研究課題
基盤研究(B)
2022年以降、日本経済が経験した急激な円安と世界的な資源価格高騰が国内物価に波及するメカニズムは、従来の為替パススルー研究で十分に解明されていない。本研究は、国際価値連鎖分析の応用と、日本企業の個票データに基づく実証分析という二つのアプローチによって、次の4点を分析する。①日本企業のアジア域内生産ネットワークを通じた部品・中間財輸入における為替変動の日本への波及。②輸入物価の上昇が国内生産連鎖を通じて、最終製品価格に転嫁されるメカニズム。③日本から海外現地法人への企業内輸出における為替パススルー。④大幅な円高・円安局面において為替パススルーと建値通貨選択行動がどのように異なるか。