研究課題/領域番号 |
23K25535
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補助金の研究課題番号 |
23H00838 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
小区分07030:経済統計関連
合同審査対象区分:小区分07030:経済統計関連、小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
野田 顕彦 明治大学, 商学部, 専任教授 (80610112)
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研究分担者 |
平山 賢一 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員(客員研究員) (20972102)
吉見 太洋 中央大学, 経済学部, 准教授 (30581798)
盛本 圭一 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (50609815)
鈴木 史馬 成蹊大学, 経済学部, 教授 (60583325)
結城 武延 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (80613679)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2027年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2026年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 超長期時系列データ / 状態空間モデル / 大災害リスク / 情報の不完全性 / 市場効率性 / 適応的市場仮説 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は以下の通りである.金融市場における価格付けがある任意の時点で情報効率的か否かは,「市場を取り巻く環境の変化」に大きく影響を受けることが予想される.情報効率性は様々な外生的要因によって変動すると考えられるが,とりわけ,金融市場が「大災害リスク」や政府による市場介入に直面した局面においては,市場参加者がそれらの情報を織り込んだ価格付けを行うため,情報効率性が時間を通じて変化・進化する可能性が高い.そこで,「大災害リスク」や金融市場に対する政策介入が情報効率性の時変構造を生じさせるメカニズムを解明することで,金融市場における価格形成機能についての一般的検証が可能となる.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,日本の金融市場(株式・国債・短期金利)における超長期時系列データを構築し,理論経済学・計量ファイナンス・経済史といった分野横断的な観点から価格形成機能に関する総合的な検証を行うことである.本年度は,研究プロジェクトを遂行する上で不可欠となる株式の超長期時系列データを構築するための資料調査を行った.また,資料調査によって得られた戦前期・戦間期のデータを用いてLo (2004, Journal of Portfolio Management) で提案された適応的市場仮説の検証を行った.分析の結果,(1) 市場効率性は歴史的な大きな出来事に対応して通時的に変動しており,適応的市場仮説は概ね支持される,(2) 1930年代を通じて政府の市場介入が強化されるにつれ,戦争リスク・プレミアムが上昇し,特に太平洋戦争が不可避となった時期から市場効率は低下した,ことが明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」でも述べたように,超長期時系列データを構築するという側面からは,研究プロジェクトの遂行に必要不可欠な資料調査を終えることができた.また,資料調査によって得られた戦前期・戦間期のデータを用いてLo (2004, Journal of Portfolio Management) で提案された適応的市場仮説の検証を行った論文については,国際学術雑誌に投稿することができた.以上2点を完了できた点からも,現在までの達成度は概ね良好であると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」でも述べたように,今年度に国際学術雑誌に投稿した論文の実証分析の結果を踏まえ,株式と他の金融資産(国債(長期金利),短期金利など)の関連性について,より精緻な分析を実施してそれらの解釈を実施する.また,それと並行して,「市場を取り巻く環境の変化」が 情報効率性を変動させる要因となっていると考えることは自然であるが,どのような変化がどのような帰結を導くかを理論モデルによって説明 し,それに実証的な検討を加える.なお,今年度までに行った研究成果については,国内外の学会や研究会において報告を行う.そして,得られたコメントに基づき論文改訂を行ったのちに,国際学術雑誌に投稿する予定である.
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