほどの進展がなく、来年度以降の課題として継続する。応用課題は、対象地の協力機関や政策などの時期的都合があり、それらに合わせて研究計画を調整する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
データの収集が進んでいる環境開発問題への応用課題の論文化を進めると同時に、それらの成果を踏まえた形で、理論研究を進める。来年度末までに、実験的実装の準備に取り掛かることを目標とする。
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