研究課題/領域番号 |
23K25499
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補助金の研究課題番号 |
23H00802 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
小区分07020:経済学説および経済思想関連
合同審査対象区分:小区分07010:理論経済学関連、小区分07020:経済学説および経済思想関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
清水 和巳 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20308133)
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研究分担者 |
上條 良夫 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40453972)
大薗 博記 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (50709467)
井上 彰 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80535097)
後藤 晶 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (80707886)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2026年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 所得格差 / 実験経済学 / オンライン実験 / ビッグデータ / 再分配 / 運と実力 / ラボ実験 |
研究開始時の研究の概要 |
人々は,寄付や援助などの利他的行動は言うまでもなく,公共財供給などのジレンマ状況における協力・協調行動,あるいはリスク下の投資によっても不平等を軽減し得る.本研究では,これらの様々な行動に着目して,標準的な経済理論のみならず社会心理学・行動経済学・規範理論を応用しつつ, まず,不平等を生み出した原因(「運」か「実力」か)が不平等是正行動の促進・抑制(ダイナミクス)に与える影響を,2者間および多人数から形成されるネットワークにおいて,実験研究によって明らかにする.次いで,そこで得られた知見をビックデータによって検証する.この研究を推進することができれば,平等な社会の構築にも役立つと思われる.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,不平等の拡大・縮小(ダイナミクス)を,不平等が生じた原因(運か実力かに注目しつつ,実験的なアプローチ(ラボ実験,オンライン実験)によって実証的に研究し,そこで得られた知見をビッグデータによって検証することにある. われわれは,現在の資産状況が「実力」よりも「運」によって決定されている場合に,人々は不平等 を是正する行動をより選択するのではないかと予想している.この予想の下,「運」と「実力」という条件が所得格差是正に与える影響を研究計画1,2で検討する.この計画に乗っ取り,2023年度は 「研究1:2者間における不平等の拡大・縮小」(「実力」条件と「運」条件が不平等の拡大・縮小(ダイナミクス)に与える影響を,二者間かつワンショットという静的な環境において検討し,その因果関係を明確にすることを目的とする)をO-tree上で実行し,研究2での,多人数ネットワークでかつ,資源交換ステージを繰り返しゲームにした動的な環境上での実験実行を準備した.実験2に関してプレ実験は終了できた. 「運」によって得られた資源は「実力」によって得られた資源よりも利他的な資源再配に費やされるという知見を,みずほ銀行ビックデータにより検証すべく,RAを一人雇用しビックデータ分析に取り組んだ.上記のデータから,遺産(運による所得)・給料(実力による所得)と寄付額との相関関係の強弱を分析できるめどが立ってきた. 研究成果は一件,査読つき英文雑誌に投稿中であり,国内学会での発表も行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・われわれは,現在の資産状況が「実力」よりも「運」によって決定されている場合に,人々は不平等 を是正する行動をより選択するのではないかと予想している.この予想の下,「運」と「実力」という条件が所得格差是正に与える影響を研究計画1,2で検討する. この計画に乗っ取り,2023年度は 「研究1:2者間における不平等の拡大・縮小」(「実力」条件と「運」条件が不平等の拡大・縮小(ダイナミクス)に与える影響を,二者間かつワンショットという静的な環境において検討し,その因果関係を明確にすることを目的とする)をO-tree上で実行し,研究2での,多人数ネットワークでかつ,資源交換ステージを繰り返しゲームにした動的な環境上での実験実行を準備した.実験2に関してプレ実験は終了できた. ・「運」によって得られた資源は「実力」によって得られた資源よりも利他的な資源再配分に費やされるという知見を,みずほ銀行ビックデータにより検証すべく,RAを一人雇用しビックデータ分析に取り組んだ.上記のデータから,遺産(運による所得)・給料(実力による所得)と寄付額との相関関係の強弱を分析できるめどが立ってきた.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の研究実績を踏まえた上で,今年度も次の二つ方向で研究を推進する. 1)多人数ネットワークでかつ,資源交換ステージを繰り返しゲームにした動的な環境上で実験を実行し,不平等のダイナミクスを検討する.この場合も,「実力」よりも「運」条件のほうが,富者と貧者間のネットワーク形成が進み(言い換えると,富者と貧者のクラスターが形成されにくく),両者間での資源交換もより活発になり,不平等の是正が進むと予想する.また,このネットワークの人数を固定するだけではなく,ネットワークへの出入りを自由にすることで,より生態学的妥当性の高い実験環境において,「実力・運」条件が不平等の拡大・縮小(ダイナミクス)に与える効果を検討することができる. 2)引き続き,みずほ銀行ビックデータ分析により,遺産(運による所得)・給料(実力による所得)と寄付額との相関関係の強弱を分析する.
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