| 研究課題/領域番号 |
23K25555
|
| 補助金の研究課題番号 |
23H00858 (2023)
|
| 研究種目 |
基盤研究(B)
|
| 配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分07080:経営学関連
|
| 研究機関 | 広島経済大学 |
研究代表者 |
細井 謙一 広島経済大学, 経営学部, 教授 (30279054)
|
| 研究分担者 |
松川 佳洋 広島経済大学, 経営学部, 教授 (10847172)
坂田 隆文 中京大学, 総合政策学部, 教授 (40367652)
明神 実枝 福岡大学, 商学部, 教授 (60461480)
金丸 輝康 大阪学院大学, 商学部, 教授 (90278549)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2027年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2026年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
| キーワード | ビジネス・エコシステム / 社会統合 / 経済合理性 / 地場産業 / お好み焼き / 産業形成 / 偶有性 / 合理性 / ビジネス・エコシス |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、社会統合の概念を中核として、地域ビジネス・エコシステムの形成論理を、理論的かつ実証的に明らかにすることである。広島地域において、ソウルフードと言われるまでに普及したお好み焼産業を主なリサーチサイトとし、広島市から他の地域へと年度ごとに研究地域を拡大し、比較事例分析を行う。比較事例分析を通じて、お好み焼を食することを良しとする共通価値の認識が高まることによる消費者側の社会統合効果と、お好み焼を提供することを良しとする供給者側の社会統合効果とが、ビジネス・エコシステムの形成につながり、そのことがお好み焼を業として営むことの経済合理性を高めるという仮説的理論モデルを検証する。
|
| 研究実績の概要 |
令和6年度には、学会発表を2件と、一般向けの講演3件、新聞への寄稿1件を行った。 学会発表一つ目は松川による国際ビジネス研究学会・中四国部会での「岩塚製菓と旺旺集団によるグローバル統合戦略」であり、本研究の知見をお好み焼き以外の業界へ敷衍したものである。二つ目は細井による日本商業学会九州・関西合同部会における「広島お好み焼き産業におけるビジネス・エコシステムと市場形成」である。本発表では広島のお好み焼き産業を支えるエコシステムの概要を紹介した。広島のお好み焼きのエコシステムは、他の飲食業を支えるエコシステムと構造的には大きな違いはないが、それがお好み焼きを支えることになる合意形成過程において、中動態によるオートポイエーシスの作動として説明しうることを、仮説として提唱した。 講演や新聞寄稿は、本研究のこれまでの成果を一般向けに解説したものである。本研究の研究計画には、研究の成果を一般向けに公開し、フィードバックを得ることで研究の進展を図ることが含まれており、こうした一般向けの活動も研究計画に沿ったものである。講演は①から③の3件、新聞寄稿は④の1件である。①あさみなみ区民大学講演「広島のソウルフード:お好み焼きの過去・現在・未来」(令和6年8月28日)、②ヒロシマ・ピースフォーラム「広島の戦後復興を支えたお好み焼き」(令和6年11月30日)、③中国ニュービジネス協議会「観光資源としてのお好み焼き:ソウルフードと呼ばれることの意味と経済効果」(令和7年2月10日)④中国新聞「今を読む:戦後80年とお好み焼き」(令和7年2月15日)。広島市では令和7年が被爆80年にあたることから、被爆の実相やその後の復興の状況などについて関心が高まっており、こうした講演依頼や新聞への寄稿依頼につながった。こうした機運も本研究の進展に寄与するものと期待される。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
令和6年度には、ビジネス・エコシステムの現状の記述を中心に行う予定であり、そのために令和5年度に実施したお好み焼き店へのインタビューに加えて、川上の食品卸や食品メーカーへのインタビュー取材も行う予定であった。またビジネス・エコシステム形成の経路依存性を検証するため、関係資料の発掘にも努める予定であった。これらの内、川上の取材がやや遅れているものの、経路依存性検証のための関係資料の発掘はかなり進んでおり、全体的に見ると、やや遅れていると判断するのが妥当である。 令和6年度は、翌令和7年が戦後80年、被爆80年の節目の年に当たることもあり、その歴史的な振り返りが盛んにおこなわれた年であった。特に広島市では、ソウルフードと言われるお好み焼きと戦後復興の関係に関する関心が高まり、研究代表者にもこうしたテーマでの講演依頼やマスコミからの取材依頼が複数寄せられた。こうした情勢から、戦後のお好み焼き産業の振り返り、そのための資料発掘などを優先して行った。 その結果、経路依存性の検証に関しては当初計画通りに進み、またその成果を一般向けの講演や新聞記事という形でも公開したことから、研究最終年度に予定していた一般消費者やお好み焼き店、業界関係者などからのフィードバックを得るということも、一定程度先取りすることができた。 ただ、その分、ビジネス・エコシステムの川上の現状を記述することに関しては、計画よりも遅れる結果となった。とはいえ、経路依存性に関して一定の知見が得られたことから、現状についてもよりよく理解できると考えられることから、令和7年度以降に十分挽回可能であると考えている。
|
| 今後の研究の推進方策 |
令和7年度には、令和6年度に十分実施できなかった広島市お好み焼き産業のビジネス・エコシステムの現状の記述、特にバリューチェーンの川上の状況の記述を中心に行うこととする。令和6年度には、経路依存性に関する調査を優先的に行っており、このことが現状の調査の遅れにつながったわけではあるが、その一方で、経路依存性に関する理解が進んだことから、現状に関する洞察力も上がっていると考えている。このことが令和6年度の遅れを取り戻すことに役立つと考えている。 また、令和7年度には、令和8年度に実施予定であった、海外でのビジネス・エコシステムの調査も一部前倒しして行うこととする。これについては、本研究の調査協力企業がクアラルンプール工場を拡張し、研究代表者に視察の招待があったことなどが関連している。同地でのお好み焼きのビジネス・エコシステムの転機となりうる絶好の取材機会なので、研究計画の一部前倒しを考えている。 この海外視察は、今年度に本来予定している、広島市から広島県内各地へのリサーチサイトの拡張とも相乗効果が得られるものと考えている。 本研究は、当初計画では、お好み焼きのビジネス・エコシステムが既に形成されている広島市について優先的に研究を行い、リサーチ・サイトを広島市以外の広島県、日本国内、海外へと順次拡張していく予定であった。しかし、お好み焼きのビジネス・エコシステムとそれを取り巻く環境が変化していることから、その変化に合わせて、転機となりうる事態が生じているリサーチ・サイトを優先的に調査することで、研究の加速を図っていくこととしたい。
|