研究課題/領域番号 |
23K25573
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補助金の研究課題番号 |
23H00876 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
小区分80030:ジェンダー関連
合同審査対象区分:小区分80030:ジェンダー関連、小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
松木 洋人 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授(テニュアトラック) (70434339)
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研究分担者 |
大日 義晴 和洋女子大学, 家政学部, 准教授 (00732968)
中西 泰子 相模女子大学, 人間社会学部, 教授 (50571650)
菅野 摂子 埼玉大学, その他部局等, 准教授 (60647254)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2027年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2026年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 食物アレルギー / 家族 / 混合研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は①食物アレルギー患者とその親が具体的にどのような困難を抱えているのか、その困難にどのように対処しているのか、そして、②その困難と様々な社会的要因とはどのように関連しているのかを明らかにしようとするものである。質的調査と量的調査の専門家が役割を分担しながら協力して混合研究を実施することによって、食物アレルギー患者とその家族が経験する困難のメカニズムについて個別的かつ総合的にアプローチすることを試みる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、食物アレルギー患者とその親がどのような困難を抱えているのか、それらの困難の促進・緩和要因としてどのような社会的要因があるのかを明らかにすることである。具体的には、①まず患者とその親が抱える困難を当事者の理解に即して把握するための質的調査を実施する。さらに、その知見を踏まえて、②食物アレルギーが患者とその親にもたらす困難と関連する社会的要因(規範意識や経済的・非経済的資源)について量的調査による把握を行い、その全体像とメカニズムを明らかにしようとするものである。 1年目にあたる2023年度においては、まず①の質的調査、すなわち、インタビュー調査の実施に注力した。具体的には、子どもに食物アレルギーのある6名の母親、食物アレルギーのある5名の成人にインタビュー調査を実施した。現在は研究期間以前に実施したインタビュー調査から得られたデータとあわせて、子どもに食物アレルギーのある母親あるいは食物アレルギーのある成人の経験に焦点を当てた論文の執筆準備を進めている。 また、本研究に密接に関連する研究成果として、食物アレルギーのある子どもやその家族を支援するNPOのニュースレターを分析する論文を投稿しすでに掲載が決定している(松木洋人, 2023, 「食物アレルギーのある子どもとその家族を支援する実践の論理:平等な参加機会の保障と例外的な状況の脱例外化」『三田社会学』28)。この論文においては、子どもに食物アレルギーのある母親によって設立されたあるグループによる支援や啓発の実践がどのような論理によって成り立っているのかを検討し、その活動が食物アレルギーをめぐる責任が特定の個人に帰属されやすい現状に働きかけることを通じて、食物アレルギーがあるためにできないことと食物アレルギーがあってもできることとの境界を引きなおすことに集合的に取り組むプロジェクトであることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の進捗状況はおおむね順調に進展していると評価しうると考える。当初の計画においても、この2023年度はインタビュー調査に注力しながら、3年目以降の質問紙調査の計画へとつながる時期という位置づけであった。合計11名のインタビュー調査を実施できたことをふまえると、おおむね計画通りに進めることができたと考えている。他方で、2024年度のインタビュー調査については、すでにスノーボールサンプリングの限界を迎えつつあり、また、質問紙調査の設計という新たな課題に直面することとなるので、着実に研究を進展させられるように努める。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進をめぐる課題としては、第1に、インタビュー調査において、すでにスノーボールサンプリングの限界を迎えつつあることがある。これまで少数のキーパーソンのご厚意に頼って調査を進めてきたので、2024年度以降においては、キーパーソンとなっていただけそうなかたに幅広くアプローチしたり、質問紙調査で予定されていたウェブモニター調査とインタビュー調査をリンクさせることを検討する。また、第2の課題としては、申請時から予算が減額されているため、当初に予定されていた回数や規模の質問紙調査が行えない可能性があることが挙げられる。この点については、ウェブモニター調査の回数をまとめることや実施する調査の優先順位を検討することで対処を試みる。
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