研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、為替レートの価格発見(為替レートが私的情報を反映する過程)における指値注文の役割を明らかにすることである。その役割を検証する際に、機械学習分野でその予測精度、ナッシュ均衡の概念を用いてパラメータの学習(最適化)をおこなう点から注目される「敵対的生成ネットワーク」モデルを用いる。本研究の新奇性は、①従来の成行注文ではなく指値注文の価格発見役割に注目すること、②人工知能取引を用いる等、取引が複雑化した今日の市場を分析する際に、単純な線形モデルではなく、大規模非線形モデルの敵対的生成ネットワークを用いることにある。これにより、指値注文板情報から将来価格のシグナルの抽出が可能となる。